ふくみみdiary

   一緒に楽しく

「犬がいた季節 伊吹有喜」他:2024年7月のオーディブル

【87~91】

偶然ですが、死にまつわる物語が多く、今月は気分が少し沈みこんでしまいました。でも作品選びの際になにかテーマを決めて考えるのもいいかなと気づきました。

87.犬がいた季節 伊吹有喜 ナレーター:友利直美,、栗田樹

Audible版『犬がいた季節 』 | 伊吹 有喜 | Audible.co.jp

ある高校にやって来た白い犬はコータローと名付けられ学校で飼われることに。この犬を通して高校生たちの青春を繋ぐ物語。

どのエピソードも面白かったですし、ナレーションが聞きやすかったです。

物語の中に登場する昭和が懐かしかったし、犬目線での描写もあって楽しめました。一つ一つのエピソードが最後は一つになり、それも読者としては心落ち着く最後でした。

涙あり、感動ありに加えて後味もよかったし、若いエネルギーも感じる爽やかな作品でした。

88.海が見える家 はらだみずき ナレーター:山内璃久亜

Audible版『海が見える家 』 | はらだ みずき | Audible.co.jp

希望を失い仕事を辞めた青年が、一人で亡くなった父親の足跡をたどりながら人生に大切なものに気づき成長していく物語。

思っていたほど感動的な事もなく、よくある展開に見えました。

始めは姉の財産目当てのような言動が腹立たしく不快でした。最後はそれほど悪い人ではないと思い直せましたが、何もかも打算的に見えて信用できない。このおかげで姉が登場すると構えてました。(^^;)

それでも海辺の田舎の心地よさ、広々とした風景は目に浮かぶようでしたし、ゆったりとした気持ちにもなれました。

・お金を持っている高齢者は二通り、人生を楽しむためのお金の使い方を知っている人と知らない人。

・自分の人生が面白くないなら、なぜ面白くしようとしないのか?自分の納得していない人生なんて全く意味が無い。

この言葉には考えさせられたし、教えられました。主人公と同年代の人が読むともっと心に響くのかなと思ったりしました。

89.ほどなく、お別れです 長月天音 ナレーター:冨岡美沙子 

Audible版『ほどなく、お別れです 』 | 長月 天音 | Audible.co.jp

葬儀場でアルバイトをしている女子学生・美空は特別な能力を持っている。僧侶の里見に見込まれて、訳アリの葬儀ばかりを担当する漆原を手伝う事になる。

泣けましたが、号泣というほどではなかったです。深刻なだけの話ではなく、心が優しくなる物語でした。登場人物の個性が際立っていて、それも楽しめたポイントです。

ナレーションは少しアニメ感もありながらも聞きやすくて良かったです。 

遺族としては少しでもこちらの心の内を察して接してくれる葬儀社ならうれしいですね。

90.本心 平野啓一郎 ナレーター:井上悟

Audible版『本心 』 | 平野 啓一郎 | Audible.co.jp

舞台は近未来、格差社会で生きづらい世の中。主人公・朔也も底辺でもがいている。そんな中、「自由死」を望んでいた母親が突然の事故で亡くなってしまう。なぜ自由死を望んだのか・・母親の本心を知りたいと、朔也はバーチャルフィギュア(VF)として母親を蘇らせる。

20年後?が舞台のようですが、あり得ない話ではないような気もしてその設定に感心してしまいました。発想にびっくりです。

難しいテーマが盛りだくさんですが、文章が簡潔で聞きやすかったです。なんとか最後まで聞き終えましたが、途中考える沼に堕ちるようで、重くてきつかったです。

いつもそばに居て大切な人、最愛な人でもその人の心のすべてを理解できているわけではないですね。それで良いと思います。

でももし大切な人が亡くなってしまっても、VFでまた姿が見られて声を聞けるならどれだけ慰められるだろうと考えました。

それにしても主人公はマザコンなのかな?

書籍で読むとまた違った印象になるのではと思いました。

91.泣くな研修医 中山祐次郎 ナレーター:間瀬愛季

大学を卒業したばかりの研修医が奮闘する毎日を描いた話ですが、正直研修医ってこんな感じなの?と驚きました。誰にでも初めての事はありますが頼りなくてこれがリアルなのかと心配にもなりました。

それでもテンポ良い展開でナレーションも聞きやすく、楽しく聞き終わりました。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。