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韓国ドラマ「コッソンビ 二花院(イファウォン)の秘密」感想~軽くサクッと楽しめるロマンス史劇

「コッソンビ 二花院(イファウォン)の秘密」 꽃선비 열애사 (コッソンビ熱愛史) 2022年 SBS

※コッソンビ=花のように麗しいソンビ(常識があり高潔な人)

★★★★☆

フレッシュなキャストとわかりやすいストーリーで最後まで楽しめました。軽めの歴史劇で、ミステリー要素もあり飽きずに見られます。

物語は暴君を倒し王権を取り戻す展開とロマンスの二面で進みます。ストーリーを面白くするツボを心得いているなという感じ。政争とロマンスのバランスが良かったと思います。

政争はくどく描かれることなく道筋がはっきりとしていてわかりやすかったです。ハラハラもアクションもあり歴史劇として十分楽しめます。

ロマンスは適度に胸キュンシーンもあり、成り行きが心配で切なくなる展開もあるし、笑えるシーンもあって充実しています。ただ原題にある熱愛史というほどの熱愛はない感じですが、考えようによっては熱愛かなと。

そしてコッソンビ3人にはそれぞれ秘密があり、それがだんだん明かされていくにつれ物語が深くなっていきます。そしてそれぞれの関係性がきちんと一つにまとまる辺りは流石だなと思いました。

若手俳優中心のドラマでそれぞれの魅力が光っていて、溌剌として爽やかな印象が残りました。更にベテラン勢がしっかりと締めてくれていて安心して見ていられる作品でした。

話数が短めでも王権争いや裏切り、復讐など歴史劇のツボが盛り込まれ、ロマンスとともにすっきりとまとまっている点も高評価です。余韻の残る深い作品とは言えませんが、こういう軽く楽しく見られるドラマもいいですね。

画像:SBS

ユン・ダノ  (シン・イェウン)=二花院を経営する女主人 
カン・サン(リョウン)=武科の受験生
キム・シヨル (カン・フン)=文科受験生
チョン・ユハ (チョン・ゴンジュ)=文科受験生
ユン・ホンジュ(チョ・ヘジュ)=ダノの姉
イ・チャン(ヒョヌ)=国王

父親の死後ユン・ダノ(タノ)は遺された家を科挙受験生のための宿「二花院」として経営している。合格率が高いというのを売り文句にしているが、幽霊が出るという噂のせいで客が来ない。

宿泊客は父の弟子だった古参のユク・ユクホと兄のようなチョン・ユハの二人だけだったが、新たに調子のよいキム・シヨルと武科を目指すカン・サンが加わった。

一方、暴君イ・チャンは行方不明の廃世孫(王位継承を廃された孫)イ・ソルを逆賊として探していた。捜査を命じられたチャン・テファは「二花院」に目をつける。

タノは父親が借りたという多額の借用書を見せられ、返済できなければ「二花院」を明け渡せと通告される。

どうしても「二花院」を手放したくないタノは貸主であるチャン・テファに直談判。借金返済の代わりに廃世孫イ・ソルを探し出すと約束するが・・・。

コッソンビ 二花院(イファウォン)の秘密 - NHK

以下ネタバレあります。

前半での一番の興味は誰が廃世孫イ・ソルなのか?そしてそのイ・ソルを守っている番人は誰なのか?という謎です。あれこれ考えを巡らせながら見ることになります。

このミステリー要素は物語に入り込むポイントとしてとても有効だったと思います。そしてこの謎が解けた後も失速することなく、物語は更に面白くなっていくというのもこのドラマの素晴らしい所です。

と同時に主人公二人のロマンスが進んで行きます。初めは女1人に男3人がぐちゃぐちゃにこんがらがるのではと思っていましたが、とてもスッキリとしていました。むしろあっさりし過ぎだと思う人もいるかも。

画像:namu.wiki

主人公2人=タノとカン・サンのロマンスは子供のころからずっと心にあった出来事から続くもので、お互いに揺れることなく結びついていたので、胸キュンシーンもあったもののあまり興味をひかれませんでした。

三角関係もありましたが、そこは流石にコッソンビ、ドロドロな関係にはならずあっさり爽やかに描かれていました。

私が一番心を惹かれたのは、キム・シヨルとユン・ホンジュの恋です。

画像:namu.wiki

私はこのドラマではとにかくシヨルが一推し、演じたカン・フン一推しでした。

シヨルは背負っているもののせいで心も複雑、本来恋愛などは無理じゃない?と思うところですが、それでもホンジュを本気で愛してしまいます。一方、ホンジュにも秘密があり気持ちはあってもなかなか一歩が踏み出せない。

シヨルが割とあっけらかんとしているので、その心中は計り知れなかったけれど、大きな不安や葛藤があったはず。そしてお互いに心の迷いを吹っ切って結ばれたのに、過去の真実がまた二人を苦しめます。

そうなることが薄々わかっていただけに辛かったです。どうなる事かとハラハラしました。シヨル推しだったから、彼には絶対に幸せになって欲しかったし。

こういう事は時が解決してくれるという事でしょうか。シヨルによってホンジュは本来の自分を取り戻したように、今度はホンジュがシヨルの凍った心を溶かす番でした。

シヨルを演じたカン・フンはどんな役でも自分の物にしてしまう素晴らしい俳優だと思います。次はもっとガツンと重く深刻な役で見てみたいです。

画像:namu.wiki

そしてこの二人=ユクホとナジュ姉には和ませてもらいました。脇役という立場ですが、この演技派のお二人がいい味を出してくれて作品に温かさが加わっていました。

ユクホは何年も科挙に挑戦し続けているものの合格できずダメ男風ではありますが、結構男らしい一面も持ち合わせていて、不思議と頼りになる人でした。

 

暴君との決着がついた後の展開が思った以上に長かったですが、その他の重要案件をしっかりと解決してくれて納得の結末でした。

それぞれのプロポーズの言葉も良かったしハッピーエンドでうれしかったです。

画像:namu.wiki

ユハは上品な感じがとても良かったです。途中横道にそれちゃうのかと心配しましたが、最後は彼の志が花開くことになってこれもハッピーエンドと言えると思います。その立場を譲ったカン・サンも素晴らしい決断でした。

 

若手中心であまり期待はしていなかったのですが、ストーリーも面白くスピーディな展開で楽しめました。話数も短くサクッと見られるのでお薦めです。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。