「ペントハウス シーズン3」 펜트하우스 2021年 SBS
★★★☆☆
相変わらずのスピード感と予想外の展開です。ストーリーは相変わらずめちゃくちゃなのでツッコミどころは満載ですが、それでも辻褄はあっている風でなんとなく騙されているような錯覚さえ覚えました。
シーズン2よりも更にあり得ない展開だったので、面白いorもう勘弁してと意見が分かれるかもしれません。悪者がもう人間とは思えない、思考回路が狂ったまさに怪物で私はホラー?と思ったほど。
ただ全てを見終わって、見る人の年齢によっても感じ方が違うドラマかもしれないと思いました。私には少し過激過ぎる内容だったようです。
それでも最後まで見ずにはいられない惹き付けられるドラマであることは間違いないです。
このシーズン3では特別出演の俳優さんがたくさん出演しています。本当に少しだけの出演ですが、ドラマに華を添えてくれています。それがとても楽しかったし、見どころの一つです。
そして、力を出し切り?挑戦とも言える演技で頑張ってくれた主要俳優さん達に拍手です。
シム・スリョン(イ・ジア)=ダンテの元妻
オ・ユニ(ユジン)=ロナの母親、ミン・ソラ殺害で3年服役
チョン・ソジン(キム・ソヨン)=チョンア財団理事長、ダンテの妻
チュ・ダンテ(オム・ギジュン)=建設会社代表
ハ・ユンチョル(ユン・ジョンフン)=ソジンの元夫、ユニと偽装結婚
ローガン・リー(パク・ウンソク)=在米韓国人、資産家
ペ・ロナ(キム・ヒョンス)=ユニの娘、声楽家を目指す
チュ・ソクフン(キム・ヨンデ)=ダンテの息子、ピアノ科
チュ・ソッキョン(ハン・ジヒョン)=ダンテの娘
ハ・ウンビョル(チェ・イェビン)=ソジンとユンチョルの娘、声楽科
今までの優雅な生活から一変、ダンテは刑務所で服役生活を送っていた。しかし策を練り、わざと大怪我をすると運ばれた病院からまんまと脱走する。そしてスリョンの目の前でローガンを爆弾で殺害した。
更にダンテは手を回しあろうことか無罪を勝ち取り釈放される。絶望したスリョンは法に任せることを諦め、自らダンテを裁くと心に決める。
同じく刑務所に入ったソジンは精神を病んだふりをし、裁判で執行猶予となり刑務所を出た。そしてローガン殺害のことでダンテを脅迫しチョンアグループに復帰する。
スリョンはローガン殺害犯を探るうち、ローガンに同行していた男を突き止めた。そしてその男からダンテの意外な秘密とローガンを殺害したのはダンテだと聞かされる。
そして、あの日ローガンはスリョンにプロポースをするつもりだったと遺品となった指輪を渡されるとスリョンはダンテへの復讐心を更に燃え上がらせた。
以下ネタバレあります。
ダンテとソジンの全くへこたれないその精神力に驚き、そのアクの強さに何度もうんざりしました。
ヒステリックな罵り合いや自分が世の中の中心とでも思っているようなふてぶてしさには嫌気が差しましたが、それでも最後まで見ずにはいられませんでした。
どうスッキリさせてくれるのかという興味だけで見ていました。
死んだと思った人が生きていたという展開にはもう驚きませんが、それにしてもあの爆発の中心にいたローガンが生きていたなんて・・。そしてなんと中心人物と思っていたユニが死んでしまって、私は混乱しました(笑)。
シーズン3はダンテとスリョンの因縁の対決というところでしょうか。ダンテの悪行を思えば悲惨な子供時代を知っても、それで同情できるものでもありません。
子供の頃の恨みを変わらず持ち続けいつかシム家に復讐しようとスリョンを狙っていたようでした。執念深いです。
あれだけの悪行を重ねた人ですから、ダンテを法で裁くのはむしろ生ぬるい気がしていましたが、思っていたよりもあっけない最後で拍子抜け。
一方のソジン。この人にはずいぶん裏をかかれました。結局何もかも失いますが自業自得です。妬みや欲で自分を滅ぼしてしまい、満たされることのなかった人生を思うと多少の不憫さも感じました。そしてこの人の最後は綺麗すぎて気に入らなかった。でも十分苦しんだんだろうし、絶望も味わっただろうと思います。
それでもダンテとソジン2人の最後は何でもありのドラマにしてはスッキリさせてもらえず、モヤッと感が残りました。
そして、私が推していたユンチョルですが、理解に苦しむ複雑な人でした。あっちに流され、こっちに流されで、この人が守りたかったのは誰なのかもわからなかった。ウンビョル?ユニ?ロナ?・・ウンビョルかなぁ。
それ程いい加減な人とも思えなかったけれど、一貫性はなかった。不思議なキャラでした。
1でも2でもヒステリックなわめき声は散々聞いていましたが、3でも聞くことになり私にはちょっとキツかった。もう聞きたくなくて音を消して字幕のみで見ていた事もありました。
私はすでにシーズン2でお腹がいっぱいで3はなくても良かったかも・・。2でビシッと終えることも可能だったと思いますし、3は無理に取って付けたような間延び感がありました。
でも子ども達は皆良い方向へ歩みだしたようです。
ロナは夢を叶え、ソクフンも成功し、この2人が恋を成就させて幸せになってくれそうで良かった。
ウンビョルも呪縛から解放され穏やかだったし、ソッキョンも地に足がついたようでした。
皆、親のエゴに振り回されて散々だったけど、これからは真っ当な道を歩いて本当の幸福を感じて欲しいです。青春時代を大切に過ごしてほしい。
そして突然のファンタジックな最後、私は好きになれませんでした。
これだけ過激な内容だったから、納めどころは難しかったと思います。若者たちが皆自分を取り戻していたから、彼らそれぞれの未来への希望ある台詞で終わらせても良かったんじゃないかなと思いました。
ある意味きれいで穏やかな終わり方でしたが、いきなり現実離れして・・でももともと現実離れした内容でしたね。つまり全てがファンタジーだったということ?
まぁ、何でもありの集大成というところでしょうか。
「ペントハウス」は挑戦的なドラマでしたし、俳優さん達の迫力ある演技も素晴らしかったし、記憶に残るドラマであることは間違いないです。そういう点では高評価だったことも頷けます。
私も最初は面白く見ていましたが、人を貶め、脅し、奪い、殺すという展開の連続で楽しいものではありませんでした。加えて長過ぎた感は否めませんでした。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
でた、また。