「コクドゥの季節」 꼭두의 계절 2023年 MBC
★★★☆☆
複雑な内容のようですがそうでもなく、スピード感もありすんなりと入りこめました。出だし古装から始まりますが、現代物の軽いファンタジーラブコメです。
物語の設定は面白く、テンポ良く進むので楽しく見始めました。
コクドゥを演じたキム・ジョンヒョンの演技はコクドゥ（死神）の個性や魅力を際立たせていてとても良かったし、役者としての幅広さも感じさせて素晴らしかったと思います。
その他ベテラン俳優さんの味のある演技は物語に厚みを感じさせ、主人公たちよりむしろ記憶に残ったほどです。
マシンガントークのような台詞にも新鮮味を感じて楽しく見ていたのですが、それが段々と鬱陶しく感じてしまいました。
また物語が進むにつれて盛り込まれていることが増えていき、そのせいで気持ちが散漫になってしまいました。中盤辺りは集中できずリタイアしそうになったことも。
大筋ではラブロマンスなんだろうと思いますが、ドキドキや胸キュンもあまりなく、主人公たちに感情移入もできずに終わってしまいました。
事件を追うという意味でも中途半端だったような気がします。特に焦点がはっきりとしなかったので、長く感じてしまいました。
コクドゥ／ト・ジヌ（キム・ジョンヒョン）＝死神／医師
ハン・ケジョル（イム・スヒャン）＝医師
ハン・チョル（アン・ウヨン）＝ケジョルの弟、刑事
テ・ジョンウォン（キム・ダソム）＝ト・ジヌの元恋人
朝鮮時代、ソリは側女として売られることになり、恋人のオ・ヒョンは二人で逃げることを計画する。しかし思いは叶わず、ヒョンは追っ手により命を落とす。
ヒョンはあの世でソリの名前も顔も、待つ理由さえも忘れてしまうほど長く彼女を待ち続けていた。成仏するという運命に逆らったことへ罰として、彼は神により人間に天罰を与える死神・コクドゥにされてしまう。
この永遠の呪いから解き放たれるにはソリの愛が必要で・・。
時は現代、救急科で働く医師のハン・ケジョルは患者の遺族から理不尽な理由で訴えられ病院を追われた。
意気消沈し病院を後にするケジョルは階段で足を滑らせるが、その時救ってくれた青年に一目惚れ。その時拾った指輪を返そうと彼を捜し始める。
三流大学出身のせいでなかなか新しい職場が決まらないケジョル。しかし、ある大病院の面接であの時の青年と再会した。彼は医師のト・ジヌ、そしてケジョルはなぜか彼のコネで採用が決まり舞い上がる。
実はト・ジヌはある医療事件について密かに調べていて、ケジョルが知っている重要な事実を聞きだしたかったのだ。
しかし事件の真相を知ったジヌが次の行動をとろうとしていた矢先、屋上から落ちてしまう。ケジョルの目の前で死んでしまったジヌ・・ところが彼は急に立ち上がると訳の分からないことを言って消えてしまった。
ジヌの消息をたどってケジョルはついに彼を見つける。しかしすっかり記憶をなくしているようで自分をコクドゥと名乗る。
一方、ケジョルに会ったコクドゥは彼女の不思議な力に運命を感じ「ついに呪いを解いてくれる女が現れた」と大喜びして・・。
以下ネタバレあります。
題名の季節とは・・韓国語で「季節」はケジョルと言うのですね、ヒロインの名前と同じです。わかったようなわからないような。
それはともかく・・。
ファンタジーラブロマンスとト・ジヌという医師の死の真相を追う2面の展開なのですが、どちらも中途半端で「二兎を追うものは一兎をも得ず」みたいな感じでした。
コクドゥはソリの生まれ変わりのケジョルに愛を告げられれば呪いがとけるわけで、これはすぐに解決すると思いきや、ダラダラと非常に長い。
更にケジョルがコクドゥが人間ではないと認識していなかったというのが不思議。このケジョルの人物設定が何だか適当で・・ケジョルはほとんど医師として仕事をしていなかったり、最後は遺産で急にセレブになっていたり。
簡単に言うとこのケジョルが気に入らなかったかな。これは私がイム・スヒャン苦手と言うのも影響しているかも。
そして、ト・ジヌはどういう事になっているのかな？行方不明扱い？
とにかく見ていてなんだか辻褄合わなかったり、わけわかんないことが多すぎました。
主人公の2人よりもケジョルの弟の恋の方が数倍気になりました。こういう普通の恋愛の方が面白かったです。
あるいはコクドゥに従っているオクシンとカクシンの恋や食堂のおじちゃん、おばちゃん夫婦のやり取りの方が印象に残っています。
最後はケジョル弟は恋を成就させることが出来て良かったけれど、重要なコクドゥとケジョルはこれでハッピーエンドなんでしょうか？
最後まで見たので面白くなかったというわけでもないのですが、あまり心には残りませんでした。
せっかく2年ぶりのキム・ジョンヒョンの作品だったので、主役でなくてもいいからもう少し内容のある骨太の作品だと良かったのに・・と思いました。それが一番残念です。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
