ふくみみdiary

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中国ドラマ「風の吹く場所へ~love yourself~」感想〜疲れた心に染みわたる優しさいっぱいのドラマ

「風の吹く場所へ~love yourself~」 去有风的地方 2023年 湖南衛視、芒果TV、咪咕視頻

★★★★★

いろいろな意味で心穏やかに安心して見られる良質な作品でした。

自然に囲まれた雲南の村に住む人々の日常を描いた物語です。登場人物一人ひとりがとても丁寧に描かれているので、考えや思いも理解できて感情移入も出来ました。

展開にスピード感や大きな抑揚はないですが、ゆっくりと流れる時間の中で人と人との関わり合いが温かく優しく描かれていて、終始心地よく見られました。

ロマンスも見どころですが、自分を取り戻す再起の物語でもあります。目まぐるしい都会の生活や過去の出来事などで傷ついた心がこの村で癒やされ、新たなエネルギーが湧いてくる、また立ち上がる人間の強さやたくましさも感じました。

ロマンスについてはいくつかのカップルが登場します。胸キュンシーンなどはほとんどなく、運命的展開などもありません。でもだからこそ、自然な恋愛模様で現実味がありましたし共感できました。子供の恋愛ではないところも良かったです。

そして現代人が抱える仕事のプレッシャーやストレス、SNSの弊害、将来への不安や家族のあり方などいろいろな問題が含まれています。

でも暗くドロドロしたものではなく、淡々と描かれていて不快になることはありませんでした。ひとつひとつのエピソードが面白く、飽きることもなかったです。

登場人物それぞれが自分が抱える問題を冷静に見つめ直し、自分に問い、そしてまた前を向き進んでいく・・地に足のついた、そして希望を感じる物語でした。

キャストも魅力的で素晴らしかった。若手もベテランも子役でさえも演技の確かな俳優さんばかりで、人物の個性や関係性が丁寧にしっかりと表現されていたので、登場人物一人ひとりが印象に残りました。猫や犬、馬も大活躍。

主人公を演じた劉亦菲(リウ・イーフェイ)と李現(リー・シェン)は存在感バツグンでしたし、魅力的でした。特に劉亦菲の自然体の美しさには圧倒されました。

雲南の美しい風景だけでなく、伝統文化や民族衣装を興味深く見ましたし、家の様子、通りなども風情があってステキでした。

中国ではこのドラマ終了後、雲南観光ブームが起こったそうですが、納得です。

画像:百度百科

許紅豆(シュー・ホンドウ)=劉亦菲(リウ・イーフェイ
謝之遥(シエ・ジーヤオ)=李現(リー・シェン)
娜娜(ナナ)=胡冰卿(フー・ビンチン)
胡有魚(フー・ヨウユー)=牛駿峰(ニュウ・ジュンホン)
大麦(ダーマイ)=馬梦唯(マー・モンウェイ)
謝阿奶(シエおばあちゃん)=呉彦姝(ウー・イエンシュー)

許紅豆(シュー・ホンドウ)は北京の高級ホテルのマネージャーとして懸命に働き、更にキャリアアップを目指していた。しかし、忙しい毎日の繰り返しで心身共に疲れていた。

そんな時、親友が病気であっけなく死んでしまう。紅豆は悲しみで仕事も身に入らず生活も荒れてきて・・ついに仕事中に倒れてしまった。

そして親友の遺言とも言える録音メーッセージを聞き心機一転、仕事を辞め彼女と行こうと約束していた雲南へ旅立つ。

紅豆は雲南では「風の宿」というコンドミニアムに長期滞在する予定、宿を探していると走ってきた少年とぶつかりスマホが壊れ使えなくなってしまった。このことがきっかけで紅豆は少年の兄・謝之遥(シエ・ジーヤオ)と知り合う。

村の老人達や宿の個性的な住人達と交わり、ゆっくりとした時間を楽しんでいた紅豆だったが、謝之遥が村人の生活や村の発展のために起業し、伝統工芸や観光事業を盛り上げようと一人奮闘している事を知った。

その謝之遥は村人を雇用する中で様々な問題を抱えていた。ある時カフェを手伝っていた紅豆を見た謝之遥はテキパキと仕事をこなす様子やその専門性に感心し、彼女に助けてもらおうと考えて・・。

中国ドラマ「風の吹く場所へ~love yourself~」BS12 

以下ネタバレあります。

前述のようにロマンス&ヒーリングのドラマですが、村が抱える問題と「村おこし」もテーマのひとつでした。

作中の雲南の村には十分な仕事がなく、両親が都会へ出稼ぎに出て村に残されてしまう子供もいました。これも実際にあることなんだろうと思うと身につまされました。

親からすれば子供のためなのかもしれないですが、それでもバラバラに暮らすのなら何のための家族なんだろうと考えてしまいます。

村に仕事があれば家族が一緒にいられて、貧しさも解消できるはず。これらの問題をなんとかしたいと考えているのが謝之遥(シエ・ジーヤオ)です。

画像:百度百科

彼は北京で働き順風満帆だったのに一念発起し村に戻り、村のため村人のために起業して「村おこし」に奔走します。

仲間はいるものの、彼だけでは上手くいかない事も出てきて、もう一人ブレインが欲しい・・そんな彼が白羽の矢をたてたのが許紅豆(シュー・ホンドウ)でした。

彼女には一流ホテルで培ったノウハウがあり、人を教育する力もまとめる能力もありました。そして何よりも皆に好かれている。仕事には手を抜かず厳しい反面、柔軟な考え方もできる、慎重でもある・・素晴らしい人材。

二人は出会ってから、共に村のために活動するうちに関係性が深まり、次第に恋に発展し・・。確かに胸キュンほどのことはないのですが、二人のなんでもない雑談の中にも特別な空気感を感じますし、気持ちがなんとなく絡み合う様子がとても良かった。こういう雰囲気が演技で出きるのだから凄いなぁと・・。

私は村おこしというと上手く行けば村が活性化して経済的にも潤うなど良いことづくめだと思ったのですが、そうでもないのですね。

作中でも村の紹介動画のおかげで注目は集まったものの、訪れる人が多くなりすぎて(オーバーツーリズム)手が回らない現状に直面したり観光客のマナー違反で困惑したり。良いことばかりではないのだなと改めて思いました。雪の白川郷みたい。

更に人の成功を妬む人も出てきて・・。

それでも諦めることなくみんなで力を合わせて解決策を見つけていく姿には感心しました。村への愛情を感じました。

画像:百度百科

謝之遥は忍耐強く懐が深く思いやりもあって、若いのに本当に優秀だなと見ていました。こんなに良い人なのに許紅豆がなかなか彼に落ちないんですよね。まぁ、気持ちはあってもなかなかね・・。

焦らしているようにもみえてしまうのですが、彼女はまだ心の傷を直している最中で余裕がなかったのかなと思いました。

しっかりと二人が結びついてからは、デレデレ加減も半端なくこれはこれで恐れ入りました。(笑)途中で村を視察に来た青年を曾舜晞(ツォン・シュンシー)が演じていて、本格的な三角関係になるのか!?と思いましたが、早とちりでした。😅

ロマンスの中では、木彫り職人の夏夏の恋がすごく気になってました。最後までナナには男としては受け入れてもらえなかったから、彼の気持ちを思うとウルッときちゃいました。

だって、あんなに純粋に思い続けているんですもの、叶えてあげたい。 修行をして戻ってきたときはずっと大人になっているはずだし、チャンスがあるのではと思ってます。彼の頑張りに期待したいです。

そして作中にはネット詐欺やインフルエンサー、ネット作家が登場し、まさに今の世の中を感じました。

そんなに大きな事件が起こるわけではないですが、それでも親子の関係、離婚、老後の不安などいろいろな問題が描かれていて、挫折や悩みや葛藤も共感でき考えさせられる事も多かったです。

でも皆最後は前を向き自分の人生を堂々と歩いていく・・生きることは怖くない、一人じゃない、希望がみえるドラマでした。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。