ふくみみdiary

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中国ドラマ「惜花芷(せきかし)」感想〜怯まず困難に立ち向かうヒロインを全力応援

「惜花芷~星が照らす道~」 惜花芷 2024年 优酷

★★★★☆

女性の自立や向上心がテーマでもあり女性中心に展開される物語です。テンポ良く進み、登場人物も魅力的で楽しく飽きずにみられました。

ヒロインが何度も困難に見舞われながらも、問題を真正面でとらえて乗り越えていく様子は疾走感を伴い痛快です。彼女の勇気、判断力、実行力、そして誠実な真心で周りを導く姿は凛々しくもあり清々しく、見ている私も勇気をもらえるドラマでした。

家族、人間を描くドラマでもあります。人物像が丁寧に描かれているので、それぞれの人物の性格や立ち位置なども良く理解出来て、感情移入も容易でした。

また次から次へと起こる問題には緊迫感もあってハラハラしましたし、一つ一つのエピソードは意外性もあって面白かった。

そしてロマンス・・主人公のロマンスはとってもゆっくり静かに育まれるので多少のじれったさは感じましたが、デレデレ感がなかったのが良かった。二人の雰囲気がとっても良く、お似合いのカップルでした。

女性中心に描かれたドラマなのでキャストも女性が目立ちます。女性陣は若手ベテラン含めて誰もが確かな演技でドラマを豊かなものにしてくれました。男性陣の中にはベテラン俳優は、ほんの少しの登場シーンでも重厚感を感じ贅沢なキャスティングだったなと思います。

ただ、ヒロインが家族のために奮闘し生きる道を切り開いていくという前半の展開はとてもワクワクして面白かったのですが、終盤になって宮廷に舞台が移ると少し興ざめでした。最後までスピード感のある小気味よさや勢いが続かなかったのが少し残念です。

画像:百度百科

花芷(か・し)=張婧儀(チャン・ジンイー)
顧晏惜(こ・あんせき)=胡一天(フー・イーティエン)
沈淇役(しん・き)=呉希沢(ウー・シーザー)
顧芍薬(こ・しゃくやく)=盧昱暁(ルー・ユーシアオ)
沈煥(しん・かん)=辺程(ビエン・チョン)

名門・花家の嫡女の芷(し)は、幼い頃から祖父である花家当主・花屹正の巡察に同行し各地を巡り見聞を広めた。

賢く美しく成長した花芷の不満は令嬢として家に縛り付けられ自由に羽ばたけない事。明日はまだ顔も知らない婚約者・沈淇(しん・き)が結納を持ってやって来る。親の意向には従うが、嫁いだ後も好きなことをすると決めていた。

母親たちの観劇中にこっそりと家を抜け出し街へ出た花芷。街では七宿司(皇帝直属の諜報機関)の横暴な振る舞いを目撃する。彼らは武器密造の犯人を追っていた。

花芷もあらぬ疑いを賭けられ七宿司に迫られるが、そこで庇ってくれたのは偶然居合わせた沈淇だった。

抗議虚しく捕らえられた沈淇の前に、北の軍営から帰ってきたという一人の若者が現れた。七宿司はこの若者へも疑いの目を向ける。

花芷は見知らぬ人まで巻き込んでは大変と慌てて馬車を降り、彼の無実を証明し、事を収めることが出来た。花芷は北からやって来たこの若者に興味を持つ。

そのころ朝廷では花屹正の諫言に激怒した皇帝が、花屹正だけでなく花家の者全員を罷免、家財没収のうえ流刑に処すという命を下す。花家は一夜にして没落してしまった。

男たちは辺境に流され、家もなくなり荒れ果てた別荘に移り住んだ花家の女達。明日食べるものにも困る日々が続く。そんな中、沈淇は一目で好きになった花芷を心配し手を差し伸べ助けようとするが力及ばず・・。

このままでは駄目だと花芷はついに立ち上がる。

一方、街で出会った北からの若者は実は凌王の世子・顧晏惜(こ・あんせき)。七宿司のトップでもあり、母親の死の真相を探っていて・・。

「惜花芷~星が照らす道~」公式サイト|SPOエンタメ倶楽部

以下ネタバレあります。

ロマンスというよりも、家族、人間を描いたドラマという印象でした。

物語は花家のどん底状態から始まります。男たちは刑罰のため北の辺境へ追いやられ、女子供だけになり家も没収されてしまいました。

花家は大家族で、残された嫁や子供も大人数。一つ屋根の下に住んでいる嫁たちの間には自然と力関係が生まれていて、それぞれに妬みや敵対心があります。序盤はそんなギクシャクした人間関係が描かれていて、彼女たちのぶつかりあいは滑稽でもあり、つい引き込まれてしまいました。

そんな彼女達ですが突然の災難をなんとかしようと、いつしか皆で知恵を出し合い、力を合わせて頑張る姿は感動的でした。いつまでもグズグズ文句を言うだけの人はいなかったのも気持ちよかったです。

困難は次から次へと続き、その一つ一つのエピソードに緊張感も緊迫感もあって飽きずに面白く見られました。

 

①ヒロインの花芷は完璧でした。この時代の女性としては逸脱したしていたかもしれないですが、それだからこそ最後に花家を再興することが出来ました。強い女性に見えるけれど、恋人の前では甘えるところもあって可愛い面もありました。

こんなに上手くはいかないよねと思う場面もありながら、何事にも怯まず信じた道を進む姿は気持ちいい。ひたむきに頑張る花芷だからこそ、皆に認められ頼りにされ、協力も得られました。この姿勢は見習いたいと思いました。

祖父から「大事なのは判断力」と教えられていたようで、それが彼女の最大の武器となりました。

②たくさんの嫁たちの中で一番印象に残ったのはミョーリー・ウーが演じた三男の妻・夏金娥(か・きんが)です。商人の娘で周りの人達からバカにされないよう、いつも強がっています。

それまで花家の差配も任されていたようだし、口うるさいし、花芷を快く思わない面倒な人だと最初は思いました。

も結局は花芷の頑張りを一番支えていたのはこの人かなと思います。夏金娥の心の変化が前半の要でした。強気の割には情に流されてしまうところもあって憎めない人でした。

③そして意外に印象に残ったのが、花家三男側室の娘・花琴。彼女は自分の身の上を考え茶商・孫に嫁ぐことを決めます。孫には側室8人、子供までいるという事実を知っても、家族の反対があっても、自分の覚悟を貫いて潔かった。

でもこれも花芷の生き方を傍でみてきたからだと思います。庶子であることを恨むのでもなく、幸せを諦めたのでもなく、きちんと自分の将来を考えた末の決断。出来そうで出来ないことです。孫家に入れば正妻としての威厳を示し側室たちを束ねていく、なかなかやるじゃんと見直しました。

そして花家が「万事休す」というときにサクッと助けるかっこよさ。👏

④ロマンスの中心にいる顧晏惜(こ・あんせき)は紳士的なところがステキでした。

この人の覚悟も相当なもので、皇位を狙うつもりなどないことを示すため、自ら自分の顔に傷をつけ皇帝の補佐役に徹する意志を示しました。

皇帝直属の諜報機関・七宿司のトップで冷静沈着で非情に見えながらも、普通の青年として花芷への恋心もあります。かなり複雑な心持ちだと察しましたが、それが十分に表現されていなかったようで少し物足りなさも感じました。

ただ、花芷をいつも見守っている姿は切なくもあり、会えば必ずと言っていいほど優しく抱きしめる姿はとっても胸キュンでした。

前述した通り、ロマンスと言ってもこの二人のデレデレ場面はなく、だからこそ彼が花芷を優しく包み込むように抱きしめるシーンは安心出来たし、心がほんわか温かくなりました。

演じたフー・イーティエンがすごく背が高いので、花芷がすっぽりその胸に収まって・・ロマンチック。

⑤ロマンチックと言えば、花家四男とその妻との若かりし頃のロマンスはキュンとしました。深く愛し合って結ばれたことがわかったし、ステキな恋物語でした。

サブカップルとしては沈家次男・沈煥と顧晏惜の妹・芍薬の恋は可愛かった。チャラチャラしているだけの沈煥が段々と男らしい大人に成長する姿を見ると愛の力はスゴイなぁと思いました。二人は意思疎通が上手くいかない場面も多く、切なくもあった。

最後は沈煥も意外な才能を開花させたようで、そんなところも面白かったです。

 

とにかく登場人物は皆それぞれ魅力的で、物語の中で光ってました。

前半は花家復興、流刑にされた男たちを取り戻すための女たちの奮闘を描いていて、家族の絆や意外な展開にワクワクし痛快で面白かった。

それに引き換え、終盤の宮廷内陰謀の展開は取ってつけたようだったし深みもなく今ひとつ。でもあの狭量で疑り深い、意地の悪い皇帝はなんとかしたかったから・・。

皇帝交代が必要だったし、流れとしてはこれでいいのかも。花家の男たちもこれで戻ることが出来たし、めでたしめでたし。

最後はすべてハッピーエンドで、後味もスッキリです。

オープニングの歌がなんとも元気の出る歌だったので、ドラマが終わってしまってちょっぴり寂しいです。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。