「ヒョンジェは美しい~ボクが結婚する理由(わけ)~」 현재는 아름다워
2022年 KBS
★★★★☆
出だしからこれは面白いという感じがものすごく出ていました。ドタバタのコメディ感もありながらほっこりとする暖かさもあり、そしてちょっぴり泣けるストーリーです。
家族の物語ですが、3兄弟のそれぞれのロマンスの行方も気になり最後まで楽しく見られました。
スピード感はそれほどないのですが、メリハリがあって飽きることはありません。登場人物一人一人が丁寧に描かれているので、その時々の心の内が良く理解できました。
この手のドラマは悲しく終わるわけがないのでその点も安心して見ていられました。
ただ韓ドラにはよくある設定ですが、とても狭い世界で展開する物語で、こんな偶然ないよねと思うこともたくさんありました。
それでもそんな違和感を吹き飛ばしてくれるほど、喜怒哀楽が楽しかったし、人生の紆余曲折が切なかったし、何よりも暖かさを感じるドラマでした。
俳優陣は若手、中堅、ベテランと揃っていてバランスも良く、それぞれいい味が出ていました。特にベテラン勢はおなじみの方々で安心して見ていられましたし、彼らのおかげで登場人物が多い割には締まったドラマになっていたと思います。
イ・ユンジェ(オ・ミンソク)=イ家長男、歯科院長
イ・ヒョンジェ(ユン・シユン)=イ家次男、離婚専門弁護士
イ・スジェ(ソ・ボムジュン)=イ家三男、公務員試験に挑戦中
シム・ヘジュン(シン・ドンミ)=法律法人代表、ヒョンジェの上司
ヒョン・ミレ(ペ・ダビン)=ヒョンジェの依頼人
ナ・ユナ(チェ・イェビン)=パティシエ志望
イ・ミノ(パク・サンウォン)=3兄弟の父親
ハン・ギョンエ(キム・ヘオク)=3兄弟の母親
友人の結婚式に出席したギョンエは自分の息子たちが結婚していないことを話題にされ悔しい思いをした。長男も次男も人がうらやむ職業に就きながら、いまだ結婚の気配がない。
同じようにひ孫自慢をされ寂しい思いをしている義父のためにも早く息子たちに結婚して欲しいギョンエ。その嘆きを聞いた夫は一計を案じ結婚プロジェクトを立ち上げる。
6ヶ月以内に婚約者を連れて来ればマンションをあげようと提案すると、負けず嫌いな3兄弟・ユンジェ、ヒョンジェ、スジェは全員このプロジェクトに参戦。それぞれ結婚に向き合うことに。
ヒョンジェの上司でもあるヘジュンはユンジェの歯科へ治療へ行ったことがきっかけで、ユンジェに好意を抱きアプローチしているのにのれんに腕押し。ユンジェはマッチングアプリで相手を探していた。
次男のヒョンジェは結婚取り消しを希望する依頼人ミレに好感を持ち始める。しかしミレに告白されるも、過去の辛い経験から前に踏み出せないでいた。
更に三男ユジェはアルバイト先で知り合ったユナを相手に偽造結婚を目論む。早速ユナを恋人だと家に呼び家族に引き合わせ、兄弟の中で一歩抜きんでるが・・。
韓流プレミア ヒョンジェは美しい~ボクが結婚する理由(わけ)~ | テレビ東京・BSテレ東 7ch(公式)
以下ネタバレあります。
3兄弟の物語かなとも思いますがはっきりと主人公といえる人がいないような物語です。登場するすべての人々の紆余曲折の人生、そしてどの人生も美しくて立派です。
題名にヒョンジェと入っているので、ヒョンジェとミレが主人公かなと思いながら見ていましたが、後半に入ってイ家のおじいちゃんやお父さん、そしてミレの母親との関係も複雑で目が離せませんでした。
今(ヒョンジェ)を大切に生きて未来(ミレ)に繋げるというのがテーマだったのかなと思います。せっかく題名にヒョンジェと入っているので、ヒョンジェとミレに重きをおいても良かったような気もします。ストーリーの中でのボリュームは大きかったと思いますが、なぜか印象が薄いです。
3兄弟のロマンスはそれぞれ楽しかったです。
長男ユンジェとヘジュンが一番お似合いのカップルのように感じました。演技力の確かさもありますが、とても自然な二人に映りました。ヘジュンの負けず嫌いで褒められたい感が強いキャラも笑えたし好きでした。
次男ヒョンジェとミレは、ヒョンジェの元カノとの展開もあり、一番ラブストーリー的展開で結ばれた二人。なんですが、見ていてあんまり愛を感じられず、ずっと違和感が続いてしまいました。あんまりしっくりこない二人でした。
ミレはもう少し小柄な女優さんだともっと良かったかな、演技も硬く感じたしドラマに溶け込んでいないように見えました。
三男スジェとユナの恋は偽装から始まりかなりもつれましたが、可愛らしいなと見ていました。気持ちの動きも納得できたし、二人とも本当に良い子。この若い二人の「愛してる」の言葉には少し違和感を感じましたが、お互いに自分らしく未来に向かって懸命に生きている姿は微笑ましかったです。
この3兄弟の絆はもっと強く描いて欲しかったなと思いました。お互いにお互いを気にかけているのは十分伝わって来たのですが、私には物足りなかったです。
その他、ミレのおばあちゃんはかなり強烈なキャラでしたが、嫌いではなかった。年寄りの頑固さみたいなものもあったけれど、悪い人ではなくて良かったです。
イ家のおじいちゃんは穏やかな人ですが心の底に辛い過去がありずっと苦しんできました。息子は養子ですが、愛情たっぷりに育てたことはミノを見ればわかります。
ただミノの気の配りようを見るとやはり優しい息子と言うだけでなく、特別な親子関係だからこそにも見えました。
そんな二人の関係がありミレの母親に繋がっていく展開では見ている私も複雑な思いでした。この場面では私にはちょっと理解できないミレの祖母の言動などもあり驚いたり、ハラハラしたり。
自分の考えをきちんという事も大事だし、相手を思って歩み寄ることも大事だし、先を見て考えることも大事。
でも最後は皆で一つになって幸せな様子、めでたしめでたしでした。
ヘジュンとミレが同時に産気づいてましたけど、ヘジュンは先に産みたいんじゃないかな「初孫」の座をかけて・・なんて思ったら、その後の展開が予想されて思わず笑顔になってました。
そんないつの間にかほっこりできる家族ドラマです。
最後まで読んでくださってありがとうございます。