ふくみみdiary

   一緒に楽しく

中国ドラマ「宮廷の茗薇(めいび)~時をかける恋」感想〜辮髪のイケメン皇子との恋を夢見ながら

「 宮廷の茗薇(めいび)~時をかける恋」 原題:夢回 2019年 騰訊視頻

★★★★★

清王朝康煕帝の時代の「九王奪嫡(9人の皇子の皇位争い)」をテーマにした物語。

ヒロインが現代から清朝へタイムスリップし、十三皇子とのロマンスの中でこの「九王奪嫡」の渦に巻き込まれていくというファンタジーラブ史劇です。

この時代を描くドラマはたくさんありますが、十三皇子が主人公のものは珍しいです。

歴史の中の出来事として「九王奪嫡」が面白いということもありますが、キャストが魅力的で嵌ってしまい、飽きることなく最後まで見ました。

ストーリー展開もあまり違和感なく、すんなりと物語に入り込めました。ただ正統派の歴史劇とはちょっと違うので、どちらかというとコミックを見るように胸キュンしながら楽しむという感じです。

同じ時代背景、同じようにタイムスリップ物で人気のドラマ「宮廷女官若曦」の制作陣が手掛けた作品でもあり、比べられることも多いようです。結果「宮廷の茗薇」のほうは中国では低評価で終わりました。期待が大き過ぎたのかもしれません。

全く別の視点から、辮髪の似合うイケメンを愛でるドラマとして見ればこの上なく楽しいドラマです。知識がなくても大丈夫、肩もこらず軽く見られる歴史劇です。

私はとても面白く、楽しく見ました。

画像:yingleku.com

小薇(しょうび)/茗薇(めいび)=李蘭迪(リー・ランディー)
十三皇子・胤祥(いんしょう)=王安宇(ワン・アンユー)
四皇子・胤禛(いんしん)=丁橋(ディン・チャオ)
茗蕙(めいけい)=孫安可(スン・アンコー)
十四皇子・胤禵(いんだい)=辛雲来(シン・ユンライ)

紫禁城が大好きな小薇(しょうび)。ある日紫禁城へ行った帰りになぜか道に迷ってしまった。助けを求めに明かりのついた部屋に入ると老婆から灯籠を渡され、その灯籠に導かれ出口を見つける。

その夜は康煕45年から300年ぶりに土星と月が接近する特別な日。家に戻った小薇は古装辮髪の見知らぬ男性がいることに気づいた。彼は清の康煕帝の十三皇子だと言い、その後たびたび現れるようになる。

同じ時間を過ごす内に二人は恋に落ちお互いの気持ちを確かめ合うが、急に十三皇子は現れなくなってしまった。

皇子にもう一度会いたいと小薇は紫禁城へ向かう。そして中庭に入ると・・

次に目が覚めると小薇は清朝康煕45年にタイムスリップしていた。

 

「宮廷の茗薇<めいび>~時をかける恋」ドラマ公式サイト

以下ネタバレあります。

最初は清朝十三皇子がタイムスリップして現代にやって来ます。それも頻繁にというところに無理も感じましたが、彼は夢の中と思っているようです。

タイムスリップ物ではすぐに時代を飛んで・・ということが多いですが、このドラマでは最初の現代の部分がずいぶんと長めに描かれています。

この間の小薇と十三皇子の微笑ましい恋が時間をかけてきちんと描かれているので、その後の清朝時代でのドキドキや切なさが倍増されるように感じます。

この十三皇子の見目麗しいこと。演じる王安宇(ワン・アンユー)、辮髪が似合いすぎです。それに彼の筆の持ち方がとてもキレイです。このようなところからも古装が似合う俳優だなと感じました。

画像:duitang.com

一方、ヒロインの李蘭迪(リー・ランディー)はぷくぷくしていて古装が似合わないという意見もあったようですが、私はむしろ若い女の子として自然な感じ、ハツラツとしていて可愛いと思いました。

画像:duitang.com

「九王奪嫡」がテーマですが、このドラマでは一皇子、三皇子は登場していません。7人で皇位を争うというちょっと簡略化した形で描かれています。

康煕帝は二皇子をとても可愛がって早々に皇太子に決めますが、あまり評判がよくなくて廃されたりします。

そして、もともと満州人には長男が後継者となるという習慣がなく、兄弟みな同格という認識がありました。

このような事情も相まって、皇子達の間には自然と派閥が出来て水面下で攻防戦が繰り広げられるのです。皇位を得る側にいるかどうかは死活問題。下手をすると家族だけでなく親族まで命を脅かされますから必死に戦うことになります。

このドラマではその緊迫感はほとんど感じませんが、この渦中に小薇と彼女と腹違いの姉・茗蕙が加わり、姉妹の確執も描かれることになります。

茗蕙は一方的に小薇を敵対視しています。そして十四皇子に近づいて妻となり、八皇子派の策士と崇められるようになっていました。

私は茗蕙の憎悪や執拗さが理解できず、鼻持ちならない嫌な奴だと思っていました。そのため最後の彼女は幸せでなんだか裏切られたような複雑な気分でした。

小薇、十三皇子、十四皇子、茗蕙、四皇子 
画像:百度百科

私は雍正帝ファンです。以前に彼の美術品の素晴らしく上品な色使いを見てから、その人となりを垣間見た(思い込みですが)ような気がして惹かれました。

このドラマの四皇子(後の雍正帝)は横恋慕するだけでなく、ヒロイン小薇に執着します。控えめで慎重なイメージとは違って驚きましたが、むしろ人間味を感じることが出来ました。四皇子を演じる丁橋(ディン・チャオ)も辮髪がお似合いです。

「九王奪嫡」に決着がついて小薇は命を落とすということで現代に戻ります。小薇を一途に愛した十三皇子の気持ちを思うと辛かったし、現代に戻った小薇が十三皇子を恋しく思う気持ちは切なかったです。

だからこそ幸せな未来を感じさせるラストにはほっとしたし、涙が溢れました。

ストーリーの中では無理があるなと感じたり、B級だなと思うところもありました。それでもそんなことはどうでもよいと思えるような若々しく爽やかで眼福の楽しいドラマでした。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。