「ザ・ゲーム~午前0時:愛の鎮魂歌 (レクイエム)~」 더 게임: 0시를 향하여
2020年 MBC
★★★☆☆
テギョン除隊後の復帰作です。死が見えるという設定も珍しかったし、物語の展開にスピード感もあって最後まで面白く見ました。
サスペンスではありますが、最後は人間ドラマのように感じました。
ただ真相がわかってからは少し長すぎたかなと思いますし、やはり現実味に欠ける設定で、そのあたりで好き嫌いが分かれるような気がしました。
報道の暴力や報道記者のモラルなど現代が抱える問題も含んでいて考えさせられました。
画像:MBC
キム・テピョン(テギョン)=人の死の瞬間が見える能力を持つ
ソ・ジュニョン(イ・ヨニ)=ソウル中央署刑事
ク・ドギョン(イム・ジュファン)=解剖医
ペク先生(チョン・ドンファン)=過去にテピョンと同じ能力を持っていた
人の目を見るとその人の最後の瞬間が見えるという不思議な能力を持つテピョン。カフェで女子高校生のミジンの目を見て彼女の死の瞬間を見てしまう。
ミジンの拉致事件を担当するジュニョンは当初は疑っていたテピョンの能力を信じて少女の行方を追うことに。そして、その拉致事件の手口が20年前の連続殺人事件と似ていると気づく。
「ザ・ゲーム~午前0時:愛の鎮魂歌(レクイエム)~」 ドラマ公式サイト
以下ネタバレあります。
序盤はスピード感もあり事件を解決に導く展開も面白かったし、集中して見ていました。でも中盤辺りから盛り上がりに欠けて展開もゆっくりになり長く感じました。
主人公二人の印象が薄くてどちらかと言うとヒョヌの物語のように思います。むしろヒョヌに焦点を当てた物語だったらもっと深みも出て面白かったのではと思います。
なぜヒョヌがあそこまで歪んでしまったのか、もう少し描きこんでて欲しかった。確かに子供の頃から残酷な現実を生きてきたと思いますが、ドラマでは断片的に描かれているせいかわかりにくい気がしました。そのせいかあまり感情移入は出来ませんでした。
復讐に人生を費やしてしまったけれど、父の冤罪を晴らそうという方向へ進んでいれば違う生き方が出来たのではないでしょうか。それを思うと切なくなります。やはり近くに彼を支えてくれる人、心を通わせる人がいなかったからですね。いつの間にか心に狂気が生まれてしまったのでしょう。ヒョヌの人生を思うとかなり悲惨な物語です。
一方テピョンも鏡を見るたびに自分の死を見てしまうというのも残酷なことだと思いました。ただ彼の傍には見守ってくれる人がいましたから、幸運でした。
テピョンとジュニョンのラブストーリーはほのぼのとして良かった。でも濃くもないし、最低限でもなくちょっと中途半端な感じ。ヒョヌのジュニョンに対する思いもぼやんとしていて私にはわかりにくかった。
全体的にはラブストーリーではなく刑事ドラマです。テピョンの予言にも似た能力を使って事件を未然に防ごうと力を尽くす刑事たちの緊迫した展開が続き、見応えもあったドラマでした。最後はハラハラさせられましたし、ジュニョンの仲間たちの勇敢な姿に胸が熱くなりました。
そして残酷な結末を予想していましたが、そこそこ皆丸く治まったし後味は悪くなかったです。
報道のあり方には改めて考えさせられました。暴力的で気持ちを煽るような記事を読んでそうだそうだと信じて拡散などすれば、知らないうちに自分も加害者になってしまうかもしれない。とても恐ろしいことです。
報道する立場の人もそうですが、受け取る私達も冷静な判断力が必要だと思いました。
画像:fannstar.tf.co.kr
イム・ジュファン(임주환) 1982年5月18日 ソウル 186cm
若い頃から印象が変わらない錆びない俳優さんというイメージ。
ジュファンssiを見るなら「タムナ(2009年)」かなと思うのですが、やはり「雪の女王(2006年)」のゴヌ先生を思い出します。私はゴヌ先生でかなり嵌りました。両班姿も似合うので時代劇も期待したいです。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。