1月はテレビドラマの視聴ボリュームが増えてしまって、なかなかオーディブルに時間をさけませんでした。それでも3作品聞き終えました。
13.われら闇より天を見る:クリス・ウィタカー ナレーター:川島悠希
ミステリーなので事件も起こるし犯人追跡もありますが、それほどの抑揚がなくゆったりと進みます。そのため退屈と評されている人もいるし、途中リタイアする人もいるようですが、それも頷けるところです。後半になってスピード感が出てきますが、それまでが長く感じました。
ただ小舟に乗って湖を漂うようなゆったり感が心地よく感じ、私は最後まで聴くことが出来ました。また丁寧な描写で街の様子や風景がはっきりと浮かぶのも好きな点です。
ミステリーと言うより人間の生き様を描いている物語です。思いもよらないことで歯車が狂い、全てが壊れてしまう。自分勝手な大人たちの中で翻弄される子供たちが悲惨です。別な解決方法もあったのではと思うとやりきれないです。
懸命に孤軍奮闘するヒロインのダッチェスは気の毒だったし何とかしてあげたいと思いながらも、私は好きにはなれなかった。でも彼女も子供です。痛々しい生き方でした。
この先のダッチェスと弟のロビンがどう心の整理をしていくのか気になるところです。希望のある最後でしたので、少しは安心しました。
余韻が残る作品、終わって初めて良かったと思えるような作品でした。
もしかしたら書籍で読んだら違う感想になるかもしれないと感じています。
14.罪と祈り:貫井徳郎 ナレーター辻井健吾
父の死の真相を息子とその幼馴染の刑事が探っていくうち、過去の未解決誘拐事件へと繋がっていくというミステリー。
どんどんと真実へ近づくのが面白く、一気に聴きました。
ただ振り返ると誘拐事件の動機も弱く短絡的だし、その責任のとり方も納得がいかない。その後何十年も真実を隠して生きていた人達は単純に酷いなと思いました。
ラストもなんだかしっくり来ませんでした。知らなくて良かったことを無理やり知ってしまった悲劇。でもやはり真実を知りたいという気持ちからは逃れられないでしょう。
15.夏の体温:瀬尾まいこ ナレーター:吉野貴大、大西綺華
「夏の体温」「魅惑の極悪人ファイル」「花曇りの向こう」の3編が収められています。
小学生の友情を描いた「夏の体温」。自分の小学校3年生の頃を振り返り、こんなにいろいろ考えていただろうか?と思いながら聞きました。 夏の湿気を含んだ暑さも感じましたし、病気を抱えながらも子供らしい溌剌とした二人の様子も目に浮かびました。
なんとなくほっこりと温かく、元気をもらえる物語でした。
短編はサクッと聞けるので気分転換に良いですね。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
楽しい時間を。
では、また。