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韓国ドラマ「ザ・ロード:1の悲劇」感想〜複雑に絡み合う秘密と嘘

ザ・ロード:1の悲劇」 더 로드 : 1의 비극 2021年 tvN

★★★★☆

法月綸太郎のミステリー小説「一の悲劇」が原作ということで興味がありました。

雰囲気としては韓ドラらしい韓ドラという感じで最初のうちは骨太なミステリーとして面白く見ていました。

先の読めないストーリーで展開も早く目が離せません。その上かなり複雑な内容で、時には置いていかれそうでした。人間関係が絡み合い過ぎてストーリーをわかりにくしていたと思います。

中盤辺りから全体像が見え始めると辛いストーリーにやりきれなくなりました。一筋の光も希望もまったく見えない。

登場人物には感情移入も出来ず、同情も出来ず、焦燥感に加えフツフツと怒りがこみ上げてくるようなドラマでした。

ただキャストが演技派揃い。真に迫った演技はドラマとは思えないような自然さで引き込まれました。豪華なキャストで見応えがありました。

 

 


画像:tvN

ペク・スヒョンチ・ジニ)=BSNニュースアンカー
ソ・ウンス(ユン・セア)=スヒョンの妻、財閥令嬢
チャ・ソヨン(キム・へウォン)=BSNアンカー、スヒョンの後輩
チェ・ナムギュ(アン・ネサン)=ソヨンの夫、投資会社社長
ソ・ギテ(チョン・ホジン)=ウンスの父、ジェガングループ会長
シム・ソクフン(キム・ソンス)=特捜本部刑事、スヒョンの友人
オ・ジャンホ(カン・ソンミン)=映画監督、スヒョンの義弟

BSNニュースでメインアンカーのペク・スヒョンは、政財界の癒着と腐敗を暴くため報道することを強行。しかし、そのせいで息子のヨヌが誘拐されてしまう。誘拐犯からの電話で要求通りに動いたにもかかわらずヨヌは見つからなかった。

しかし少年の遺体が発見され駆けつけると、その子はチャ・ソヨンの息子だった。ヨヌは無事に見つかったが恐ろしさのためかその日の記憶をなくし失明していた。

さらに誘拐犯と目される男がスヒョンの車の中で遺体となって発見される。スヒョンはその男は真の犯人ではないと直感し真相を追う中、政財界の闇の奥深くに入り込んでいく。

そんな中、スヒョンはずっと隠していた自分の過去が纏わりつき苦しみ、また妻の不倫も疑って・・。

「ザ・ロード:1の悲劇」公式サイト | SPOエンタメ倶楽部

以下ネタバレあります。

最初から最後まで登場人物の過去や現在が絡み合って複雑で緊張感のある展開になっています。ミステリーと同時に愛憎劇でもあります。

始めはミステリー感が強いので誰が犯人かということに焦点を当てて見ていましたが、実はドロドロの人間関係、むしろ愛憎劇としてみたほうがわかりやすいかもしれないです。

それにしても無節操な大人の集まり、よく今まで平気で生きてきたなと感心するほどです。そんな大人たちの中であんなに小さな子供があんな思いをするなんて悲惨としか言いようがないです。

人間関係が複雑な上に一人ひとり秘密があり嘘があり、到底信じられない世界でした。誰を主人公にしてもドラマに出来そうです。

純粋ゆえの子供の残酷さにも心が痛みました。

ペク・スヒョンは最初は精悍なニュースキャスターの姿で、誠実で信頼できる人物、夫としても父親としても立派な人として映りました。

でも実は過去に秘密があり、それがわかると私の彼への信頼度も一気に急降下。さらにもっと驚くべき犯罪レベルの秘密も抱えていて、精神的にもギリギリ状態で薬も手放せない。こういう状況にもかかわらず、人前に出るキャスターという仕事をするという心境が理解出来ませんでした。

彼が守りたかったものは何なのか・・自分の秘密?家族?キャリア?
やはり自分自身だったのではと思いました。とても利己的ですし哀れに映りました。

最後は追い詰められてくたびれたおじさんの顔になっていたのがとても印象的でした。

皆、捨てられないものがたくさんあるからこそ、間違った道を選んでしまいました。ウンスもソヨンも自分で不幸を呼んでしまいました。

一応の結末は見えましたが、救われない最後でした。勧善懲悪とも言えないようでしたし、モヤモヤが残りました。そして、最初から最後まで緊迫した内容で疲れました。

誠実に生きることの難しさを思い、逆に誠実に、清く正しく生きることができればそれだけで幸せで素晴らしい人生と言えるでしょう。

反面教師となるようなドラマでした。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。

では、また。