1月もちょっと少なめ。軽めの小説が多かったです。
69. 猫とメガネ 蔦屋敷の不可解な遺言 榎田ユウリ ナレーター:室元気
Audible版『猫とメガネ 蔦屋敷の不可解な遺言 』 | 榎田 ユウリ | Audible.co.jp
最初から最後まで漫画チックではありましたが嫌ではなく本当に面白かったです。テンポも良く、聞きながらおかしくて笑いがこみ上げるのは初めてかも。もう言葉選びがおかしくて。
にもかかわらず、内容は案外深刻なものです。意外性もある展開で飽きずに聞きました。
いきなり年下妻から離婚を突き付けられわけがわからない主人公が哀れでしたが、自分の欠点はなかなかわからないものですね。
主人公のようにこんなに極端に浮世離れしているというか他人の気持ちを推し量れない人も大変です。でも癖があり過ぎるけれど、なぜか憎めない人でした。
そんな彼の周りに歯に衣着せぬちょっと攻撃的とも思える人、そして純朴でおおらかな人と個性的な人達が絡んでこれもバランスよい面白さでした。そしてそれぞれの愛を感じる心温まる話でもあります。
心が疲れてしまったときにはこういう容赦なく笑いを誘う小説、いいですね。耳に脳にシャワーのように降り注ぐ面白さ、オーディブルならではです。
70. アーセナルにおいでよ あさのあつこ ナレーター:宮司愛海
Audible版『アーセナルにおいでよ 』 | あさの あつこ | Audible.co.jp
人との関わりが下手だけれど自分の得意を武器として起業した若者。同じ様に世間からちょっぴりはみ出した人を仲間に迎え一緒に困難に立ち向かい、会社を起動に乗せようと奮闘するお話。誰もが憧れるような世界です。
実際にはこんなにうまくはいかないだろうなと思いつつも、応援したくなるし元気をもらえるお話でした。
起業など私には別世界の話ですが、もし今20代なら・・なんてつい思ってしまいました。そしてベンチャー企業というのはこんな感じなのかなと少し想像できました。
今の若者の頼もしさを垣間見た気がしました。
71. たぶんねこ 畠中恵 ナレーター:中村莟玉(なかむらかんぎょく)
Audible版『たぶんねこ 』 | 畠中 恵 | Audible.co.jp
シリーズの中でもナレーターの声が物語にしっくりと合っているように思います。最初聞いたときから「あ、いいな」と思いました。
このシリーズものはナレーターの声や読み方で印象が変わることがあり、そこは気になってしまう点です。好みによっても評価が分かれるだろうし、シリーズ物の難しさですね。
物語はいつも通り面白く、可愛く、心がほっとするお話でした。
72. デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 丸山正樹 ナレーター:岡井カツノリ
Audible版『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 』 | 丸山 正樹 | Audible.co.jp
思っていたよりもしっかりしたミステリーでした。ストーリーが面白いので飽きずに聞きました。
自分では想像しにくい世界の話でしたが、聾者の方々への理解が少しは深まったかなと思っています。聾者の方と接する機会も今までなかったので、気づいていないことばかりでした。
手話にもいろいろあるとは知りませんでした。微妙な表現の違いなどもあって難しいのですね。勉強になりました。
たまたま聞き進む中でドラマが放送されました。小説の中では手話の動作が言葉で表されているのでピンとこなかったのですが、映像で見ると手の動きも字幕もあってわかりやすく霧が晴れるようでした。
ただドラマは少し小説の雰囲気とは違うような気もしました。
ミステリーとしても面白いですが家族や人間ドラマとしても面白い小説でした。
最後まで読んでくださってありがとうございます。