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韓国ドラマ「秘密の家〜愛と復讐の迷宮〜」感想〜あっさりめの愛憎復讐劇

韓国ドラマ「秘密の家~愛と復讐の迷宮~」 비밀의 집 2022年 MBC

★★★☆☆

愛憎復讐劇ですがあまり強烈な感じはなく、さらりと見ることが出来ました。主人公が悲惨な生活を強いられた悲劇的人物というわけではないのでストーリーも重くなりすぎず、あっさり感があるのだと思います。

目新しい内容ではないですが、後半では真実が次々に明らかになり驚かされました。登場人物もそれ程多くなく、全体的にわかりやすいストーリーでした。

始めから悪者ははっきりとしているので主人公が彼らをどう追い詰めていくのかが見どころです。ロマンス色は薄く、もう少しあっても良かったと感じました。

かなり展開スピードがゆっくりで、特に前半はなかなか先に進まずじれったくもありだるさも感じました。それでも後半に入ると悪者を追い詰める速度も増し、次々に秘密が明らかになり続きが気になりました。

ただ淡々と真実に近づく様子を描いているようで、感情移入はあまり出来ませんでした。最後はどう決着がつくのかということに興味があり最後まで見ました。


画像:MBC

ウ・ジファン(ソ・ハジュン)=弁護士
パク・ジュホン(イ・ヨンウン)=救急医レジデント
ナム・テヒョン(ジョンホン)=検事、御曹司
ナム・テヒ(イ・スンヨン)=テヒョンの妹
ハム・スクジン(イ・スンヨン)=テヒョンとテヒの母、財閥ナム家の嫁
ウ・ミニョン(ユン・アジョン)=ジファンの姉、テヒョンの元恋人

検事を目指すナム・テヒョンは自分より優秀なジファンを敵対視している。ある日飲酒運転でジファンの母を轢いてしまった。テヒョンが泥酔していて記憶がないことをいいことに、テヒョンの母スクジンは事故を隠蔽する。

母と姉との3人暮らしのウ・ジファンも司法試験を目指し頑張ってた。しかし突然母が行方不明となり、実はアルツハイマーを患っていたという事も知りさらに心配になる。また、警察で母が最後に通話した相手がテヒョンの祖父だと聞き驚く。

ジファンの姉ミニョンは密かに女児を出産し父親の名を明かさないまま子供を置いて姿を消してしまう。ジファンはその子を自分の子として育てる決心をし連れ帰るが、そのことで恋人のジュホンに誤解されてしまう。

9年後、テヒョンは検事に、ジュホンは救急医レジデントとして忙しい毎日を送っていた。ジファンは弁護士のかたわら母が働いていたソルロンタン店も切り盛りし、娘のソルを育てながら依然と行方不明の母の消息を追っていたが・・。 

韓国ドラマ「秘密の家~愛と復讐の迷宮~」 | BS朝日

以下ネタバレあります。

このドラマでは出生の秘密がたくさん隠されています。この出生の秘密がドラマの要でもあります。

人間関係を見るとまさに愛憎劇の王道、ぐちゃぐちゃです。ただ複雑な割にはその関係性に矛盾を感じることがありませんでした。

悪者がはっきりしていますし、その悪事の意図もわかりやすいです。

悪女のスクジンがどこまでも悪女なのが見どころです。嘘や悪事が露呈してもスルリと逃げてまさかの展開。知れば知るほど厚かましく酷い女です。思考回路がもう狂ってしまっているので、後半では彼女のリアクションに思わず笑ってしまうほどでした。

どんな状況でも平然と嘘をつき逃れようとするスクジンはいつまでもへこたれず、キャラとしては強烈。見ようによってはあっぱれです。

スクジンの息子のテヒョンも娘のテヒも傲慢で卑怯で悪賢く許せません。それでも多少の弱さというか良心があって、嫌な奴でしたが憎めませんでした。この母親のもとに生まれてしまったことが不幸でした。

ただテヒは実の父親のおかげで自分を取り戻すことが出来て良かった。テヒョンも軌道修正するチャンスはあったのに、母親の欲のせいであんな最後で・・。

 

主人公のジファンはナム家に入り真実を探ると同時に復讐のチャンスを窺います。正義感にあふれるジファンの思いが成就するよう応援しましたが、このために結局テヒを利用するのはどうかなと思いました。このことだけが汚点のように感じて最後まで気になりました。

ジュホンとの関係では、別れたにせよお互い心のなかでは強く結びついていたようです。ただ、ジファンには恋愛よりも優先すべきことがあったということでしょう。もう少しジュホンを信じてきちんと説明して欲しかった。

その後ジュホンまでもがナム家に入りますが、この経緯については無鉄砲過ぎると思いながらもこれも流れとしてあまり矛盾を感じることはありませんでした。

ジュホンを挟んでジファンとテヒョンとの三角関係がもう少し密に描かれていたら、感情移入につながったかなと思います。あまりロマンス色がないだけに、ヒロインのジュホンの印象が薄くてもったいない気がしました。結構色々と活躍はしているんですけど。

最後も割とあっさりと終わり、キレイ過ぎたかなと思います。スクジンは息子の死で号泣しているけれど、様々な罪に対して謝ることはしない。テヒョンの死が一番の罰になるかと思いましたが、反省もないみたいだし・・。

あれだけの悪事を重ねてそれをことごとく他人になすりつけて来た悪女ですから、もっとズタボロになって終わって欲しかったです。なんとなくモヤッと感が残ってしまいました。

 

秘密や嘘がたくさん隠されているストーリーで、徐々に明らかになる面白さがありました。驚きの展開でもその一つ一つには違和感を感じること無く、そういう点では丁寧に考えられた内容でした。

ただ全体的にあっさりと描かれているので、その分物足りなさも感じました。でもこのくらいの方が終始落ち着いて見られます。

最後はめでたしのようで良かったです。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。

では、また。