ふくみみdiary

  日常のあれこれのほか、読書記録、ドラマ(韓国・中国)感想を残してます。

読書「阪急電車 有川浩」他

246.あえのがたり

10人の作家が参加した能登半島地震のチャリティ小説。

一つの物語は30分程度で読み終わる短編です。 隙間時間にもサクッと読めるのが良かったです。

馴染みのない作家さんもいましたが、それぞれの個性が出ていて、どの作品も面白かったです。

能登の農家に伝わる田の神様に感謝し五穀豊穣を祈る風習を「あえのこと」と言うそうです。あえ=おもてなし、こと=祭りを表しているそうですが、それをもじって?「あえのがたり」という題名に。

特に私が気に入ったのは・・

「溶姫の赤門(蝉谷めぐ実)」
時代小説です。語り口が優しくて引き込まれました。遠くに嫁ぐ溶姫の不安もよくわかったし、お相手の加賀藩藩主・斉泰の心遣いを知ったときの彼女の嬉しさもよくわかり、胸が熱くなりました。

「カレーパーティ(麻布競馬場)」
人情噺のようでもありちょっと笑えたりして面白かった。こういう逆転ホームラン的なことはなんだかスカッとします。

「夢見の太郎(今村翔吾)」
スケールの大きな話でした。こんなに短い作品の中でも壮大な景色が広がって夢も希望も湧き上がるような世界観は流石だなと思いました。

247.阪急電車 有川浩 

※現在のペンネーム表記は有川ひろ。

阪急電車各線の中の「今津線」を主人公にして、電車内や各駅でのエピソードを繋いだ長編小説。

舞台が大阪なので私は土地勘もなく今津線の名前も始めて聞いて、駅名を聞いても知っているのは宝塚駅だけでした。

今津線沿線の様子もイメージ出来なかったので、もし実際にこの電車を利用している人が読めば現実感も伴い違う感動があるのかなと思いました。

クスッと笑って、少しウルッときて、スカッとして、ほんわかして・・一つ一つの物語がとても面白かったです。言葉が心に染み込むし、ジワッと温かくなりました。大阪弁というのがやはりポイント高いですね。

恋人に裏切られて結婚式に乗り込む翔子の話や時江おばあちゃんの話が面白かった。

何も繋がりのなかった人たちが同じ電車を利用していることで心が通っていく様子は私んの周辺(今の時代?)では考えにくいのですが、この物語に登場する人達のように心の余裕というか、人を大切に思う気持ちは失くしたくないなと思います。

大阪では今でもこんな感じですか?

248.コンビニ人間 村田沙耶香

【子供の頃から普通ではなかった恵子は大学生になった時にコンビニでアルバイトを始め、それ以来就職もせず18年間コンビニでバイトをしている。

朝昼晩とコンビニ食で2リットルの水を飲み生活し現在36歳。素の自分を隠して人に合わせることで周りに溶け込んでいると思っていた。

そんな時同じように世間に馴染めなていない婚活目的の白羽と出会い、彼と「普通」をしてみようと考える。

しかし、恵子にとってはコンビニの店員として働くことこそが自分を正常な人間にしてくれているのだと悟り、自分を生きることにする】

あまり気分良く読める内容ではありませんでした。こういう内容とは思っていなかったので戸惑いました。

それでも文章表現が洗練されていて、サクサク読めます。読み終わって最初に思ったのは感想書くの難しいなぁということ。

主人公の恵子は確かに変わった人ですが、そもそも普通とは?という事ですね。一人ひとり普通はきっと違うのでしょう。恵子は少し極端な面がありましたが。

就職する、恋愛する、結婚する、子供を持つ・・人と同じレールを進む必要はないし、それについて他人から心配を装ってアレコレ言われる筋合いもないはずです。

そう頭で思ってはいても、世間の目は気になるものですね。

今の恵子は周りに迷惑をかけているわけでもないし、コンビニの中では気が利くしお客様への対応も申し分ないし、気持ち良いあいさつも出来るし、とても優秀な店員です。

自分が落ち着けて居心地が良いと感じられる場所で生きていけばいいんじゃないでしょうか?恵子も普通に見られる努力をして人に合わせるなんてことをしなくてい良いのです。

自分のいないところでは他人は何かととやかく言っているもの。言わせておけばいいです。恵子だって全く悪いところはない。

コンビニなら自分の存在価値を見出すことができ、気持ちよく生きられるのなら、恵子にとってコンビニが一番です。そのことに気づいたようなので、ハッピーエンドということでしょうか。

それにしても白羽には本当に腹が立ちました。彼の横暴さに怒りが収まらず、この時点で恵子の味方になってました。この気持ち悪い男がボロボロになるところ、ノックアウトするところを見たかった気がするけど・・。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。