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韓国ドラマ「軍検事ドーベルマン」感想~魅力的な俳優の揃った復讐劇

「軍検事ドーベルマン」 군검사 도베르만 2022年 tvN

★★★★☆

軍の話で馴染みも知識もない中でついていけるかどうか心配でした。でも知識などなくても大丈夫。初めはミステリーっぽく謎の多い展開、そして段々と緊張感もスピード感も増していき、最後まで飽きさせない内容になっています。面白かったです。

軍が舞台ですが、単純に言えば復讐劇です。話数短めなので一気見もいいですね。

ストーリー展開も違和感を感じることなくわかりやすかったし、全体的に上手にまとめ上げられたドラマでした。アクションシーンもとてもカッコよかったです。

軍の生活の中ではいじめやパワハラ、セクハラ、そして心を病む兵士もいて・・現実にもこういう事が問題視されているのかなと想像しました。特殊で閉鎖的な世界ですから、本当なら怖いなと思いました。

こんな風に軍を描いて入隊に支障が出ないのか?と心配までしてしまいました。

またロマンスはないわけではないですが胸キュンシーンなどはなく、全体的に硬派なイメージです。中だるみもなく最後は疾走するような爽快感がありました。

キャストも良かったです。アン・ボヒョンは背も高く軍服がすごく似合う。チョ・ボアはものすごくカッコいいウインを魅力的に演じました。

その他のキャストも人物像にピッタリでこの人しかいないと思わせてくれました。

特にノ・ファヨンを演じたオ・ヨンスの凄みは圧巻です。

画像:tvN

ド・ベマン(アン・ボヒョン)=軍検事、陸軍第四師団
チャ・ウイン(チョ・ボア)=新人軍検事、陸軍第四師団
ノ・テナム(キム・ウソク)=IMディフェンス会長、ファヨンの息子
ノ・ファヨン(オ・ヨンス)=陸軍第四師団の師団長
ヨン・ムング(キム・ヨンミン)=弁護士事務所代表

ド・べマンは猛勉強の末に司法試験に合格するが、中卒という学歴が邪魔をしてなかなか就職できないでいた。

しかし大手法律事務所の代表ヨン・ムングから自分の下で軍検事を務めれば5年後にはパートナー弁護士として迎え入れると提案される。一度は拒否したものの弁護士になれることに加え多額の報酬につられ引き受けることにした。

その後のべマンは権力者の為の軍検事となり、裁判での成績は抜群だが褒められる検事ではなかった。更にムングの背後にいるのが、IMディフェンスのノ・テナム会長だと知ると欲を出し直接取引がしたいと考えるようになる。

除隊を一カ月後に控えた頃、チャ・ウインが新人軍検事としてやって来た。驚くほど度胸の据わった彼女を見て、べマンはただ物ではないと訝しみ密かに調べる。

同じ頃ノ・テナム会長の母親が軍の中で恐れられているノ・ファヨン将軍だと知り驚く。そしてIMがテナムの手に渡った経緯とヨン・ムングとの関わりを知り、そこに隠されていた大きな陰謀に気づいた。

アイドル歌手アレンが行方不明となりべマンはヨン・ムングから捜査を命じられた。アレンと共に性的暴行事件を起こしていたテナムを守るためだ。

調べた監視カメラには怪しい赤い髪の女が映っていた。そしてウインの車の中から赤い髪のウィッグを見つけたべマンは、ウインを疑う。

アレンは見つけたものの、べマンは交通事故を起こしてしまう。意識朦朧のべマンの前に赤い髪のウインが現れ「一緒に戦ってもらう」と謎の言葉を。

チャ・ウインは父親を殺して会社を乗っ取ったある人物への復讐を誓い軍検事になったのだ。その人物はべマンの両親を死に追いやった人物でもあり・・。

べマンは忘れていた恐ろしく辛い過去と向き合うことになる。

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以下ネタバレあります。

最初は悪い人と思っていた人が案外良い人だったり、その逆のパターンもあり、そんな意外性も楽しめました。

ロマンス色はありませんでしたが、それでも緊張が続くとちょっと気を抜けるところもあって、そういう緩急のバランスも良かったです。

題名にも軍検事とあり最初は法廷ドラマを想像していたのですが、軍事法廷場面は予想外に割とあっさりとしていました。

見るほうとしては丁度良い感じでしたが、それでも悪者を裁く法廷シーンでは少し物足りなさを感じました。もう少し追い込んで欲しかったなと・・。

ストーリーに軍以外の目新しさはなく、お家騒動や会社乗っ取りが題材のよくある復讐劇とあまり変わらないです。

ストーリーよりも、登場人物が印象に残りました。皆、個性的で魅力的です。

ド・べマンは始めはいい加減で抜け目ない人物に見えて、良い印象は持てませんでした。主役だから実は良い人なのかなというくらいに見ていました。

軍服姿はカッコいいし魅力的ではあるけれど、なんともはっきりとしない人物でした。司法試験に合格するまでの苦労があまり描かれていないせいか、彼の心の中は今一つ理解しきれなかった部分がありました。

チャ・ウインはキレがあってすごくカッコよかったです。演じたチョ・ボアはアクションも上手ですね。こういうハンサムウーマン的な役は本当に似合っていると思いました。

驚いたのはノ・ファヨンを演じたオ・ヨンス。涼しい顔しながらの濃いキャラで異彩を放ってました。流石です。この女優さんがこういう役をやるとは思っていなかったので、私の中では意外性もあり魅力的に映りました。本当にすごく不気味だったし怖かったです。

その他ド・べマンの叔母さんもチャーミングだったし、べマンの下で共に働く2人のやり取りはテンポも良く楽しませてもらいました。

でも一番印象に残った人物はノ・テナムです。出だしは放蕩息子の最たるものだったし、ああいう人が最後に無垢になれるだろうか?という疑問も残りましたが、呪縛が解けて心が自由になったんでしょう。

愛犬を可愛がっていたし、実は悪い人ではなく寂しい人なんだろうと思っていました。

テナムを演じたキム・ウソク、私は初めての役者さんですが、若いのに確かな演技で感心しました。後半はこの人に目が釘付けになってました。

テナムはその変化の幅が大きいし難しい役、気持ちの持ち方も大変だったと思います。その時々の表現が素晴らしかったです。いい役射止めましたね!そしてやり切った。

若手もベテランも良い役者さんたちが揃っていて、見応えのある作品になりました。

最後はべマンとウインがいい感じで終わりますが、これはなくても良かったかも・・いや、ないともやもやが残るのかな?

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。