「黒豊と白夕～天下を守る恋人たち～」 且試天下 2022年 腾讯视频
★★★★☆
出だしからわかりやすい展開で集中できましたし、テンポも良く面白く見ました。登場人物も多いのですが、一度に登場するわけではないので整理しやすかったです。
気を抜けるやり取りやシーンもあって、ストレスの少ない見やすいドラマでした。
始めは単純は武侠物なんだろうと見ていましたが、実は天下取りの攻防もあるスケールの大きな物語でした。
そのため主人公二人のロマンスも紆余曲折ですが、最後までブレない二人の気持ちが清々しかったし、二人の関係も割とドライに描かれていて面倒くさい感じのない所も良かったです。
でも、物語を振り返るとそれほど深い内容とも思えませんでした。
原題に天下と入っているので単なる江湖の話で終わるわけないとは思っていましたが、「天下」に関わる最後の展開が取ってつけたような感じ。
もう武侠物一色で押しても良かったのにと思ったり、逆に8割程度の所でまとめて終わればスッキリだったなと思いました。
キャストは本当に魅力的でした。主人公の楊洋（ヤン・ヤン）と趙露思（チャオ・ルースー）の二人はお似合いだったし、序盤、中盤、クライマックス、その時々で違う印象の二人が見られてなんだか得した気分でした。
チャオ・ルースーはどんな役でも自分の物にしていて凄いなぁと感心しました。ヤン・ヤンのイケメンぶりは流石で役にもドンピシャでした。二人ともワイヤーアクションもピタッと決まって美しかったです。
その他にも美しく凛々しい男子がたくさん登場していて眼福、このドラマの大きな魅力です。演技力も確かな面々で安心して見ていられました。
ロマンス色多めですが、アクションシーンもたくさん出てきますし笑いあり、涙もありの壮大なストーリー。
深く考えさせられるとか余韻が残るような内容ではありませんでしたが、娯楽作品として飽きずに楽しめました。
黒豊息（こく・ほうしょく）／豊蘭息（ほう・らんしょく）＝楊洋（ヤン・ヤン）
白風夕（はく・ほうせき）／風惜雲（ふう・せきうん）＝趙露思（チャオ・ルースー）
皇朝（こうちょう）＝頼芸（ライ・イー）
玉無緣（ぎょく・むえん）＝張昊唯（チャン・ハオウェイ）
鐘離（しょうり）＝黄毅（ホアン・イー）
七分された天下の頂点に立つのは大東国、「玄極令」を用いて他の六州を束ねていた。
その頃、江湖には黒豊息（こく・ほうしょく）と白風夕（はく・ほうせき）という侠客が武術の腕前を競い合っており、黒豊、白夕と呼ばれ名を馳せていた。
ある日、大東国から「玄極令」が消えてしまい、帝は六州に捜査の命を下す。「玄極令」は皇権の象徴であり、これを得れば天下が手に入ると六州は一気に色めきだった。
ついに冀州（きしゅう）の燕将軍が「玄極令」を手に入れたが、他州から追手が迫り絶体絶命。
この時危機を救ったのは白風夕。しかし彼女は「玄極令」に塗られていた毒に侵され、さらに敵に包囲され崖から転落してしまう。
その白風夕を助けた黒豊息は彼女が持っている「玄極令」が偽物だと見破り、各州の強者を競わせ漁夫の利を得ようとする何者かの陰謀だと気づいた。
ある事件をきっかけに行動を共にした二人はお互いに惹かれ合うようになり・・・。
以下ネタバレあります。
正直に言うとドラマとしては★3という所なのですが、キャストが良かったので★4にしました。
出だしの黒豊と白夕の侠客としての部分はとても面白く、すぐに引き込まれました。そして段々と2人の本当の姿が明らかになって、覇権争いも本格化して物語が広がりを見せます。
黒豊は実は雍州の第二王子：豊蘭息ですが、密かに江湖で情報組織を作っていて束ねています。雍州内ではお家騒動もあって我が身を守るために病弱を装っていたりもしているなかなかの苦労人です。
黒豊の時と豊蘭息の時の出で立ちの違いにもグッときます。髪型も時々で違って、演じたヤン・ヤンの魅力を余すところなく見られる感じ。髪をお団子に結っているスッキリした姿も好きでした。
このドラマでのヤン・ヤンを美しいとかカッコイイとか素敵とか、そんな言葉でしか言い表せない語彙力不足の自分が歯がゆいです。
一方の白夕も実は青州の王女。ちょっとこれにはな～んだそうなの？と思いつつも、だたの侠客では二人が釣り合わないことになるし仕方ないかという感じ。
演じたチャオ・ルースーがとても良かった。勝気で上から目線の侠客の姿も乙女心満載の可愛らしい姿も甲冑に身を包む凛々しい姿も、どの姿も魅力的でした。運動神経も抜群なのかアクションもすごく決まっていて流石です。
この二人は気持ちがはっきりと見えて揺らがないのでその点では安心でしたが、それでも色々な事が起こるからハラハラもしました。最後は結婚して「めでたし」で終わりになるのかと思っていたら、その後天下取りの争いが大きく展開して、この二人にももうひと捻りがあるんですね。
私はこのひと捻りが余計だったかなと思ってます。寿命が縮まったからと言って白髪になるのも・・。
そして最後のラスボスとの決戦は思っていたよりあっけなく終わって少し拍子抜け。玉無緣にとっては復讐でもあったわけで、彼の人物像がもっとドロドロに丁寧に描かれていれば感情移入も出来たかも。
玉無緣は相当重い物を抱えていたと察するのですが、あまりそうは見えませんでした。感情を表に出さない慎重さや冷徹さを描いていたのかもしれないけれど、なんとなくそれも物語の物足りなさに繋がっていたように感じます。
結局皇朝が天下を統一して治めていくという事ですね？皇朝も途中は悪役かと思っていたけれど、最後は良い人になっていて・・。
豊蘭息（黒豊）と風惜雲（白夕）は皇朝にすべてをゆだねて二人で10年間を幸せに過ごすという・・スッキリしたようなしないような・・二人は幸せそうだったから「めでたし」なんでしょうね。本来はもっと切なく感じるべきところなんでしょうが・・。
物語はイマイチだったけれど、キャストがキラキラ光ったドラマでした。
主人公二人の他にも魅力的な男優が揃っています。
特に私は鐘離（しょうり）役で黄毅（ホアン・イー）が出ていたのが嬉しかった。最近も様々なドラマでお見受けしますが、彼が少年から順調に魅力的な若者になって大人になって・・・そんな成長過程をドラマで見られるのもありがたいことです。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
