中国ドラマ「明蘭」を何回か見て、ずっと心に引っかかっていたのが72話に出てくる魏行首です。
72話に男性と共に都から逃げる場面が出てきますが、なぜこの人がここで登場するのかと疑問でした。結局ここで登場する理由はよくわからなかったのですが・・。
画像:網易
魏行首は顧廷燁に贔屓にされている妓女ですが、顧廷燁は馬球にも同伴していたし、とても信頼している様子で、ただの妓女ではないように感じていました。魏行首の意見を信じて、最初は嫁を決めたりしていましたし。
72話のこの場面は中国でも話題になっていて「明蘭」ファンが独自の考えをSNSなどにアップしています。そのなかで魏行首に対する素晴らしい考察があり、私もスッキリと納得出来たのでご紹介します。脱帽です。
别样春秋さんの解釈 (中国のサイトです)
电视剧《知否》大结局中,出现魏行守去赎身的那个镜头有什么作用? - 知乎
僭越ながらまとめてみました。(中国語に堪能なわけではありませんのであしからず)
魏行首は反政府側のスパイだったのでない。
魏行首は元はある程度の身分の高い人、国の仕事をしていた家の出で、反逆か政治闘争かわからないが敗北し、その家族として罪人になり妓女になった。
そのため自由の身になる為には高額の見受け金が必要なだけでなく、罪人のレッテルがあるため容易なことではない。しかしクーデターが起こり都が大混乱している今こそ、彼女が逃げる絶好のチャンスだった。
なぜ顧廷燁自身が彼女を見受けをしなかったかと言うと、答えは簡単。やはり魏行首が罪人であるため見受けすることとなれば、家名に傷をつけることになり、また自分の名も汚す事となるので出来ない。
見受け金については顧廷燁が出したのではと推測する。そして都が混乱することもこっそりと伝えていたのだろう。
魏行首と顧廷燁の間に男女の関係は絶対になく、お互いをよく理解し合った友、知己だった。
他の方の解釈では魏行首が太后側のスパイをしていて、あの大金は太后からの報酬ではないかというものでした。でも魏行首はスパイではないことがはっきりしているようです。
また、一緒に逃げた男性は杜秀才という魏行首の恋人なのだそうです。初めから身分が低く妓女になったのなら、美人で人気もあっただろうし、このまま妓女でいるという選択肢もありなのではと思います。でも妓楼を出て逃げたのはやはり不幸にも妓女にさせられてしまったという事だったからではないか?
どこかで魏行首の出自についてわかるような場面があったのか・・私が見逃しているだけなのかしら?
私もやはりお金は顧廷燁が出したのだろうと推測します。魏行首のために大金を出したのは、彼女が自由に暮らせるようにという顧廷燁の計らい。情の深い顧廷燁らしい話ではないでしょうか。
魏行首が妓女になった経緯が本当に上記のようなら、良家の娘としての素養(文学や音楽等)があったでしょうし、知性もあったからこそ行首と呼ばれていたのでしょう。だからこそ顧廷燁とも話が通じただろうし、顧廷燁は彼女から情報を得ていたようですし、また彼女の不幸を哀れに思って贔屓にしていたのかもしれません。
私ももちろん顧廷燁と魏行首の間にあるのは性別を超えた友情、信頼だと思います。顧廷燁は明蘭に一途です。
現地中国の人が見るものと違い、私達が見るものはおそらくカットされている部分があるのだと思います。もしかしたらノーカット版を見れば様々な疑問も解消するのかなと思いますが、如何ともし難い・・ちょっと悔しいですが、仕方がないです。
カットされてしまった部分に魏行首もいて、この72話の場面に繋がっているのかなと思います。