「三国志〜司馬懿 軍師連盟〜」 原題:大军师司马懿之军师联盟/虎啸龙吟 2017年
江蘇衛視、安徽衛視
★★★★★+
三国志という題名ですが魏を中心に司馬懿の生涯を描いたドラマです。登場人物は多いのですがストーリーがゆっくりと進むおかげで混乱なく見ることができました。私は三国志には詳しくないのですが、それでも興味深く面白く見ました。司馬家の物語でもあり、家族ドラマとして自然と物語に入り込めました。キャストが素晴らしいです。長いドラマですから最初のことは少し忘れているにも関わらず、人物一人一人は強烈に印象に残っています。俳優陣の演技力に脱帽です。中だるみもなく緩急もあって長丁場でも飽きずに見られました。
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司馬懿(しば・い)/仲達:呉秀波(ウー・ショウポー)
張春華(ちょう・しゅんか):劉濤(リウ・タオ)
司馬師(しば・し):肖順堯(シャオ・シュンヤオ)
司馬昭(しば・しょう):檀健次(タン・ジェンツー)
曹丕(そう・ひ)/子桓:李晨(リー・チェン)
曹操 、曹丕 、曹叡 、曹芳の4代の主君に仕えた武将であり政治家の司馬懿の生涯を描いた物語。
司馬家の絶体絶命のピンチを救った司馬懿。彼の知略に感心した曹丕は父曹操を説得し司馬懿に仕官を迫る。出仕をしたくない司馬懿は自ら足を折ってそれを理由に断るが曹丕は諦めなかった。命の危険を感じ出仕に応じたものの与えられた仕事は馬の世話だった。
以下ネタバレあります。
長編で内容もギュッと濃いのですが、主君が変わるたび区切りがつくので混乱なく見ることが出来ました。
司馬懿は179年に生まれ251年に73歳で亡くなりました。当時としては長生きだったでしょう。あれだけ体も頭も酷使したにしては丈夫な人です。健康体操のおかげ?
ちなみに邪馬台国の卑弥呼が魏に使いを送ったのが239年の事。
物語の中で司馬懿にはたくさんのライバルが出現しますが魏でのライバルが主です。重用され順風満帆のように見えて薄氷を踏むように慎重に生きてきた様子が伝わりずっと緊張感がありました。
司馬懿・・一筋縄ではいかない策士でこすっからい人物、こういう人間を相手にするのは本当にイライラして神経がすり減るだろうと思います。見方によっては嫌な奴なんですが、このドラマではそんな司馬懿がとてもチャーミングに描かれています。特に前半の司馬懿は可愛い。
三国志には詳しくないですが、司馬懿というと諸葛孔明のライバルでどちらかと言うと悪役のように感じていましたが、このドラマでそのイメージが変わりました。逆から見るとこうなるのですね。
どの俳優さんも素晴らしいのですが、人間味あふれる司馬懿を演じた呉秀波(ウー・ショウポー)さんの演技が圧巻です。魂のこもった演技でした。こういう俳優さんを見ると中国って底しれないなぁと感じます。
特に晩年の司馬懿・・人が変わってしまったようにだんだんと残忍さが出てくるあたり、何かスイッチが入ったようで目つきが変わって・・迫力のある演技で見応えがありました。
司馬懿も最初の頃はただのんびりと暮らしたいと思っていた穏やかな人だったのに、きっと心の奥底には野望もあったのでしょうね。
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登場人物、皆とても魅力的でした。印象に残ったキャラは・・
- 侯吉(こうきつ):来喜(ライ・シー)
司馬家の料理人、執事。和みます。 - 曹叡(そう・えい):劉歡(リゥ・ファン)
曹丕の息子?抜きん出たイケメンだったということです。このドラマでは単なる駄々っ子のようでイライラしました。 - 辟邪(へきじゃ):張天陽(チャン・ティエンヤン)
曹叡付きの宦官。嫌ったらしさ全開でインパクトあり過ぎ、張天陽さんがこの役にドンピシャ。曹叡のためだけに生きた人でした。 - 司馬倫(しば・りん):劉家禕(リゥ・ジャーイー)
司馬懿と柏霊筠との間の息子。子供ながらになにやら恐ろしかった。
他にも曹爽、何晏、劉禅・・もう突っ込みたい人物ばかり。脳裏に焼きつく演技のおかげで登場人物の名前を覚えちゃったし、今後三国志テーマのドラマを見るときにも役立つはず。しかし、愚息が多かった。
私の推しは「司馬昭」です。健次さん推しなので。
お父さんの司馬懿に似ているのはお兄ちゃんよりこの司馬昭だと思って見ていました。危なさにゾクゾクしました。でもかっこ良すぎ。(*´∀`) 師と昭は二人を足して2で割れば丁度良かったかも。
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最後の場面も良かった。司馬懿が可愛がっていた亀を川へ逃して、華陀から教わった健康体操をして過去を振り返り静かに逝く。
死んだ後は曹丕の傍で眠りたいと言っていましたね。これが「義」でしょうか。
最初から最後まで司馬懿とともに突っ走ったような気分です。
見終わってなんだか清々しい。そしてしっかりと三国志を勉強したくなりました。
もしタイムマシンがあれば、過去に戻って司馬懿に会ってみたいです。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。