ふくみみdiary

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中国ドラマ「度華年(どかねん)」感想〜それぞれの思惑が絡むやり直し人生の行方は

「度華年(どかねん)The Princess Royal」 度华年 2024年 优酷

★★★★☆

張凌赫(ジャン・リンホー)目当てで見ました。

サビから始まるような出だしですし、大人な雰囲気のジャン・リンホーにドキドキしてしまって、あっという間に引き込まれました。

少しひねりの効いた人生やり直しの物語、良く考えられた内容で面白かったです。でもしっかり見ていないと置いていかれそうなくらいスピーディで複雑でした。

登場人物はそれほど多くないものの、それぞれの思惑が絡んで敵なのか味方なのか不透明だったり、望む未来のかたちが見えず難しい内容だと感じた事も多かったです。

ただこの複雑さがあるからこそミステリーのような面白さがあり、最後を見届けたいという思いが強くなりました。

オープニングの曲が物悲しいのでこれも一つの仕掛けのように感じていました。ただの楽しいロマンスではない、なにか切なく苦しく悲しい面が含まれているんだろうなと思わせます。

前半はロマンス色が濃いのですが、甘ったるい感じはなく、前世での関係を踏まえて手探りで進むようなロマンス。

後半は政争中心で、前世のような不幸な結果を引き起こさないために敵と頭脳戦を戦わせる様子が描かれていきます。駆け引きが盛りだくさんで気が抜けません。

ハラハラドキドキの内容でも、最後はハッピーエンドで良かったです。

キャストはジャン・リンホーだけでなく美男が多かったですし、女性陣も皆感じの良い美女揃いでした。ほとんどが始めて見る俳優さんたちでしたが、皆魅力的で印象に残りました。

若手中心でしたが軽く感じることはなく、それぞれの熱演が光って人物の個性もしっかりと表現され見応えがありありました。

調度品や衣装も美しく、小道具もセンスがあって、隅々まで気配りを感じる質の高い作品でした。

最初から最後まで緊張感の中を走る抜ける感じ、一度見ただけでは取りこぼしがたくさんあるだろうと思います。再度見てしっかりと噛み砕いてみたいです。

画像:百度百科 优酷

李蓉(リー・ロン)=趙今麦(チャオ・ジンマイ)
裴文宣(ペイ・ウェンシュエン)=張凌赫(ジャン・リンホー)
蘇容卿(スー・ロンチン)=陳鶴一(チェン・ホーイー)
李川(リー・チュワン)=劉旭威(リウ・シウウェイ)

大夏王朝の公主・李蓉と官吏の裴文宣は夫婦となったがお互いを誤解し、政争禍の中でお互いに憎しみ合いながら死を迎えた。

しかし何故か二人が目覚めると、そこは20年前で・・。

李蓉は成婚前で、父である陛下から婿選びを急かされる。前世の失敗は繰り返したくない李蓉は、陛下の選んだ候補4人を見極めるため春宴に招待することにした。李蓉は婿候補には入っていなかった名門蘇家の次男・蘇容卿も招く。

寒門極貧の裴文宣にも婿候補として春宴の招待状が無事に届いた。

春宴で裴文宣は蘇蓉卿を見かけ前世とは違う流れに不安を覚える。前世で蘇蓉卿が夫婦の間に割り込んできた事を思い出すと嫌悪感が・・。

宴が始まると李蓉の気持ちはすでに蘇蓉卿にあるようだ。一方の裴文宣は邪険に扱われ、見せ場もない。

しかし李蓉が蘇蓉卿を婿に選べば、陛下の意向に逆らうことになり、公主と言えども最悪の場合は処刑されてしまう可能性もある。

裴文宣は李蓉のためにも間違った婿選びをさせまいと策を弄する。そして自ら求婚し、李蓉への思いを告白。しかし、李蓉は前世の裴文宣を思い出すと怒りが込み上げ・・。

思いがすれ違う二人だったが、碁の対局中にふいに気づく、お互いに前世の記憶を残したまま人生のやり直しをしていることに。

度華年(どかねん)The Princess Royal | ドラマ | BS11(イレブン)|全番組が無料放送

以下ネタバレあります。(長いです)

やり直し人生の物語で、主人公二人が同じ時間に戻り人生をやり直します。不仲だった前世の記憶がそのままあるというのがポイントです。

ヒロインの李蓉(リー・ロン)はもう二度と同じ失敗はしたくないという思いから結婚に対する警戒心はとても大きい。

一方彼女の夫であった裴文宣(ペイ・ウェンシュエン)は前世での彼女との誤解をといて、もう一度愛を貫きたいと思っています。

出だしは李蓉の夫に選ばれようと裴文宣の頑張りが面白いですし、裴文宣を嫌う李蓉の子供っぽい嫌がらせに思わず笑ってしまいます。前世の記憶があるのですんなり行くわけないです。

李蓉は愛よりも権力を欲した人で愛を信じていなかったようです。前世では夫の裴文宣に裏切られ、人の心が信じられなくなっています。やり直し人生ではより良い未来のために前世とは違う選択をしようと考え、更に自分の死の真相を突きとめたいとも思っています。

裴文宣の李蓉に対する愛情は前世と変わりなく一途です。前世では策略によって引き裂かれた二人は敵同士になってしまいました。やり直し人生では二人の不仲を画策した首謀者を突き止め、誤解を解いて愛する李蓉を最後まで守り添い遂げると決心しています。

純粋な裴文宣の思いを受けて李蓉の頑な心も次第に溶け、彼女も彼を心から信じ愛するようになる、これがロマンスの芯です。

画像:百度百科 优酷

もう一人重要な人物がいます。蘇容卿(スー・ロンチン)です。前世でも裴文宣の恋のライバルだった賢く眉目秀麗な貴公子。

なんと彼も前世から戻った人間だったのです!主人公の二人もしばらくは気づきません。

蘇容卿が戻り組であることには、見ている私もビックリ、大きな仕掛けです。これで物語がグッと複雑になりました。更に彼は恋のライバルというだけではないのです。

李蓉と裴文宣は戻り組ということをお互いに認め、あることをきっかけに和解もし、少しずつ心が通うようになりますが、このあたりからロマンスよりも政争の様相が濃くなります。

蘇容卿は前世では暴君となった李川に蘇家が滅ぼされたという経験から、李川を皇帝にさせてはいけないと策をめぐらせます。

宮廷では、名門貴族(世家)と寒門出身間の不平等問題もあり、国のあり方という面からも貴族に対する改革が提案されていました。皇帝はもはや傀儡で貴族たちは大きな権力を持ち、利権も絡んでいるので改革には断固反対です。蘇容卿もこの改革を阻止したい派。

一方、李蓉は貴族の権力にメスを入れ公平な世の中を作りたい。そのために王権を守りたいし、弟を守りたい。そんな彼女のために力を尽くすのが裴文宣です。二人は前世を踏まえて動きますが、蘇容卿に裏をかかれて思うように運びません。

ここで頭脳戦が繰り広げられ、チリチリした緊張感の続く展開になります。その他の人たちにもそれぞれの思惑があり、複雑な展開で先が読めませんでした。

とにかく序盤から展開が早くてジェットコースタードラマのようなのです。

 

李蓉という人は前世に囚われて、物事を後ろ向きに考えがちです。自分の死の真相を知るとまた人を信じられなくなりました。何かあると疑心暗鬼になり思い詰めてしまうようで気になりました。一人で考えすぎは良くない・・守ってあげたいと思わせる人でした。

一方の裴文宣は思いやりがあり包容力もあって安心感もある。敵に立ち向かう姿は凛々しくかっこいいです。ちゃっかりしたところもありましたが、何より李蓉への愛の深さに感動します。キュートなところもあって、わかりやすい嫉妬もストレートな告白も女性としてはうれしいですよね。

画像:百度百科

一際目を引いたのは蘇容卿。複雑な心の持ち主で、行く末が気になりました。端正で柔らかい印象ですが、温かみは感じません。

いろいろな面で気の毒でしたが、独りよがりな人にみえました。蘇家の事も勝手に一人でなんとかしようと奔走したわけで、誰かに相談していればきっと違う結果だったと思います。

簡単に言えば、冷静に誠実に行動していれば何も問題なかったのでは?裴文宣も言っていたように、せっかくの新しい人生なんだから視野を広げて別の道もあったと思うのです。優秀な人だっただけに前世を引きずってしまい残念。

死を覚悟した最後は悲しく切なく涙を誘う場面なのでしょうが、私は泣けませんでした。彼は浅はかだと思ったし、何も報われずただただ哀れだと思いました。李蓉への思いを思い切り吐露して火に巻かれますが、これも私は彼の独りよがりで李蓉を本当に愛しているとは思えませんでした。

こんな場面を見せられて李蓉は心から幸せになれるものでしょうか?逆賊だから気にならないでしょうか?

むしろ李蓉にとって残酷だと思いました。李蓉が心底彼を恨んでいたとは思えないからです。手紙で告白するくらいにしていれば、私も共感出来たのですが。まぁでも自分が負けるとは思っていないから・・。

蘇容卿を演じた陳鶴一(チェン・ホーイー)の演技力、表現力が素晴らしかったです。始めは涼やかな貴公子だったのが、だんだんと嫌な顔=悪者顔になっていく・・微妙に変わっていく顔つきに感心してしまいました。

 

もう一人、皇太子・李川を演じていた劉旭威(リウ・シウウェイ)も注目した俳優です。堂々とした演技で凛々しい姿が印象に残りました。

 

李蓉と裴文宣のカップルだけでなく、サブカップルの行方もとても気になりました。皆ハッピーエンドで良かったです。

私は李川が皇位を李蓉に譲り、別の道を選んだことが一番嬉しかったです。若いながらも自分を知っていたんですね、立派です。秦真真への思いも成就して良かった。

 

登場人物が魅力的、スピーディな展開でずっと緊張感が続く飽きさせない内容で最後まで楽しく見ました。振り返るとガツンと胸に迫る物語でした。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。