「長歌行」 长歌行 2021年 腾讯视频
★★★★☆
出だしから迫力もありスピード感もありハラハラドキドキが続き、すぐに夢中になって見ていました。ただ最初は人間関係を把握しにくく難しさも感じました。
ストーリーの中には唐時代の後継者争いが描かれますが歴史的内容は色濃くなく、追われて亡命することとなったヒロインの試練やロマンスを中心に描いた物語です。
敵討ちのドラマかとも思いましたがそうでもなく、人間としての成長をテーマにした内容でした。
アクションも見どころの一つで見ごたえがありました。原作が漫画という事もあるのか？戦闘シーンでは所々漫画も登場する珍しい見せ方もなかなか良かったと思います
最後まで楽しく見ましたが、やはりちょっと長かったなという印象です。いろいろなエピソードが入っているので変化があって飽きずに見られるような気もしますが、焦点が定まらず特に中盤からは少しだるかったです。
それでも主要人物が魅力的でした。一人一人の葛藤や苦悩も丁寧に描かれていて、その人物を理解できましたし感情移入もしやすかったです。
また演じた俳優も旬の若手スターが揃っていて華やかでした。ストーリーというよりは俳優の魅力を堪能したドラマでした。
李長歌（り・ちょうか）＝ディリラバ（迪麗熱巴）
阿詩勒隼（あしら・じゅん）＝ウー・レイ（呉磊）
李楽嫣（り・らくえん）＝チャオ・ルースー（趙露思）
皓都（こうと）＝リウ・ユーニン（劉宇寧）
魏叔玉（ぎ・しゅくぎょく）＝ファン・イールン（方逸倫）
李世民（り・せいみん）＝ゴン・ロー（耿楽）
唐の皇太子の娘で、文武両道の李長歌。草原の遊牧民族・阿詩勒部との蹴鞠の試合に仮面をつけ飛び入り参加をする。勝利をおさめ褒美にもらった短剣を叔父であり武術の師でもある李世民に贈る。
しかし慕っていた李世民によるクーデター（玄武門の変）で、父を殺され母も死んでしまった。危うく難を逃れた長歌は母の棺の前で復讐を誓う。そして李世民が手にした皇太子璽を盗み追われる身となる。
一方、阿詩勒部の阿詩勒隼は長安に偵察目的でやって来ていたが思った成果は上げられず、危険を察し都を出ることにする。そして偶然に逃げる長歌に遭遇し長安脱出を手伝った。
無事に長安を出た長歌だったが、隼と別れると追っ手に見つかり追い詰められた。追っ手の中には幼馴染の魏叔玉もいて愕然とする。そしてその叔玉の矢を受けて谷底深く落ちていった。
幽州への道を急いでいた隼は川岸で倒れている瀕死の長歌を助けるが、実は男装した女性であることに気づき・・。
長歌行 ｜ ドラマ ｜ BS11（イレブン）|全番組が無料放送
以下ネタバレあります。
私はストーリーにはあまり魅力を感じませんでした。というより長歌のドラマとしては印象薄めです。
あれだけ過酷な運命に翻弄されながらも前を向き強く生きる長歌には感心しましたが、長歌という人物にあまり心が動かされなかったからです。
主人公の長歌が慕っていた叔父に家族を殺され復讐を誓いますが、その後の展開ではそれほど復讐に力を入れているようには思えず、必死になるでもギラギラするでもなく、物足りなさを感じました。
彼女の成長は国や民の平穏を思い私怨を捨てるということなのですが、その心の変化もあまり上手に描かれていなかったように思います。
さらに長歌と阿詩勒隼のロマンスもなんとなくあやふやな感じで今ひとつ。阿詩勒隼の心の中は見えるような気がしましたが、長歌の気持ちがはっきりと見えるシーンはわずかだったように思います。
私には強く結びついている二人の心を感じきれずに終わってしまいました。
阿詩勒隼を演じたウー・レイ（呉磊）は瑯琊傍の飛龍の印象が強かったので、こんなに大人になったのか・・と感慨深かったです。イメージそのままで大きくなってますね。(^^♪
阿詩勒隼の阿詩勒部での複雑な立場や心情、長歌に対する思いなどはよく描かれていて理解出来ました。
でも、このカップルにはどうしても心を動かされませんでした。
長歌を演じたディリラバ（迪麗熱巴）が個人的にあまり好みではないというのも影響しているかと思います。美しい人だとは思うのですが・・。
メインの二人よりもずっと気になって気持ちを持っていかれたカップルは李楽嫣と皓都の二人です。
楽嫣は長歌とは従姉妹同士、姉妹のように育った仲です。李世民の愛娘で温室育ちの彼女が人買いにさらわれ辺境の地を一人さすらう事に。苦難とその中で出会った人達のおかげで自立することを覚え、民に寄り添う公主に成長していきます。
この楽嫣の変化はしっかりと表現されてよく理解できました。天真爛漫な公主の姿も、一人放り出されてただの娘となった時も、そして世の中の現実を見て強くなった姿も素晴らしかった。
楽嫣を演じたチャオ・ルースー（趙露思）はラブコメのイメージが大きかったのですが、今回のようなしっとりとした役もとても似合って良かったです。楽嫣という人物を魅力的に描いてくれました。感情を自然に表現する演技力の高さに感心しました。
この楽嫣をずっと思い慕っているのが皓都です。始めは冷酷ですごく嫌な奴です。禁軍の武官とはいえ孤児であり生い立ちに対するコンプレックスがあるのか、人一倍肩に力の入った生き方をしている、とても複雑な感情の持ち主に見えました。楽嫣をどんなに深く思っても彼女は雲の上の人。
でも少しずつ心の内が変わっていきます。そのかすかな変化の表現がとても魅力的でした。このドラマでは皓都にかなり嵌っていたので、最後はハッピーエンドでホッとしました。義父の皓都への愛情が確かなもので良かった。
この楽嫣と皓都はそれぞれの思いがよくわかってメインカップルよりも印象に残りました。
皓都を演じたリウ・ユーニン（劉宇寧）は摩登兄弟（モダンブラザーズ）という3人グループのメインボーカル＝歌手でもあります。このドラマのOSTにも参加してます。
【日本語訳+中国語+ピンイン】長歌行OST 一爱如故-刘宇宁 - YouTube
なかなかの男前ですし、角度によってはすごく美しい。背も高くとても雰囲気がある人で、俳優として魅力的です。かすかな感情の変化を上手に表現できていたし、素晴らしかったです。
皓都という人物はほとんど笑う事もないので、かすかな笑顔にも胸キュンでした。
全体を通して楽嫣と皓都カップルが中心でも・・と思うくらい、この二人だけでもドラマが成立しただろうと思うくらい、この二人のファンでした。
ヒロインの長歌には嵌れませんでしたが、旬の俳優たちの競演で見ごたえがあり、またスケールの大きさや重厚感も感じるドラマでした。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。
