「ニラの復讐」 ใบไม้ที่ปลิดปลิว 2018年 One31
★★★☆☆
性転換をした主人公の復讐物語という設定に驚かされたばかりではなく、タイという国の事情も反映している興味深いドラマでした。
スピード感もあり最後まで面白く見ましたが、韓ドラ愛憎劇に慣れている私としてはドロドロ感もパンチがなく少し物足りなさも感じました。復讐という復讐ではないし、ラブストーリーとしても中途半端に感じました。
それでもヒロインが歩んできた道が壮絶で目が離せなくなり、行く末も心配だったので途中で飽きることなく見終えました。
また、タイ社会の独特な雰囲気も感じられて面白かったです。俳優さんたちも美しくて魅力的な人が多く、どちらかと言うと彼らに引っ張られて見た感があります。タイの俳優さんのビジュアル度の高さに驚かされました。
画像:banlakorn.com
ニラ=ピムチャノック・ルーウィセートパイブーン(バイフォーン)
チャット=プッティチャイ・カセットスィン(プッシュ)
チョムタワ=ユラヌット・パモンモントリ(サム)
ランロン=ニダー・パチャラウィラポン(テーンモー)
ベンジャン医師=ウィティヤ・ワスクライパイサン(Aun)
可愛いドレスが好きだった男の子、自分を理解してくれたのは母だけだった。父の暴力から逃れるため母と共にタイを脱出し性転換手術を受ける。手術は成功したものの、母は事故で突然に亡くなってしまった。
母を苦しめ死に追いやった父を憎み復讐のためタイに戻った彼はニラという美しい女性に変わっていた。
ニラは父親を探る為に彼のワインバーを訪れると、子供の頃可愛がってくれた叔父のチャットと出くわし動揺する。父への復讐に燃え、チャットへの愛に苦しむニラの行く末は・・。
ニラの復讐~美貌に隠された秘密~ | ドラマ | BS11(イレブン)|全番組が無料放送
以下ネタバレあります。
タイはLGBT先進国、多様な性に対して寛容な国です。
LGBTというのは
- L=Lesbian(レズビアン:女性同性愛者」
- G=Gay(ゲイ:男性同性愛者)」
- B=Bisexual(バイセクシュアル:両性愛者)
- T=Transgender(トランスジェンダー:主に性別と身体の不一致など)
上記を含めてタイでは性別を表す言葉が18種類もあるそうです。性的マイノリティであることを隠す人もいないし、第一線で活躍している方も多いそうです。
そういうことから私はタイでは性的マイノリティに対してもバリアフリー社会なんだろうと思っていました。
でも、このドラマを見るとそうでもない・・タイの社会の複雑さも感じました。ドラマの中では性的マイノリティへの暴言や差別も描かれています。
題名に復讐と付いていますが、どちらかと言うとラブストーリー色が強く、またニラが憎悪を捨て自分を取り戻すまでの物語ともいえます。
ニラへの嫉妬でイジメや企みもありますが、ニラが負けていない。やられたらやり返すという具合です。ヒロインにしては感情的過ぎるような気もしましたが、スカッとする場面も多かったです。
ただ墓穴を掘ることもあって計画的な復讐でもないし、いきあたりばったり的なところにハラハラしました。
ニラが早い段階でチャットに本当のことを打ち明けていたらどうだったでしょう。チャットのニラへの気持ちを疑ったことはないですが、離婚への努力があまり描かれていないせいかイライラしました。いくら妻とは別居していると言ってもニラとは不倫になりますから。
妻のランロンが強硬姿勢だったから仕方ないけれど、妻との関係を清算する前にニラとはどんどん進んでしまってこういうのは誠実と言えるのでしょうか。
それでもニラが実は甥っ子だったと知ってからも態度が急変しなかったところは感動的でした。内心は複雑だったと想像しますが。
嫉妬や妬みからニラを敵対視する人物も多いのですが、逆にたくさんの味方がいたのが救いでした。私はニラのマネージャーとなったヨドイが好きでした。脱線しそうなニラに厳しいことも言うけれど、そこに愛情を感じられる人でした。
また最初からニラの秘密を知るベンジャン医師、ベンジャン医師宅の家政婦オンさんはニラにとってはオアシスだったと思います。
物語の最後は衝撃的。自分の秘密が知られてしまい壊れていくニラを見るのは辛かったです。父チョムタワ、叔母ランロンに対して精神的ダメージを与えることで結果的に復讐となったのかなと思いますが、ニラ自身にも大きなダメージになりました。
父チョムタワもランロンも最後はしおらしくなっていましたが、改心したということは少しはニラに愛情を感じたのでしょうか?
強烈な結末ではありますが、希望も感じ後味は悪くなかったです。彼女の心が自由になり、また皆と笑顔で再会できる日が来るようにと願いました。
愛憎劇と言ってもそれほどドロドロしているわけでもないので軽い気持ちで見られますし、展開にはスピード感もあり中だるみもないので最後まで面白く見られるドラマです。
俳優さんたちの美しさを愛でるのもいいですし、音楽も良かったです。エンディング曲がとても好きでした。激しい展開でも最後に音楽で癒やされました。
そしてランロンを演じた女優さんの悲しいニュースもありました。
女優テンモーさんの遺体を発見、船からチャオプラヤー川に転落 | タイランドハイパーリンクス:Thai Hyper
画像:sistacafe.comさん
スパポン・ウドムケーオカンチャナー(セイント) ศุภพงษ์ อุดมแก้วกาญจนา
1988年4月17日 181cm
ニラの青年の頃を演じています。タイではとても人気の高いイケメン俳優です。美しいです。ニラを演じた女優さんととても似ていて驚きました。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。