ふくみみdiary

   一緒に楽しく

中国ドラマ「九齢公主~隠された真実~」感想~ぶれないヒロインが潔く美しい

「九齢公主~隠された真実~」 君九齢 2021年 优酷視頻

★★★★☆

ヒロインの九齢公主の生き様を描いたドラマと言えます。

メディカルロマンスと紹介されたりしますが、メディカル色は強くありません。女医としての活躍はあるものの、医療ドラマ的な印象はほとんどありませんでした。また復讐場面から始まるのですが、復讐色もそれほど色濃く感じませんでした。

それでもストーリーが面白く、展開も早いので飽きずに見ることが出来ました。ヒロインが降りかかる難題に知恵を絞って誠実に立ち向かう姿には感心しましたし、彼女の愛が感じられました。

竹を割ったような性格で潔くブレません。愛を告白されても自分の心に正直にきっぱりと断る姿もなかなか気持ちが良かったです。

ヒロインに好意を寄せる4人の男性はその一人ひとりの思いが熱く、ラブストーリーとして楽しめるのですが、残念ながらあまりときめくことはなく切ない気持ちにもなれませんでした。

ただただヒロインのカッコよさ=ハンサムウーマンぶりを堪能したドラマでした。

キャストは若手中心でしたがベテラン勢が要所要所を固めており安定感もある作品でした。

画像:ishare.ifeng.com

君蓁蓁(くん・しんしん):楚九齢=彭小苒(ポン・シャオラン)
朱瓚(しゅ・さん)=金瀚(ジン・ハン)
寧雲釗(ねい・うんしょう)=王佑碩(ワン・ヨウシュオ)
陸雲旗(りく・うんき)=杜亜飛(ドゥー・ヤーフェイ)
方承宇(ほう・しょうう)=周占(ジョウ・ジャン)

皇帝だった父の死は叔父である現皇帝・楚譲の仕業だと知った九齢公主は、自身の婚礼の日に皇帝暗殺を試みるが失敗。囚われて死を待つ身となってしまった。

しかし医術の師匠でもある神医・君応文に助けられ、自分の身代わりとなって焼死した彼の娘・君蓁蓁の声と顔をもらい成り代わる。そして蓁蓁として生きる決心をし、楚譲への復讐を誓った。

師匠の君応文の死後、蓁蓁(九齢公主)は師の遺言通り沢州の方家に身を寄せた。方家には病弱な後継者・承宇がおり、蓁蓁はその病を治そうと力を尽くし、次第に方家の中でも信頼を得ていく。

そんな中、蓁蓁(九齢公主)は幼馴染で慕い合っていた朱瓚(しゅ・さん)と再開する。朱瓚は九齢公主の消息を探るため手掛かりとなる蓁蓁に付きまとうが、顔も声も違う彼女が九齢公主とは気づかない。しかし彼女の仕草を見て記憶の中の九齢公主を思い出し心が騒いでいた。

一方君蓁蓁との幼い頃からの婚約を取り消した寧雲釗(ねい・うんしょう)は偶然に会った君蓁蓁を元婚約者とは知らず一目惚れしてしまい・・。 

「九齢公主~隠された真実~」公式サイト | SPOエンタメ倶楽部

以下ネタバレあります。

最初からすぐに引き込まれて、最後まで楽しく見ました。

九齢は敵討ちに失敗し顔も声も変えて生きる事になりましたが、医術を極めて多くの人を救い最後は国を守り復讐も果たす、気持ちがまっすぐでブレない様子は本当に恐れ入りました。

とにかく九齢の立ち居振る舞いが立派なので、女帝になっても良いのではないかと思うくらいでした。ロマンスもありながらも男性達はおまけのように感じたほどです。

演じた彭小苒(ポン・シャオラン)は可愛く美しい。メイクが薄いほうが美しさが際立つような気がしました。

画像:百度

全体を通してスピード感がありましたが、最後のクライマックスの部分は長すぎたように感じました。もう少しコンパクトにまとめて、その後のそれぞれの幸せをもう少し描いて余韻を残してほしかったです。

特に九齢と朱瓚はハッピーエンドのようでしたがその後の仲睦まじい様子はなく、なんだか中途半端な終わり方に感じました。

釈然としなかったのですが、どうやら二人の場面はカットされていたようで、エンドロールの一番最後の赤い花畑のシーンがその場面だったようです。

なぜカット・・・でも見るとちょっと微妙かなと(笑)・・。

Jun Jiu Ling ep 40 missing part - YouTube

それでは九齢を取り巻く男性陣をご紹介。

朱瓚&寧雲釗
画像:百度

朱瓚は将軍の息子(世子)で父と共に北方を守り長く都を離れていました。自由闊達で明るい性格のようでした。でも私としてはお坊っちゃま感が薄くて不満でした。

演じた金瀚(ジン・ハン)は多くは敵役で見てきた俳優だったので、男主角ということに始めは違和感がありました。

物語が進むに連れて頼もしさも見えて良かったのですが、あまりピシッとしたお坊っちゃま感がない。なぜそう感じるのかわからないのですが・・斜に構えたりして上半身が動きすぎなのかな?姿勢が悪いのか?主役格だと出番も多いので、やけに気になってしまいました。

でも、角度によってはすごくキレイな顔立ちだなぁと思うこともあり、色気も感じる俳優だしイメージチェンジに繋がったのかなと思いました。私は敵役でガンガン押してもらいたい気もしますが。

 

寧雲釗は優秀な上に穏やかな好青年。子供の頃からの君蓁蓁との婚約を破棄しましたが、とりあえず一度会ってみればよかったのにと思いました。その後彼女に一目惚れしてしまうのですが、後悔先に立たずです。その後、気持ちを告白してもきっぱりと断られ、ちょっと可哀想でした。

九齢もあそこまでビシッと拒否しなくても良いような気もしましたが、彼女にはキープなんて考えは1ミリもないのです。

振られても九齢を思い守り続け、一番切なさを滲ませていた人です。後半、この人に助けを求める九齢もスゴイなと思いました。寧雲釗びいきの私としては彼の気持ちを考えたことある?と九齢を責めたくもなりました。

最後二人で碁を打つ場面はとても良かったです。二人の回想シーンもあって印象的だったので、なんだかこの二人のドラマだったのかと錯覚しそうでした。

別れる際の晴れやかな笑顔の九齢に対して、まだ後ろ髪引かれるような寧雲釗の表情が複雑で切なかったです。「これで本当にお別れだね・・でももう僕には少しのチャンスも残されていないのかな?」みたいな・・。

陸雲旗&方承宇
画像:百度

陸雲旗は子供の頃いじめられていたところを九齢に助けられてから、密かに思い続けていました。婚儀の後に死に別れてしまいましたが、ずっと忘れられず執着に変わっていきました。

その思いは九齢を苦しめることになります。愛する人を苦しめるのは愛じゃないけど、とにかく自分のものにしたいのでしょう。陸雲旗の狂気を孕んだ眼差しは怖かったし、確かに常軌を逸してしまったし哀れでした。

始めから結婚は九齢にとって利用価値があっただけで、愛されていたわけではないし、もうどうしようもない関係性なのですね。 

 

方承宇は車椅子生活で絶望的な毎日を送っていたところを九齢の献身的な治療によって奇跡的に完治し元気になりました。

もうそうなると彼は九齢から離れません。まるでじゃれつくペットのようで可愛かったです。でも彼は真剣でいつしか添い遂げたいと思うようになります。初恋ですね。彼の初々しさもドラマを明るくしてくれました。

男性陣の中では一番変化を感じた人です。頼りなかったお坊っちゃまが世間を知って一族の当主にふさわしい青年に成長しました。今後も九齢とは良好な関係を保てるでしょうし、良かったです。

 

思い返すと登場した人たちは脇も含めて皆個性的で魅力的なキャラでした。ハラハラする場面あり、笑える場面ありでバランス良く楽しめる作品でした。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。