久々に雨が降りました。何日ぶりだったでしょう。そうとうカラカラに乾燥していたので良いお湿りになりました。
雨の日は外もなんとなく静かで好きです。心も頭も開放されるような気がします。
若い頃は雨が降ると着ていく服にも迷ったし、満員電車では濡れた傘が体に張り付いて服が濡れちゃうし、髪はきちんとセットしたのに伸びちゃうし本当に嫌だった。
でもだんだんとその嫌が薄らいでいって、今では雨の日は落ち着くので好きです。普通の雨なら傘をさして歩くのも苦になりません。不思議です。
これもいわゆる歳のせいでしょうか?
もう満員電車には乗らないし、髪を気にすることもないし、さらにいつもどうでもいい服装で濡れても平気・・。歳のせいというよりオバサン化しているということかしら。
雨の日の思い出。
私は小学3年生の時に都内某所から今の所へ越してきました。左右に田んぼが広がる通学路は舗装されていなかったし、木造の橋がかかる小さな川があって白鷺が飛んでくるような所、環境の違いに戸惑いました。でも広々とした緑いっぱいの風景がキレイだなと思ったことを覚えています。
今では田んぼはなくなり全て住宅地となりました。50年以上経ちましたから昔の面影はもう残ってはいません。
ただ川はまだ健在です。この川、昔はよく氾濫しました。川といっても用水路を少し大きくしたくらいの小さな川なのですが、雨が降ると必ず溢れていました。今では整備されて川は深くなりもう溢れる事もなくなりました。橋ももちろんコンクリートになりました。
引っ越してきてすぐの頃、夜に雨が降って翌日の通学時間にこの川が溢れたことがありました。越してきたばかりでそうなることは予想できなかった。
ぬかるんだ道を歩くため長靴を履いて家を出ましたが、すでに溢れた水が橋のあたりで溜まっていました。ここが少し窪んでいる土地だったので、溜まって大きな水溜りになってしまうのです。そのまま進むことが出来ない。
子供だし普通なら途方に暮れるところ・・でも、そこに担任の先生がいたんです。
担任の男の先生は体育系、若くて元気という印象の先生でした。その先生がズボンの裾をめくって水の中に入り生徒を抱っこして渡してくれていました。もちろんその場にやってくる小学生全てを順番に。
こんな事してくれる先生に子供ながらにもびっくりしました。
道路が整備され、川も整備されて溢れることがなくなるまで大雨が降るとそこに先生がいました。なかなか出来ることじゃないですよね。
万事がそんな先生だったから生徒達も懐いていたし大人気で、大人になっても先生を慕って集まる事もありました。生徒たちのために色々と考えてくれて、本当に素晴らしい先生でした。
その先生も数年前に他界されました。お葬式にはもうほんとうにたくさんの教え子達がお別れに来て盛大でした。
天国でも子どもたちを教えている姿、一緒に校庭で遊んでいる姿が目に浮かびます。
私が思い出す唯一の先生・・雨が降ったので、あの日の先生のことを思い出しました。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
良いことがありますように。
では、また。