「私がいちばん綺麗だった時」 原題:내가 가장 예뻤을 때 2020年 MBC
★★★☆☆
全体的にゆっくりと進むドラマです。もう少しスピード感があっても良かったのではと感じました。そのゆっくりな展開と連続する重苦しいストーリーで見ている私も心が折れそうでしたが、なんとか最後まて完走。
家族のわだかまりや企業同士の争い、憎しみ、恨み、嫉妬など一見愛憎劇でもあるのですがドロドロ感はなくスッキリと美しくまとめられていました。
三角関係を描くラブストーリーとしてみれば、3人それぞれの気持ちを思うと辛かったです。
あまりに極端ではないかと思う人物設定に理解できない部分もありましたし、面白かったとは言い難いドラマでした。
ちょっと辛すぎるストーリーで、一昔前の韓ドラを感じました。
画像:genie.co.kr
オ・イェジ(イム・スヒャン)=美大生、教育実習生
ソ・ファン(ジス)=高校生、クラスにイェジが実習生としてくる
ソ・ジン(ハ・ソクジン)=ファンの兄、カーレーサー
アンバー(ステファニー・リー)=ファンの留学先大学の同級生
オ・イェジは教育実習生としてソウルから地方の高校にやって来た。高校生のソ・ファンは一目で彼女に恋心を抱く。
ファンの父が有名な陶芸家だと知り、イェジは工房を見せてもらうことに。そこで久しぶりに家に帰ってきたカーレーサーでファンの兄ソ・ジンと出会う。
ずっと母親代わりの叔母に虐げられて生きてきたイェジはファン、ジン、陶芸家である2人の父親と接するうちに暖かさを知るようになる。
そしてジンの家族になろうという気持ちを受け入れて結婚。しかし幸せだったのは束の間、カーレーサーに復帰したジンは行方不明になり生死もわからず・・・。
以下ネタバレあります。
一人の女性を愛する兄弟の話と聞いただけで、もう切ないドラマでハッピーエンドはないんだろうと想像しました。
とにかく幸せな人は一人もいないドラマ。皆自分勝手な人ばかり。楽しく見ることは出来ませんでした。ファンとジンの母親も自分のことしか頭にないのか?と思いましたし、ある意味父親も自分勝手です。イェジの母親も叔母も・・。
ラブストーリー面でも切なく悲しいというよりは、正直に言うと腹の立つことが多かったドラマでした。ゆっくりとした展開だけに、もういつまでこんな同じことしてるのかとイライラしました。見ていて精神的にキツかったです。
実はヒロインのイェジを演じたイム・スヒャンは私はちょっと苦手。その苦手意識も手伝ってイェジには全く共感できませんでした。
イェジの苦境を思えば同情もしますが、好きにはなれませんでした。
現状を抜け出したくて愛のない結婚をして、それでも心にはファンがいて、でも気づかぬふり。最後の最後までファンとの向き合い方が気に入らなかった。
「失いたくない」とか、「感じ続ける」とか言わないで欲しい・・ファンの気持を思うと許せなかった。ファンとの思い出が生きる力になるようでしたが、それもなんだか許せない言い分。
ジンにも腹が立った。7年も行方知れずというのも許しがたいですが、戻ればひねくれてて。彼も誰かにすがりたくてイェジと結婚し、ずっとイェジに甘えていたんですよね。
そしてどこかすごく残酷な人。自分のことしか考えない人。自分のことを棚に上げて人のことを疑うなんて。7年と言えば、とっくにイェジが家を離れてしまっても不思議ではないでしょう?最後に別れて号泣していたけれど、今更?って思いました。
私はファンを演じたジス押しなので、ひたすらファンが不憫だった。もう早くイェジへの思いを断ち切って違う道を選んでほしいと切実に思いました。
それでもファンだからそうはできなかったんですよね。純粋で誠実で思いが深い。私としては最後にイェジに誘われた時、応じずに帰って欲しかった。もうすっかり忘れましたという態度でいて欲しかった。ただ、人間の気持ちというのは御しがたいもの、運命といえばそれまでですが・・。
良かったことと言えば、ジンが自分の足でなんとか歩けるようになったこと、ファンが父親の補佐をしながら元気でいること、イェジが母親と一緒に穏やかに暮らしていること。
最後にほんのちょっとの希望も見えるので、後味はそれほど悪くなかったです。
私はあまり好きにはなれなかったドラマですが、ああだこうだと終わってからも議論出来るドラマですから心に何かを残すという意味で素晴らしいドラマと言えるかも知れません。
そして、ハ・ソクジンさんのファンであれば私とは違う見方になるのかも知れません。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。