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中国ドラマ「蒼蘭訣(そうらんけつ)~エターナルラブ」感想~キラキラ大魔王に酔いしれる

「蒼蘭訣~エターナルラブ」 蒼蘭訣 2022年 爱奇艺

★★★★★+

私はすっかり嵌りました~、最初から最後まですっごく面白かったです。

魔王と妖精のロマンス史劇ですが、初めはラブコメ、段々と切なくなって、最後はしっかり世の中に向けての「愛」というメッセージも込められている作品でした。

ロマンスとしてはベタな展開とも言えますが、それが物足りなさに繋がることはありませんでした。物語が進むうちに展開に意外性もあって飽きずに見られました。

出だしに今回の舞台となる世界の説明があるおかげで、ファンタジー作品にありがちな分かり難さもなく、すんなりと物語に入っていけました。

実は割と複雑な内容ですが、ロマンスとして見る分にはあまり細かい部分は気にしなくても良いかなと思われます。

衣装や装飾品、小道具なども幻想的な雰囲気を盛り上げる一役を担っていたし、CGも美しくいろいろな工夫があって、視覚的に別世界を感じられる点で入り込みやすい作品でした。

そしてこのドラマでは魔王である月尊・東方青蒼(とうほうせいそう)を演じた王鶴棣(ワン・ホーディー)が素晴らしいです。はまり役と言われているそうですが、まさにこの人だからこその東方青蒼だったと思います。と言うよりワン・ホーディのためのドラマと言う感じでした。

流星花園2018(花より男子)の道明寺役ももちろん良かったのですが、魅力が進化して別次元のパワーを感じました。古装のほうが断然似合う気もしました。

そのヴィジュアル吸引力は強力で瞬時に釘付けになりましたが、二面のキャラクターを見事に演じ分ける演技力にも感心しました。見応えもあり、嵌りました。

終盤は少し間延びしたような印象も持ちましたが、最後の戦いは手に汗握る迫力もありました。

細かい事は気にせず見れば、目の保養とワクワクドキドキ感を楽しめる楽しく、美しく、切なく、そして壮大なラブロマンスです。

画像:百度百科

東方青蒼(とうほうせいそう)=王鶴棣(ワン・ホーディー)
蘭花(しょうらんか)=虞書欣(ユー・シューシン)
長珩(ちょうこう)=張凌赫(ジャン・リンホー)
容昊(ようこう)=徐海喬(シュー・ハイチャオ)
觴闕(しょうけつ)=林柏叡(リン・バイルイ)

月族の東方青蒼(とうほうせいそう)は秘術により感情を失った怪物となってしまう。自分の父親を殺して月尊となり殺戮と強奪をくり返した。仙界の戦神は世界を守るため、東方青蒼を昊天(こうてん)塔に閉じ込め封印した。

しかし3万年が経った今、その昊天塔に異変が・・封印が緩み始めたのだ。

仙界の蘭の精・小蘭花は司令殿で人の運命が記された「命簿」を管理している仙女。ある日憧れの長珩仙君に命の危機が迫っている兆候を見た。

その頃長珩は昊天塔の封印の強化に当たっていた。心配し駆け付けた小蘭花は彼を守ろうとして昊天塔に引き込まれてしまう。

長い間昊天塔に閉じ込められていた東方青蒼は思いがけず落ちてきた小蘭花との関りで封印が解け月尊として蘇ることに成功する。

しかし不思議なことにそれ以来、小蘭花に生じるキズや痛み、感情や感覚が自分にも同時に起こることに気づく。小蘭花が傷を負うと自分にも同じ傷がつき、彼女が泣けば自分も涙を流していた。

この同心呪のせいで、万が一小蘭花が死の危険にさらされれば自分の命も危なくなると考えた東方青蒼は、仙界の司令殿に逃げ戻った小蘭花を追いかけ、自分も一緒に司令殿で暮らすことにする。

「今からお前は私の物。離れてはならない」と命じる。 

しかし無邪気な小蘭花と共に過ごすうちに、東方青蒼は今までにない感覚を味わうようになり戸惑い悩まされることに・・。

蒼蘭訣~エターナル・ラブ~|ドラマ公式サイト

以下ネタバレあります。

ロマンスとしてはよくあるパターンで展開していきます。「四角関係」「ロミオとジュリエット」「俺様、ギャップ」「出生の秘密」「謎」など盛りだくさんです。

始めの頃のコメディ風の展開は本当に楽しかったです。二人の入れ替わりも面白かったし、俺様大魔王の言葉を誤解して困り顔の妖精:小蘭花が能天気で笑えました。でも誤解する気持ちもわかりますけど。(^^;)

ずっとそんな風にドタバタと楽しく進むのかと思っていたら、二人にも紆余曲折が待っていて次第に誤解や行き違いで切ない場面が続きます。でも物語の最後は相手を守るために命をかけることも厭わない愛の強さをお互いに見せてくれます。

女主角については賛否両論あるようですが・・私は良かったなと思っています。こう言っては失礼ですが、目立ち過ぎず主張し過ぎずで良かったです。意図したことなら凄いなと思いました。

最初は可愛いい仙女だったし、最後は威厳も感じさせながらもふとした時に小蘭花に戻る表情の変化は上手だなと思いました。

その他女性陣も魅力的でした。李一桐(リー・イートン)が出演していてアクセントになっているし、なんとなしの高級感も感じました。

そういえば「鶴唳華亭」のオープニング曲が使われていました。この曲を聞くとまだ別の思いが湧き上がってきてしまって辛かった。そして戦隊レンジャー風の音楽もあって驚いたり、笑ったり・・。

それはともかく、とにかくイケメン主体のドラマです。

画像:百度百科

東方青蒼=王鶴棣(ワン・ホーディー)は先に述べましたが、古装も良く似合ってこれからが楽しみな男優です。

終盤の恋煩いの展開ではなんだかゲッソリしたような感じもすごく出ていて凄いな思いながら見ていました。顔も小っちゃくてバランスがすごい。

序盤の俺様大魔王もそうなのですが、終盤死んでしまった小蘭花を蘇らせるために蘭の種を精魂込めて育てたり、自分の事を忘れてしまった彼女の心を取り戻そうと必死に努力する姿に胸キュンでした。

カッコよくて強くて、健気で可愛い・・。

その他にもイケメンがたくさん登場しますが、彼の魅力にはなかなか追いついていなかった(私の中では)。その俳優が云々というよりキャラの描き方に丁寧さが足りなかったような気がします。

 

東方青蒼のライバルと言ってもいいのか、長珩(ちょうこう)はなんだかいつも切なかった。愛する小蘭花との接点は少なかったし・・。

演じたのがジャン・リンホーでしたから、もっと目立っても良いような気もしましたが、あまり見せ場が無かったように思います。人間界でのキャラ変は見事でした。

始めは敵対視していた東方青蒼とは友となります。自分が知らない小蘭花を東方青蒼はたくさん知っている。自分の愛する人の知らない部分を聞かされるのはさぞかし辛かったはず。その気持ちを思うと涙が出ました。

長珩の兄の天帝は理解できなかったし、最後は長珩がとって代わるのかと思いましたが違いました。長珩は仙界を離れて自由人になったようでした。人間界での名前を名乗っていたので、自由奔放な生き方にも憧れがあったのかな。ずっといろいろな思いを封印していましたから。優等生過ぎた感があります。

 

そして容昊(ようこう)はとても複雑な心を持っている人でした。突然悪役なんだとわかり驚きましたが、人物像をもう少し丁寧に描いてくれていれば、感情移入も出来ただろうと思います。

可哀想な身の上のようだったし、執着が怒りになり身を滅ぼしてしまったことは気の毒と言えば気の毒。

演じた徐海喬(シュー・ハイチャオ)は若手俳優主体の中で、確かな演技と存在感でドラマを引き締めてくれました。

その他、東方青蒼の従者の觴闕(しょうけつ)や弟の巽風も印象に残りました。

最後まで見ると、ただ楽しかった、面白かっただけではなく、「愛」の力をメッセージとして伝えていました。

強大なラスボスを前に今まで敵対していたもの同士で力を合わせて立ち向かう姿に感動しましたし、巽風が兄の東方青蒼の意志をしっかりと受け継いでいることにも感動しました。

月族と仙族との争いは長く続いたけれど、それに終止符を打ち喜びに満ちた世の中にしたのは「愛」であり、「愛」があって自分自身も解き放たれ自由を得られる、「愛」の力ですべてが良い方向へ向かう・・このように「愛」の強い力を直球メッセージとして投げかけるドラマも珍しいのではないかなと思いました。

東方青蒼はラスボスと共に消えてしまうけれど、傷心の小蘭花の手には小さな三日月が残ります。この三日月が東方青蒼自身?それは500年後に蘇って・・。(蘭の種のように手をかけてないけど・・)

とにかく二人の愛は深かった。私の予想をはるかに超える深さだったので、最後はハッピーエンドで良かったです。二人をもっと見ていたかったな。

ただのラブロマンスに見えますが、様々なアイテムが意味を持っているようでした。一度では理解できなかった部分もありますので、チャンスがあれば見直して深堀りしてみたいです。

画像:百度百科 爱奇艺 

大魔王に会えなくなるのは寂しいな・・。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。