「医師ヨハン」 의사요한 2019年 SBS
★★★★☆
私の大好きな医療ドラマであると同時に、永遠の王子様チソン主演なので見る前からワクワクしていました。
面白かったです。話数も短め(16話)で、中だるみもなくサクッと見れました。ただ少し消化不良気味の部分もあってちょっと残念。
もう少しそれぞれの登場人物の関係性を丁寧に描いてほしかったし、医療現場を深く掘り下げて重厚感を出して欲しかったというのが正直な感想です。
それでも始めからヨハンの天才医師ぶりが炸裂してカッコいいし面白かったです。登場人物それぞれが抱えている秘密がわかってくるとその先のスト−リーの展開も気になり、最後まで飽きることなく見ました。
難病、不治の病、安楽死、終末医療など「死」がテーマでもありますが、ロマンスもあり全体的にテンポよく、それほど重く感じることはありませんでした。ペインクリニック科の若い先生たちにも和ませてもらいました。
医療現場の話ですから血は出てきますが、ストーリーはアクがなくさらりとしているので見やすい作品だと思います。
チャ・ヨハン（チソン）＝ペインクリニック科教授、天才医師
カン・シヨン（イ・セヨン）＝ペインクリニック科レジデント
イ・ユジュン（ファンヒ）＝ペインクリニック科フェロー
カン・ミレ（チョン・ミナ）＝ペインクリニック科レジデント、シヨンの妹
ソン・ソッキ（イ・ギュヒョン）＝ヨハンの担当検事
医師になることを諦めたシヨンは刑務所の医療スタッフとして働くことになった。急患に戸惑い救急車を呼ぼうとするが、ある受刑者の的確な指示で患者を救うことが出来た。
その受刑者は犯罪者を安楽死させた罪で服役していたヨハン。務所内でも医師としての高い能力で信頼を得ていた。その後もヨハンは難しい病気を言い当てシヨンに患者を救う道を示す。
再び医療への情熱を取り戻したシヨンはチャンスを得て再び医局に戻った。そこで刑期を終えペインクリニック科教授として復帰したヨハンと再会する。
そんな折、人気格闘家が目の違和感を訴えてやってきた。ヨハンがボクシング観戦時に負傷した目に応急処置をしたその格闘家だった。めまいもあり歩けないと訴えるが、検査結果は正常だった。
視力が戻らない原因は他にある、ヨハンが引き出した答えは・・。
日本の作家兼医師の久坂部羊の小説「神の手」を原作とするメディカルドラマ。
以下ネタバレあります。
医療現場での話ではありますが、医師の人間性を問う、愛を問う、「死」を考えるヒューマンドラマとして見たほうが納得がいくかもしれません。
若い先生達はヨハンと共に仕事をしながら医師として成長していきます。医師たちの迷いや葛藤も描かれています。チームで患者と向き合い診断手順だけではなく、ヨハンの患者との向き合い方、寄り添う姿勢が丁寧に描かれていました。
患者からみれば不安な気持ちを救ってくれる医師が一番です。そういう医師となら一緒に病気と戦うぞという気持ちになるでしょう。
ヨハンはまさにそういう医師です。
ヨハンは医師としても上司としても素晴らしいし、カッコいい。周りに女性がいないのはおかしいでしょと思っていたら、そういうことかとわかってから辛かったです。
肉体に痛み苦しみは感じなくても、抱えている病気がヨハンの心に与える物はまさに痛み苦しみに違いないです。出口の見えないトンネルを行くような彼の人生を思うとやりきれませんでした。
そんな難病の天才医師ヨハンを演じるのはチソン。人を包み込むような雰囲気やあたたかい眼差しに癒やされました。
1977年生まれ、流石に年齢も感じましたが、いつまでもカッコよくどこか少年ぽい面立ちが魅力的です。コミカルからシリアスまでどんな役でもこなし、それもピタリとはまる説得力ある演技を見せてくれます。
次はどんな役かなと楽しみな俳優です。
最後まで面白く見終えましたが、やはり登場人物、それぞれの関係性の描写が希薄なので、その分感情移入は難しかったです。
この人はどうなったの？この人のドラマでのポジションは？と最後まではっきりとしない状態で終わってしまった登場人物が多かったです。
またベテラン俳優さんもたくさん登場していますが、今ひとつその魅力が活かされていないような気がしました。
前半は医療、後半にはロマンス色が加わりますが、どっちつかずの印象を受けました。前半の医療現場での奮闘はスピード感もあって面白かったので、そのまま最後までその勢いで突っ走ってほしかったです。ロマンスはなくても良かったかなと思いました。
でも、いつどうなるかわからない難病を抱えるヨハンの気持ち、だからこそ傍にいたいというシヨンの気持ち、どちらも切ない。ヨハンのこれまでの人生を思うとやはり愛するシヨンとあたたかい幸せを感じ続けて欲しい。
細かいところでツッコミどころも多々あるのですが、全体的にきれいにまとまっていた作品です。見終わってむしろ清々しく後味も良い作品でした。
ただやはり・・見終わってラブストーリーだったという印象になってしまったのがなんだか悔やまれます。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。
