「天気がよければ会いにゆきます」 原題: 날씨가 좋으면 찾아가겠어요
2020年 JTBC
★★★★★
なんとも心地よいドラマでした。
展開がゆっくりで退屈に感じる方もいるかも知れませんが、私にはそのゆっくり加減で温かさがじわじわと染み込む感じでよかったです。冬から春にかけてのストーリーですので、同じ時期に見ればもっとじわっと心に迫るものがあるのかも知れません。
主人公たちは複雑な事情を持ちながらも、その重さはあまり感じることなく爽やかで幸せな気分になる作品でした。
心に残る一つ一つの台詞、音楽、美しい風景も素晴らしく、悲しいわけではないのに涙があふれて心が洗われるような素敵なドラマでした。
穏やかなラブストーリーを通して余韻の残る作品です。心が疲れている時、涙活をしたい時におすすめです。
画像:JTBC
モク・ヘウォン(パク・ミニョン)=チェロ講師
イム・ウンソプ(ソ・ガンジュン)=グッドナイト書店経営、ヘウォンの同級生
シム・ミョンヨ(ムン・ジョンヒ)=ヘウォンの叔母、作家
イム・フィ(キム・ファニ)=ウンソプの妹
イ・ジャンウ(イ・ジェウク)=ウンソプの友人、公務員
ソウルの生活に疲れ、仕事を辞めて高校時代を過ごした農村に降り立ったチェロ奏者のヘウォン。実家のペンションに向かうもここで一人暮らしをしている叔母には歓迎されない。
一方、近くの古民家で小さな書店「グッドナイト書房」を運営しているウンソプは彼女の高校時代の同級生。ウンソプは初恋の相手ヘウォンが春までいると知って、心が騒ぐ。
ウンソプの書店でアルバイトをすることになったヘウォンは彼の温かさに触れて凍っていた心がだんだんと溶けて行く。
韓国ドラマ「天気がよければ会いにゆきます」公式サイト|ポニーキャニオン-We Love K
以下ネタバレあります。
ただのラブストーリーと思っていましたが、それだけではなく盛りだくさんの物語です。主人公の2人はそれぞれ心に暗く重いものを抱えています。2人のこれまでの人生をこんなに悲惨な設定にしなくてもいいのになぁと思いました。
ただ、小さい時からいつも明るく幸せに暮らしていた2人の物語なら、このドラマで感じるような温かさは伝わらないのかなぁ?とも思いました。
孤独感と戦ってきた2人だからの世界観、冬から春への時間があったからこそ心に染みるものがあったのだろうと思います。
中心は2人のラブストーリーですが、それだけではなく家族、友人、隣人の愛あふれる物語です。田舎ならではの煩わしさもありつつ、それが温かいと感じられました。
一緒にいて落ち着く人、心が楽になる人、自分が自然体でいられる人。お互いそういう人が見つかって良かった。
それぞれの登場人物にしっかりと感情移入出来るところもこのドラマの魅力です。
ソ・ガンジュンが良かったぁ。複雑な生い立ちのウンソプをよく理解し、上手に表現していたと思います。ウンソプはすごくいい人だけど、そうならざるを得なかったようなところもあって、そして目立たず生きてきた。そういうことを考えるとまたグッと胸に迫るものがあります。
ウンソプが書店の店主というのも素敵な設定でした。たくさんの本が出てきて、興味の湧くものもありました。この先も私が読めるものでもないと思いますが、題名を聞いただけでも手に取りたくなるような本でした。
パク・ミニョンはやっぱり可愛い。ヘウォンの冬の衣装がどれもたまらなく可愛かったです。この人だからこそ、暗い設定の中でもそれほどストーリーに重さを感じなかったのかも。チェロ奏者というのは何か意味があったのかしら?
最後に彼女は自分の知らない秘密を知りますが相当ショックだったでしょうし、気の毒でした。これまでの自分は何だったんだろうと思いますよね。
良かれと思って考え抜いた結果だったとは思うけど、母親の選択が違うものだったら・・と考えてしまいました。でも何年も行動を起こさなかった叔母もどうかなぁと思ってしまいました。
イ・ジェウク演じるジャンウ。ソウル大学を卒業しながら田舎の公務員で皆からも大企業も夢ではなかったのにと不思議に思われている。でも、彼の考えは「毎日コツコツと地道に生きていくことに幸せを感じる」というもの。
現代の若者への提言、エールのように感じました。本当の賢さを持っている人です。必要以上を求めず、程々で良いと考えて生きる事ができれば、楽ですね。
このドラマでは毎回最後にウンソプの「グッドナイト書房ブログ 非公開の記事」が公開されます。秘密の日記のようなもの。これがものすごく素敵な文章で、プロの書く文章はやはり違うと軽い衝撃を受けました。毎回自分に文才のないことを確認させられました。(^_^;)
冬が来て嬉しい理由、それは・・
木の葉が落ち彼女の家の窓がみえること
韓国の人ってなんてロマンチックなんでしょう。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。