色々やりたいことが出来て読書にブレーキがかかってます。今回も少なめ。
今まで本を選ぶ時にテレビの本紹介番組や書評などを参考にしていましたが、しばらく止めることにしました。どうしても自分の好みとは違う方向へ引っ張られてしまう気がします。
とても人気のある本を読んでも面白くないと思うようなときは、自分が変なのか?理解力が足りないのか?と思ったりしてしまい、考え込んでしまいます。時としてこれがストレス。
やはり年齢による違いもあるのでしょう。
以下ネタバレあります。
243.ユビキタス 鈴木光司
【探偵事務所を構えている前沢恵子のもとに、突然死した息子・敏弘の恋人が産んだ子供を探して欲しいと依頼が入る。
恵子は敏弘の恋人・中沢ゆかりが所属していたカルト集団「夢見るハーブの会」から調べることにした。
すると敏弘が亡くなったのと同じ頃、「夢見るハーブの会」では本部施設で共同生活をしていた幹部信者8人のうち7人が不審な死をとげ、1人は行方不明になり、その後会は消滅していた。
この事件のドキュメンタリーが発刊されていることを知った恵子は著者の上原に会いに行く。そしてこの事件の最大の謎は死因だったこと、更に行方不明の女性が中沢ゆかりだと突き止めた。
ある日、恵子は記者時代の後輩・葉月有里から2件の突然死事件について聞かされる。両者とも死因が不明であることから「夢見るハーブの会」と何か共通の因果関係があるのではと考えた。そして彼らを死に追いやった未知のモノを最優先で特定しようと調査を進める】
展開がスピーディで最初から最後まで面白く読みました。著者の想像力、発想力、探究力、取材力が圧巻、ただただ感心しました。
未知の植物、微生物を題材にし、いまだ解読されていない「ヴォイニッチマニュスクリプト」を絡めたミステリー。
専門的な説明は難しくもありくどかったかな、このために集中力も途切れてしまって・・。ミステリーとして読んでいましたが、ホラーのようでもSFのようでもありました。
でもまるっきりフィクションとは思えない部分もあり、不安になったし読んでいて寒気がしました。やっぱり不気味な内容。
最後は完全に解決したとは思えなかったし、この先人類はどうなっちゃうんだろう・・と心配になりました。
植物は時期が来れば必ず芽をだし花を咲かせ、実をつける・・この揺るぎない営みは私達を喜ばせてくれます。植物に意志があるなら、それは喜びや幸せを与えるためのものであって欲しいです。

244.カラー図解 古生物たちのふしぎな世界 土屋健
とにかく面白くて食い入るように読みました。
地球の誕生は約46億年前。35億年前の微生物の化石はシアノバクテリアと考えられています。シアノバクテリアは光合成を行うことができ、これにより地球上にだんだん酸素が増えていったと考えられていて、初期の重要な生命体と言われています。
恐竜時代よりもはるか昔の地球上の生命の話をわかりやすく教えてくれています。
三葉虫やアンモナイトなどおなじみの古生物の話もでてきますが、全く知らない生命体がカラーイラストと共にたくさん紹介されています。初めて見る生き物として面白かったですし、また生き物の進化の逞しさや迫力も感じました。
そして気が遠くなるほどの年月をかけて多様に進化し絶滅し、また生まれる生命の不思議。生命ってなんだろうと考えてしまいますね。
中学や高校の時にこのような本に出会い古生物に興味を持っていたら、もしかしたら私の人生も違ったものになっていたかも・・。
ビッグ・ファイブ(大規模な5回の大量絶滅)も興味深いです。
245.小鳥とリムジン 小川糸
【小鳥はシングルマザーの母の元で育つが、母との生活が耐えきれず逃げ出し、児童養護施設に助けを求めて高校へ通う道を選んだ。しかし、どこにいても心は満たされず人生は八方塞がりだった。
そんな時コジマさんという人から手紙が届く。内容はコジマさんが小鳥の実の父親である可能性が高いこと、認知出来なかったことへの謝罪、そして深刻な病気を患っていて介護をお願いしたいということ。
考え抜いた末、小鳥はコジマさんが亡くなるまで介護することを承諾した。これで経済的な不安はなくなり、小鳥は施設を出て一人暮らしを始める。
介護の毎日の中、小鳥は近くの「リムジン弁当」というお弁当屋さんが気になっていて・・】
勝手にほのぼのとした心温まるお話と思っていたので、出だしから衝撃的な内容で驚きました。だからといってやはり最終的には心温まるお話なんですが。
虐待やトラウマ、死、性自認の問題も含まれていて濃い内容です。若者への性教育の面もあるのかなと思いました。
子供の頃から悲惨な人生だった小鳥を思うと辛すぎますが、実際にこういう現実もあるんだろうとも思いました。現代社会の中の難しい課題です。
物語は優しい言葉でテンポよく進み、サクサク読めました。説明しにくいことをとても自然にわかりやすく描いていて、こういう説明の仕方もあるんだな、流石だなと思いました。表現の仕方には愛情が溢れていて、読むうちに癒やされるようでした。
ただ前半は現実味もあったのですが、リムジンと出会ってからの後半はなんだか全てが夢物語のようで、今ひとつピンときませんでした。
小鳥はコジマさんの介護をする中で自分自身を見つめて次第に自分を取り戻しました。そしてリムジンと出会い彼からの優しい愛を受け取って人生が輝き出し、やがて親友の死も乗り越えました。これからはためらうことなく幸せになって欲しいと思いました。
出てくるお料理がどれも魅力的でしたし、それもこの作品のポイントの一つです。
最後まで読んでくださってありがとうございます。