「九尾狐＜クミホ＞伝～不滅の愛～」 구미호뎐 2020年 tvN
★★★★★
九尾狐と人間とのファンタジーラブストーリーです。多少ホラーっぽいシーンもあって私は苦手ジャンルなのですが、最後まで面白く見ることができました。
ラブストーリーとしても楽しめますが、悪の妖怪との心理戦やアクションシーンもあって飽きさせない構成です。展開に無理を感じることもなく、コメディ色も盛り込まれていて、全体的にバランス良く作られた作品、丁寧に考えられた作品という印象です。
脚本、映像、キャスト、どれも素晴らしくクオリティ高く仕上がっています。
注目はイ・ドンウクとキム・ボムの共演。二人のカッコ良さと真に迫った演技でどんどん引き込まれました。見終わってストーリーとは別にこの二人が強く印象に残りました。
画像：namu.wiki
イ・ヨン（イ・ドンウク）＝九尾狐
ナム・ジア（チョ・ボア）＝ドキュメンタリー番組のプロデューサー
イ・ラン（キム・ボム）＝ヨンの母違いの弟
ク・シンジュ（ファンヒ）＝獣医、狐
テリ（イ・テリ：イ・ミンホ）＝番組新人スタッフ
幼い頃に狐峠で事故に遭い両親が行方不明のままのジア。今はテレビ番組のプロデューサーで忙しく飛び回りながらも両親の行方を探し続けている。
ジアは結婚式場で起こった奇妙な事件を追う中で、かつて狐峠で自分を助けてくれたヨンを見つけ、両親のことを知っているに違いないと彼を追いかける。
一方、九尾狐のヨンは600年前に死に別れた人間の恋人アウムと瓜二つのジアに戸惑い、彼女はアウム生まれ変わりではないかと心が騒ぐ。
以下ネタバレあります。
まず、九尾狐とは何か。
文字の通り「9つの尾をもつ狐」で、もともとは中国の伝説上の生き物。霊獣、妖怪という位置づけです。
朝鮮では男性を翻弄して命を奪う悪女に描かれることが多いようです。そして妖怪の中でも九尾狐の持つ能力は最強ともいわれています。
クミホは人間になりたいと願っており、男性の命を奪うのも1000人分の心臓ないし肝を食すことで人間になるためという。
実在の道士で学者の田禹治（チョン・ウチ）について、クミホに愛されたという伝説が残っている。クミホは亡くなる直前、彼に特殊な玉（狐珠）を贈る。その効果によって「この世の理致に到達した道人」になったと語られている。
（ウィキペディア・朝鮮から）
このドラマでは九尾狐が男という点も斬新。ヨンも人間になりたいと思っていたけれど、これは愛した人間と一緒に平穏に暮らす為。切ない願いです。
このドラマには見どころとなる要素が色々とあって視聴者を飽きさせません。ジアは両親に会えるのか、前世から続く九尾狐と人間のロマンスの行方は、悪の妖怪を倒し人間界を救えるか、兄弟の絆は戻るのか・・・。
複雑なようでも展開がスムーズで、自然とストーリーに入り込めました。
また重要な妖怪アイテム？も出てきて面白かったです。狐珠はもちろん、鏡やホオズキ、動物の言葉のわかるネックレス・・。こういうところも興味深く楽しめました。細部まで神経を行き届かせた脚本だと思います。
画像：m-i.kr/news
実は私はイ・ランを演じたキム・ボム目当てで見始めました。この作品では昔の可愛らしさもそのままでありながら、凄みや冷たさを感じさせる表情、演技が流石でした。こういう役も板についてきたなぁと感慨深い・・。とても魅力的な俳優に成長したと思います。これから役の幅もどんどん広がっていくことでしょう。
ランはヨンに捨てられたと思って恨んでいるのですが、それでも心の底ではまだ兄のヨンを慕っていて心はとても複雑。拗ねてるって感じでしょうか。そんな心に傷のあるランをキム・ボムがすごく上手に表現してくれました。ヨンとランの兄弟愛、絆にもウルッと来ました。
久しぶりのキム・ボムを堪能しました。
画像：extmovie.com
でも、その上を行くイ・ドンウクに最初から釘付け。失礼ですがこの年令（1981年生）でアイドル顔負けのあのキラキラ度はなんですか？
カッコ良すぎて目が覚めました。九尾狐の神秘的なイメージにもピッタリで引きつけられ、痺れました。抗えない魅力満載です。
あれ？もしかして実は私ファンだった？と思うくらいに嵌りました。演技が上手すぎて自然なので、見ている私までもドキドキさせてくれるのです。
ジアを思う温かさも切なさも痛いほど伝わって来ました。ひねくれているランを見つめる目にも、ものすごく愛情が溢れていました。
彼の高い演技力があったからこそ、ヒューマンドラマのように心を揺さぶられたのだと思います。コミカルで可愛いところも二重丸。
そしてミントチョコアイスがすごく似合う。今後はミントチョコアイスで絶対ヨン＝イ・ドンウクを思い出すでしょう。
彼の美しさを見るだけで価値のあるドラマでした。この作品でイ・ドンウクにメロメロになった女性も多いのではと思います。
その他の登場人物、妖怪も良かったです。特に妖怪はその生い立ちなども興味深く描かれて、親しみが持てる妖怪もいました。そういう細かいところもキチンと噛み合っているのでストーリーに違和感を感じることなく、最後まで面白く見られたのだと思います。
クライマックスの悪者との戦いは迫力もあり、切なくもあり見ごたえがありました。
悪者と一緒にヨンも三途の川へ落ちて・・生まれ変われないはずでは？と思いましたが、あれは月見草のマジックですか？
皆ハッピーエンドで良かったです。そして最後の最後まで凝った終わり方で心から満足出来るドラマでした。
この「九尾狐伝」シーズン2が2023年に韓国で放送予定だそうです。
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最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。
