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韓国ドラマ「なにもしたくない~立ち止まって、恋をして~」感想~若いエネルギーも感じたヒーリングドラマ

「なにもしたくない~立ち止まって、恋をして~」 아무것도 하고 싶지 않아 2022年Genie TV

★★★★☆

人気web漫画が原作。特に何も起こらないけれど心癒されるヒーリングドラマ・・と思っていましたが、サスペンス要素も入っていて抑揚もあり飽きずに見られました。

作品全体に流れるゆったり感も気持ちいいです。

心をすり減らし疲れ果てて都会を離れたヒロインが、だんだんと村と村人たちに馴染んでいき、固くなった心がすこしずつほぐれていく様子が自然に描かれています。

登場人物が丁寧に描かれているので人となりがわかるし、すべての事が違和感なく入ってきます。見ている私もその村に入り込むような感覚で楽しめました。

景色にも癒されますし、始めはうるさいと思っていた人も実は心優しい人だったりしてほっこりし、いつしか私の心も浄化されていくような感じでした。

キャストではやはりイム・シワンの演技力に感心しましたし、ヒロインを演じたソリョンの飾り気のないごくごく普通の感じも好印象でした。

話数も短めなので一気に見られます。驚きや感動で大きく心を揺さぶられるようなことはないですが、若いエネルギー、希望や明るい未来を感じさせる秀作でした。

最後は余韻も感じられて良かったです。

画像:namu.wiki

イ・ヨルム(ソリョン)=出版社を辞めてニート
アン・デボム(イム・シワン)=図書館のアルバイト
キム・ボム(シン・ウンス)=図書館の常連高校生
ホ・ジェフン(パン・ジェミン)=ボムの同級生
チョ・ジヨン(パク・イェヨン)=デボムの同僚

ソウルで一人暮らしをしながら小さな出版社に勤めているヨルム。入社4年目だが未だに社内では軽んじられている。6年付き合っていた恋人にも振られて、何事も思うようにいかない。

そんな時母親が突然に亡くなってしまい、打ちのめされ立ち直れないでいた。

それでも会社と家を往復する何も変わらない毎日に虚しさが募るばかり。しかしある日季節の変化にも気づかなかった自分に気づくとそのまま仕事をさぼり、そして会社を辞めた。

ヨルムはソウルを引き払いアンゴクという海辺の村に辿り着く。訪れた図書館の司書に教えてもらった不動産屋で新しい住まいを見つけた。そして何もしないで1年間思い通りに過ごそうと決めた。

早速図書館の会員証を作る。新しい土地での生活に心が躍るヨルムだったが、昼間から酒を飲み泥酔して思いもよらない場所で目覚めたり、全財産を落としてしまったりとトラブル続きで・・。

「なにもしたくない~立ち止まって、恋をして~」公式サイト

以下ネタバレあります。

簡単に言うと、ヒロインが心の傷を癒し、徐々に本来の自分を取り戻す「ひと夏の物語」です。「Summer Strike」という英タイトルは若さも感じる素敵なタイトルです。

セクハラやパワハラを受けながらも懸命にしがみついていた仕事に見切りをつけ、しばらくは「何もしたくない」と思うヒロインの気持ちが痛いほどわかったし、応援したくなりました。

海の見える村が気に入って住み始め、デボムと知り合い恋をし、周りの人と関わるうちに自信も取り戻していきます。

デボムという青年にも過去の経験によるトラウマがあり、複雑な心の持ち主。長い間閉ざされていた彼の心の変化にも注目です。

彼にとってヨルムの存在は大きいです。ヨルムが彼の過去を知らない、今のデボムを見ているというところがポイントでしょうか?

ヨルムとデボムの少しずつ近づく様子が本当に自然に描かれていて、恋って始めはこんな感じだよなぁと微笑ましかったし、二人の恋は美しく高尚なものに感じました。

こういったヒーリングドラマの背景にはストレス社会を懸命に生きる現代人の心の問題があるのでしょう。ストレスに打ち勝てる人ばかりではありません。時には逃げてもいい。

怖がらずに自分の気持ちに正直になることが、自分を取り戻す第一歩と教えてくれているようでした。

疲れた心に栄養を与えてくれる素敵な台詞もたくさん出てきます。「今が好き」「人は人、僕は僕」「大丈夫と言ってくれて大丈夫と思えた」など。

「周りに合わせて疲れた」「私を悲しませた人は、私がすごく愛した人」という言葉にも共感できたし、身につまされました。

もちろん日本にもヒーリングドラマは多いですが、韓国のそれはちょっと違う雰囲気。詩的な台詞がたくさん登場して素敵です。

そして「足るを知る」という事がテーマの一つになっていました。たとえ貧しくても今あるものに「満足する」ことで、精神的に豊かになり幸せな気持ちで生きていけるという老子の教えです。

まだ若いボムとジェフンのそれぞれの裕福に対する考え方にはハッとさせられました。

貧しい家のボムは贅沢に暮らせるジェフンこそ裕福だと思っていますが、家族の中で居場所のないジェフンはボムのように愛のある家族がいることが裕福だと考えてます。

ジェフンの目線が素晴らしく頼もしい青年に映りました。

これも「足るを知る」という考えに通じるし、「豊かさ」についても考えさせられました。

満ち足りていれば幸せ。これで十分と思えれば幸せ。

ついつい欲を出したり他人をうらやましがったり、目の前にあるものが見えずにもっともっと・・と思ってしまいますが、冷静に客観的に自分を眺めれば結構満ち足りているものです。

幸福感はもちろん人それぞれ違いますが、家族が元気でいること、食事を美味しく食べられること、花がきれいに咲いたこと、そんな身近なことで幸せは感じられるのだと気づかせてくれるドラマでした。

最後はハッピーエンドで良かったですが、もっと彼らを見ていたいと思いました。別れるのがちょっと寂しかったです。

とても気持ちの良いドラマでした。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。