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中国ドラマ「如懿伝( にょいでん)〜紫禁城に散る宿命の王妃〜」感想〜生き残りをかけた壮絶な女達の戦い

「如懿伝 〜紫禁城に散る宿命の王妃〜」 原題:如懿伝 2018年 腾讯视频(Tencent Video)

★★★★☆  

如懿伝(にょいでん)見終わりました。

一言で言うと壮絶。見ているこちらも疲れました。すごく面白くて毎日楽しみでしたが、後宮の権力争いが熾烈過ぎて見るのが嫌になる時もありました。裏を返せば、それだけ入り込めたドラマだったという事でしょう。

悪女の中にあって如懿の変わらぬ愛、忠誠心、誠実な心には本当に慰められました。

衣装や飾りなどとても美しく優雅で、清朝時代の妃たち装いは興味深かったです。

色々見落としているだろうからもう一度じっくり見たいと思いますが、精神的にすぐには無理です。

清朝乾隆帝」時代の宮中の物語で「瓔珞(エイラク)」というドラマと舞台は同じです。

画像:k.sina.com.cn

如懿(うらなら・にょい)=周迅(ジョウ・シュン
乾隆帝(けんりゅうてい)=霍建華(ウォレス・フォ)
海蘭(はいらん)=張鈞甯(チャン・チュンニン)
皇后・富察琅嬅(ふちゃ・ろうか)=董潔(ドン・ジエ)

皇帝の幼馴染みとして育ち側室となった如懿。

変わらぬ愛を貫き通すも、後宮の妃たちの嫉妬と陰謀に巻き込まれ過酷な運命を生きることに。それでも自分を見失わず、思慮深く暖かい心を忘れず、ついには皇后になる。

しかし、強い愛で結ばれていた乾隆帝との絆にもいつしか溝が出来て・・。

如懿伝〜紫禁城に散る宿命の王妃〜 ドラマ公式サイト

以下少しネタバレあります。

「如懿伝」と「瓔珞」の2作には同じ歴史上の人物が多く登場します。でもその人となりは真逆といってもいいほど違いました。「瓔珞」を先に見ていた私はかなり戸惑いましたが、そこがまた面白いところでもあります。反対側に立ってみると見方も変わるという事でしょうか?

今思い返すと「瓔珞」はきれいなラブストーリーでした。叶わなかった初恋や三角関係・・もちろん後宮での権力争いも描かれていましたが、瓔珞のシンデレラストーリーとも言えます。

「如懿伝」はまさに後宮の女の闘い、いくら何でもこんなに熾烈な争いを毎日のようにしていただろうか?誰かを蹴落とすためにこんな酷いことを考えただろうか?ドラマだからと言ってしまえばそれまでですが、日常茶飯事に行われる悪事にはさすがにうんざりするほどです。

誰もが望んで後宮に入ったわけではない、でも入ったからには一族のために自分が力を持たなければならない、そのためには寵愛を得て皇子をと思うのは自然な考えでしょう。

力を得た後も、隙を見せては突かれる、気を抜けません。こんな中にいたら誰でも変になるでしょうね。一抜けた!って出来れば楽だと思った妃もいたはず。

乾隆帝の時代は康熙帝雍正帝に続く清朝の最盛期。盤石な土台はお祖父さん、お父さんが作ってくれたから、乾隆帝はやっぱりぼんぼん気質でダメなところがあったのかもしれません。後半は乾隆帝にかなり腹が立ちました。人の話を鵜呑みにして間違った方向へ向かう事が多々ありましたので。

それだからこそ、皇帝の鶴の一声が怖かったです。濡れ衣だろうがなんだろうが、皇帝の言う事は絶対。それが多くの悲劇を生むことになりました。

「如懿伝」では何人もの悪党が出てきます。見ていて怒りを覚えるくらいの悪い奴が大勢います。とにかくこういう悪党を何とかしなければ!

中でも私が本当に邪悪で許せないと思う登場人物は・・

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嘉妃・・悲しい過去もあり同情したいところですが、数々の陰謀で人を陥れました。お高く留まった物言いも腹が立ちます。

 

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令妃・・瓔珞と同一人物です。「如懿伝」ではあまりにも悪女に描かれたことで抗議があり名前を魏ではなく衛に変えたそうです。ドラマ後半ではこの令妃に翻弄される乾隆帝がもう見てられないです。

 

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進忠・・令妃を唆す太監(宦官)。気持ち悪いほど嫌な奴だったので、俳優さんの演技力に感服。この人がいなければもう少し令妃もおとなしかったかも。令妃に気があったのかな?最後があっけなくて私はなんだか不完全燃焼気味。


逆にほっとさせてくれる登場人物は

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凌雲徹・・令妃の女官時代の恋人ですが彼女の野望の果てに捨てられ、その後は密かに如懿を慕い守り続ける待衛。乾隆帝の嫉妬と誤解から宦官にさせられてしまいます。経超(ジン・チャオ)さん演じるこの人が「如懿伝」では私のイチオシ。

 

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李玉・・乾隆帝お付きの太監。如懿にも誠実に仕えました。この人がどうして進忠と令妃の繋がりに気付かなかったのか不思議。

 

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江与彬・・確かな実力と誠実な人柄で如懿からの信頼も厚い侍医。如懿の侍女の惢心と結婚します。不幸な女たちの中で惢心だけは思い合う伴侶を得て幸せになりました。辛いことの多いドラマですので、この2人はオアシス。


こんな後宮に入ってしまったら、一日だって穏やかに眠りにつくことなんてできそうにありません。華やかな世界のようにも見えますが、それぞれ気の毒な女性たちでもありました。亡くなってから後、このように悪女に描かれ伝えられるのも切ない気がします。本当はどうだったのでしょう?  

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。

では、また。