「チェックメイト!〜正義の番人〜」 특별근로감독관 조장풍(特別労働監督官 チョ・ ジャンプン) 2019年 MBC
★★★★☆
ストーリーは単純で痛快ハチャメチャコメディではありますが、ブラック企業とい現代の社会問題にも焦点をあわせた社会派ドラマの側面も持っています。
始めのうちは仕事の問題といってもよく取り沙汰される内容で少しありきたりだと思ったのですが、身近な題材なので入り込みやすかったです。
悪者が絞られて焦点が定まってからは、加速度がだんだんとついてテンポ良く、面白さが増していきました。
やったらやり返す、そして知恵を絞りながらも猪突猛進の攻めはなかなか見ごたえがあり、最後まで飽きずに見ました。
韓国財閥の横暴さは良くドラマにも登場しますが、大げさではなくきっと本当にこんな風なのかもと冷静に見られるのはコメディだからかもしれません。
最後、極悪人はお縄にかかりスカッと痛快な勧善懲悪、面白かったです。
チョ・ジンガプ(キム・ドンウク)=労働監督官
チュ・ミラン(パク・セヨン)=刑事、ジンガプの元妻
チョン・ドック(キム・ギョンナム)=調査会社の社長
ウ・ドハ(リュ・ドクファン)=ミョンソングループ弁護士
ヤン・テス(イ・サンイ)=ミョンソングループ御曹司
チェ・ソラ(ソン・オクスク)=ミョンソングループ会長、テスの母親
正義感の強いチョ・ジンガプは熱血高校教師だったが、それが裏目に出てクビになり、妻とも離婚する羽目に。
その後は安定を求めて一念発起し労働監督官(公務員)になり、日々様々な労働問題と対峙していた。
そんな中かつての教え子から、数か月間の給料未払いと不当解雇の件について聞かされる。ジンガプは教え子を助けようと彼の勤め先であるサンド旅客について調べ始めた。
上司には止められるが正義感に火が付いたジンガプは、サンド旅客の社長に本格的な捜査を開始すると宣戦布告する。
そして今は調査会社を立ち上げた教え子ドックとともにブラック企業に立ち向かうが・・。
以下ネタバレあります。
主人公といえどもジンガプも結構悪者にやられてしまうので、歯ぎしりするような悔しい思いもありながら次はどうする!みたいな期待と頑張れ!という応援する気持ちが大きかったです。
悪者をぎゃふんと言わせてほしい、そんな思いで最後まで見ました。
ジンガプは頼りがいがある上にとてもチャーミング。やはりこの人物の魅力で出来上がっているドラマだと感じました。演じたキム・ドンウクの何もかも適当にやり過ごして生きてきて少しふっくらしてきたオジサンぽい体形もこの役にぴったりで、素晴らしかったです。
彼の周りにはかつての教え子達がたくさん登場します。適材適所というか上手く組み立てられているなと思いました。この元教え子たちもそれぞれ「さもありなん」という成長をしているのが面白かったです。
ジンガプは教師時代も今も変わらぬ正義感を持ち、人情厚い人だからこそ彼らも信じたんでしょう。それが事件解決のポイントのように思います。極悪人と比べると真逆の人ですものね。
登場人物それぞれが魅力的で楽しかったです。
チェ・ソラの傍からみると滑稽なほどの吹っ切れ感がすごかった。「私を誰だと思ってんの==」最後の最後まで言ってましたね。(私も言ってみたい・・)
またこの息子がいい悪者感。薄っぺら感というか小者感というか。
どの俳優さんもそれぞれいい味出して、登場人物一人一人が印象に残りました。
気になったのは、チュ・ミラン。もっと刑事として活躍すると思いきやそうでもなく、元妻である必要があったのか?少し中途半端な感じ、釈然としませんでした。
とにかくどの俳優さんも縛られずに楽しく演じているような感じが伺えて、それもこのドラマの魅力です。コメディだからというだけでなく、チームワーク良さそうな雰囲気で見ている私も楽しかったです。
働く人の様々な問題が取り上げられているドラマですが、一人ではなく同じ思いの人達が一丸となって戦うことが問題解決につながるのではというメッセージもありました。
長いものに巻かれてしまうのではなく、権力に口をつぐむのではなく、声を上げることの重要性も描かれていて、考えさせられる部分もありました。
逆に労働問題に向き合う公務員への注意喚起の意味もあるのかなと感じました。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。