「ミリオネア邸宅殺人事件」 原題:十匙一飯(십시일반)」 2020年 MBC
★★★☆☆
「十匙一飯」とは10人が一匙ずつ出し合えば、一人分のご飯になる、皆で力を合わせれば一人くらいは助けられるという意味だそうです。原題のイメージから、もしかしたら心温まるドラマかと思っていましたが、邦題通りの殺人ミステリーでした。推理小説を読んでいるような感じで進みます。少しコメディタッチでもありますがコメディ色は強くなく、また愛憎色も弱いかなり軽いドラマでした。そして韓国ドラマとしては短いドラマですし、強烈な表現はないので韓国ミステリー初心者にはいいかも。
画像:vocustaiwan.fandom.com
ユ・ビンナ(キム・ヘジュン)=ユ・イノ画伯の婚外子
キム・ジヘ(オ・ナラ)=イノの元愛人、ビンナの生母
ユ・イノ(ナム・ムンチョル)=有名画家、ビンナの父親
チ・ソリョン(キム・ジョンヨン)=イノの元妻、演出家
莫大な財産を持つユ・イノ画伯の誕生日に8人の男女が集まる。余命幾ばくもないイノの遺産が目当ての親族たちだ。しかし翌朝イノは寝室で死体となって発見され、屋敷内にいた8人が容疑者となる。憎しみや欲からそれぞれが画伯に密かに飲ませた1粒の睡眠薬、全部で5粒の睡眠薬が画伯の命を奪った。欲にまみれた容疑者達の中でビンナは真実を突き止めよう動き出す。
以下ネタバレあります。
韓国では同時間帯視聴率トップの作品だったそうです。
ミステリーで犯人探しの面白さはあるものの、遺産相続を巡る殺人事件で新鮮さはありませんでした。
また、多少のコメディ要素もありますが笑えるほどでは無く、また登場人物の関係性を見ると愛憎劇になってもおかしくないのですがその要素も低いです。
全体的にメリハリがなく、せっかくの映像、ドラマにした意味を感じませんでした。ただ、推理小説を読んで筋を追っているような感覚で見ていました。
俳優陣を見るとベテラン俳優さんも多く、また新進気鋭の女優さんも出演しているので、少しもったいない気もします。
若い3人はそれぞれ抱えているものがありどうにかしたいと思っているようですが、この感情もあっさり系で切実さは伝わってこなかったです。
でも、おそらく現実的な表現ではあったでしょう。父親を殺された恨みといってもできることはそれ程ないのが本当のところだと思いますし。
私としてはイノのマネージャーとチ・ソリョンの関係も今ひとつ薄く、わかりづらい気がしました。二人ともイノに人生を壊されてしまった恨みがあってということだと思いますがどうして手を組むことにしたのか・・。
結局は演出家だけあってソリョンが全てを操っていたということだと思いますが、もう少し迫力や異様さも欲しかった。
強烈な感情表現の韓国ドラマを見すぎたせいで、私のどこかがマヒしてしまったのかしら?
最後まで見終えましたが、私にはかなり期待ハズレのドラマでした。
でも、韓国ミステリーが初めてという方には恐ろしい殺戮シーンも無く、強烈にいがみ合い罵り合う場面も無く、また話数も短いので見やすく楽しめるドラマかもしれません。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
今日も良い一日でありますように。
では、また。