「おとなの始末　落合恵子」他：2023年7月のオーディブル

39．オケ老人　荒木源　ナレーター：長田任

始まりは思わず笑ってしまうような展開で楽しかったです。オーケストラの話ではありますが、なぜかロシアのスパイが登場して荒唐無稽な物語と思っていましたが、なぜか最後に溶け合う不思議。

オーケストラ経験者やクラシック音楽に詳しい方ならもっと違う角度からも楽しめるんだろうなと思いながら聞きました。

個性豊かなおじいちゃん、おばあちゃんに揉まれながら主人公が成長していく姿は頼もしく、最後はさわやかな気分でした。

映画にもなっているそうですが、映画は見ておりません。

40．おまけのこ　畠中恵　ナレーター：市川笑野

ちょっといつもの雰囲気と違う感じもして戸惑いましたが完走。

41．うそうそ　畠中恵　ナレーター：中村かなめ

長編です。若旦那の初めての旅行先で起こる大事件、箱根に湯治に来たはずがとんでもなく災難続き。なのに登場人物がとぼけていて緊張感はそれほどなく面白い。

人間と妖怪の織り成すあり得ない事件ですが、違和感を感じさせないところがスゴイです。この手の妖怪は日本人の心に自然と刷り込まれていて、だからこそ愉快にそして親しみを持って楽しめるのだろうと思いました。

ドラキュラとはやっぱり違うんですよね。

42．バナナケーキの幸福　アカナナ洋菓子店のほろ苦レシピ　山口恵以子　ナレーター：河井春香

不倫していた夫から突然離婚を言い渡され一旦は途方に暮れるが、趣味のケーキ作りで自分を取り戻していく茜。娘の七はそんな母にケーキ屋の話を持ちかけます。

母と娘の距離も良く、お互いに助け合い、共に懸命に生きる姿に勇気をもらいました。最後まで二人を応援しながら聞きました。

物語は山あり谷ありでメリハリもあり最後まで飽きません。誠実に生きていれば周りの良い縁も得られ、おのずと良い方向へ進むんだなと思わせてくれます。

でもちょっと上手く行きすぎかな？こんなに順調に事が進むわけないよなぁと思ったのも事実です。なので物語の深さのようなものは今一つでした。

それでも展開は面白く、甘いケーキの香りも漂うようでした。サラリと聞けて良かったです。

43．まるまるの毬　西條奈加　ナレーター：西條奈加　他

主の治兵衛、出戻りの娘・お永、そしてお永の娘のお君。3人で切り盛りする人気の菓子店「南星屋」を描く時代小説。シリーズの一作目です。

繁盛店「南星屋」の日々の営みの中で、それぞれが抱える秘密や憂い、愛などをが描かれます。お互いを大切に思い、支え合う家族の物語です。

短編が続く中で一人一人の秘密やこれまでが語られ、繊細な描写で情景も浮かび、楽しく一気に聞けました。登場人物のそれぞれの思いもしっかりと伝わり感情移入もできます。治兵衛の覚悟がスゴイなと思いました。

続きも気になります。

44．おとなの始末　落合恵子　ナレーター：大森ゆき

年齢を重ねるにつれて「この問題をどうするべきか」という課題は自然に湧き上がって来ます。いくつもある課題を意を決して一つずつ整理していくしかないのです。

何から何まで共感できる内容でした。特に介護のくだりでは、あぁ自分だけではなかったんだと安堵し、また当時を思い出して涙が出たり・・。

でもやっぱり一番脱帽したのは、自分の思いの隅々まできちんと言葉、文章に出来る、それもわかりやすく的確に伝えられるという才能の素晴らしさ。

プロだからと言えばそれまでだけど、それだけじゃないですよね。

最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。

ふくみみdiary