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韓国ドラマ「緑豆の花」感想〜希望と挫折、激動の時代を駆け抜ける兄弟の物語

「緑豆(みどりまめ)の花」  原題: 녹두꽃 2019年 SBS

★★★★☆

朝鮮王朝末期、新興宗教の東学が率いた甲午農民戦争 から日清戦争にかけての時代を背景に自国への思い、家族、愛を描いた物語です。

反乱軍を率いた指導者・緑豆将軍に焦点を当てた英雄物語ではありません。国を思う同じ気持ちを持ちながらも相反する道を選んだ兄弟の物語です。

激動の複雑な時代の話なので理解も難しいですが、わかりやすく描かれていて物語に入り込むことも出来ました。戦う場面も多く辛かったのですが、キャストの魅力と確かな演技で最後まで引っ張られるように見終えました。

この時代の朝鮮の熱量を感じる一方で、運命に翻弄される人々の切なく悲しい物語でした。見て良かったです。


画像:SBS

ペク・イヒョンユン・シユン)=嫡子、日本留学を終え戻る
ペク・イガン(チョ・ジョンソク)=庶子、イヒョンの異母兄
ソン・ジャイン(ハン・イェリ)=商人
ファン・ソクジュ(チェ・ウォニョン)=イヒョンの師、ボンジュンの友
ファン・ミョンシム(パク・ギュヨン)=イヒョンの恋人
チョン・ボンジュン(チェ・ムソン)=緑豆将軍、民の英雄

19世紀末期の朝鮮、王朝は息絶え絶えで私腹を肥やす汚職役人がはびこり、民は食べるものも無く生きていることを恨むような生活を送っていた。

役人の長男でありながら庶子のイガンは家族にも蔑まれ、父の汚れ仕事を引き受けていた。一方嫡子のイヒョンは日本留学を終えて戻ったエリート、兄を心配する優しい弟だった。

その頃、東学の指導者チョン・ボンジュンは身分差のない平等な世の中を目指し活動していた。そしてついに彼を支持する民も立ち上がり「東学の乱」を起こる。

イガンはボンジュンに出会い義兵として共に戦うことを選ぶが、逆にイヒョンは東学の討伐に駆り出される。

時代の大きな渦に巻き込まれいつしか敵同士となった兄弟、東学の乱(甲午農民戦争)をベースに兄弟の対照的な生き様、過酷な運命をドラマチックに描く骨太の歴史ドラマ。

緑豆の花|ドラマ公式サイト

甲午農民戦争については 

甲午農民戦争と日清戦争 | 世界の歴史まっぷ

以下ネタバレあります。

全体的に重いドラマなので、途中リタイアしそうになりました。見ているのが苦しかったからです。たくさんの人が死んでいくし、仲間の裏切りもあり、人が段々と変わってしまうのが恐ろしかったです。

人間が人間らしく生きられる国を目指し奮闘した兄弟なのに、最後は敵同士に・・。生きた時代が違うなら幸せな人生を送ったかもしれないと思うと、時代の残酷さを思いました。

また、その時代に思いを馳せ、平等ということがどれだけ難しいことだったか考えさせられました。超えるべきは自分が作ってしまっていた境界。

緑豆将軍の蒔いた緑豆の種は風に飛ばされ広がり、芽を出し花を咲かせそして実になる。緑豆の花は同じ志を持ち共に戦う一人ひとりです。

新しい朝鮮への希望を感じるドラマタイトルですし、心を揺さぶるセリフも多く、脚本が素晴らしいと思いました。

 

敵同士となったイガンとイヒョン、最後までお互いを思う気持ちもありホッとしましたが、そこが切なさを倍増させました。

イヒョンの最後が本当に辛かったです。もしかしたら純粋過ぎたのかもしれません。彼の挫折と絶望を思うとやりきれなくなりました。でもどこかエリート意識もあって結局は境界を超えられなかった人なのかなと思いました。

特に元恋人のミョンシムとの最後のシーンが印象に残っています。「私が愛したペク・イヒョンは美しい人だった」というミョンシムの言葉が辛すぎました。でもイヒョンを表現するには本当にぴったりのセリフだったなと思います。

とにかく父親が酷かった。一番に殺されても仕方がないような人でなしでした。母親はきっとこの夫の傍で精神的にも苦労をしただろうと思うと余り憎めませんでした。

なぜこの父親をこのままにしておくのかと腹も立ちましたが、家が没落して逃げるはめになった事は彼には一番の罰だったでしょう。

思い返せば返すほどズシンと心を重くしますが、最後は希望も見えて後味は悪くありませんでした。

 

手放しで面白かったとは言えないのですが、この時代への理解も深まり余韻も残る素晴らしいドラマでした。

俳優たちがしっかりとした演技でそれぞれの人物を引き立たせ、物語の展開も早く飽きさせません。

是非見ていただきたいドラマです。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。