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中国ドラマ「楚喬伝(そきょうでん)~いばらに咲く花~」感想〜乱世に生きる天性の女戦士

「楚喬伝~いばらに咲く花~」 原題:楚乔传 2017年 爱奇艺、腾讯视频、搜狐视频、乐视视频、央视频

★★★☆☆

「明蘭」を好演したチャオ・リーインのアクションドラマということで楽しみにしていました。

まずは明蘭と今回のヒロイン楚喬の真逆のイメージに驚きました。今回の楚喬にも可愛いらしさを感じましたが、人を寄せ付けないような強さや頑なさが全身から溢れていて演技とはいえ凄いなと思いました。女優さんって怖いです。

出だしからしばらくは本当に面白くて夢中になりましたが、中盤辺りから減速。見ていて何がストーリーの焦点なのかわからなくなってしまいました。最初の痛快な面白さはどこへ・・残念ながら何もかも中途半端で終わったような気がします。

ただ、キャストは今では有名な若手俳優が多く出演していて、顔ぶれが凄いです。その点では見ごたえがありました。


画像:k.sina.com.cn

楚喬(そきょう):星児(せいじ)=趙麗穎(チャオ・リーイン)
宇文玥(うぶん・げつ)=林更新(ケニー・リン)
燕洵(えん・じゅん)=竇驍(ショーン・ドウ)
元淳(げん・じゅん)=李沁(リー・チン)
蕭策(しょう・さく)=鄧倫(ダン・ルン)

南北朝時代西魏。奴婢の楚喬は残酷な人間狩りゲームの獲物にされるがただ一人生き残り死を免れる。彼女の中に戦士の才能を見た宇文玥は自分の屋敷で働かせることにした。

宇文玥は「諜紙天眼」という諜報組織の復活を担っていた。彼は楚喬に星児という名を与え、諜報員になるべく鍛え上げる。

人並み優れた天賦の才能で楚喬はまたたく間に腕を上げる。同時に宇文玥の友人である燕北の世子である燕洵や魏の十三皇子の元嵩たちとも親しくなっていく。

中国ドラマ「楚喬伝(そきょうでん)」公式サイト|ポニーキャニオン

以下ネタバレあります。

アクションシーンは迫力もあって良かったのですが、ロマンスという部分では不満が残りました。

楚喬はたくさんの男性に愛されます。宇文玥、燕洵、元嵩、蕭策・・。

中でも宇文玥の愛はわかりにくかった。彼にはしがらみがあったにせよ、このアプローチでは相手に伝わらず、一歩も前に進めないのではないかと気の毒になるほどでした。恋愛経験ゼロだったんでしょうか?(笑)それでも楚喬には伝わっていたみたいですけど。

ロマンス面も多いストーリーなのでラブシーンもありますが、なんだかいつも唐突。私は恋愛は匂わすくらいで良かったのにと思いました。勝手に楚喬にジャンヌ・ダルクのようなイメージを持っていたので、彼女には恋や愛は放っておいてただ国と民のために戦う戦士でいて欲しかった。

でも、私は元嵩の告白シーンは好きでした。もちろん振られちゃったけど。

燕洵は始めは明るい気の良い青年だったし、しっかりした意志を持った人だと思っていましたが、悪い方へ暴走する姿はがっかりでした。それでも人質という屈辱や家族の悲劇を思えばその心中もわからないでもない。だからといって楚喬一人のためにそれまでを反故にするような事をしていては周りも付いてこないです。なにしろ皆命をかけているのだから。

また、燕洵に執着してすっかり変わってしまったお姫様の淳に至ってはもう愚か過ぎて全く訳わかりません。

こんな風に人物の設定が腑に落ちないので、感情移入も出来ず楽しめませんでした。

 

最後の死闘のシーンは迫力もあって見応えありました。でも手に汗握るほど盛り上がって、あそこでまさかの「完」とは。いよいよというところだったので、気が抜けました。

最後の最後で楚喬の隠れていた能力が目覚めたようでした。これは宇文玥の絶対絶命のピンチがそうさせたのでしょうか?それなら本当に深く彼のことを思っていたということですね。

シーズン2を見据えてのこの最後かなとも思いましたが、モヤモヤだけが残ってしまいました。楚喬の真の能力がどれくらい凄いものなのか知りたいところです。

 

最初は良かったのに、終わりに向かってどんどん尻すぼみ状態でその印象が残ってしまい、あまり良い評価にはなりませんでした。
キャストが素晴らしかっただけに本当に残念です。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます

では、また。