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韓国ドラマ「誰も知らない」感想〜飽きさせないセンスの良いサスペンス

韓国ドラマ「誰も知らない」 原題:아무도 모른다(誰も知らない)  2020年 SBS

★★★★★

始まりから緊迫した展開で面白く見ていました。

毎回終わり方が絶妙で続きが気になり自然と物語に引き込まれ、最後まで飽きずに見ました。

少しずつ真実に迫る中で次々に明らかになる事実もそれほど矛盾を感じませんでした。スピード感もあり、中だるみを感じさせることもなく、またロマンス色もないので全体的にスッキリとまとまった素晴らしい作品だと思います。

悲惨なストーリーであるにも関わらず、それほど重苦しさを感じることがありませんでした。最後は爽やかささえ感じて後味の良いサスペンスドラマでした。

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画像:SBS

チャ・ヨンジン(キム・ソヒョン)=刑事
イ・ソヌ(リュ・ドックァン)=シンソン中学校教師
コ・ウノ(アン・ジホ)=シンソン中学校の学生
ペク・サンホ(パク・フン)=ミレニアムホテル代表

19年前に発生した聖痕連続殺人事件。

当時高校生だったチャ・ヨンジンは自分の代わりに親友が犠牲になってしまったという罪悪感から犯人を捕まえようと刑事となった。

そして再捜査が始まりようやく犯人に行きつくが、目の前で死なれてしまう。

そんな中、ヨンジンの階下で暮らす中学生のウノがホテルの屋上から落ちて意識不明になる。ウノの変化に気づきつつもやり過ごしたことを後悔した。

さらに単純な転落事故ではないと判断したヨンジンは、ウノの学校の担任イ・ソヌとともに調べを進める。

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以下ネタバレあります。

ヨンジンが抱えている後悔は普通の後悔ではありません。罪悪感から抜け出せず、ずっと苦しみを抱えながらも生きてこられたのは犯人を捕まえるという執念でした。優しい心を持っている反面、熱い情熱と強い精神力の持ち主でもあります。

クールな見た目もアクションシーンもカッコよかった。強く見えるけれど弱さもあり、常に冷静でいようとするヨンジンをキム・ソヒョンが上手に表現していたと思います。

そして、イ・ソヌ役のリュ・ドックァン。サブ的なキャラなのでリュ・ドックァンである必要があるのかと思いましたが、この俳優のおかげで重苦しさが半減しているように感じました。

ソヌという人物は今は宗教とは距離を置いていますが、その教えが体に染み込んでいる、どこか複雑な心を感じさせました。

弱い面もあるけれど悪い色に染まること無く、優しく根気強く子どもたちを見守る教師だったことが良かった。時々ヨンジンを見つめる眼差しの意味が気になりましたが・・。

その他の俳優陣も演技力の確かな人ばかりで骨太なドラマでした。またところどころセンスの良さを感じ、オシャレな印象のドラマでした。

 

ずっと追っていた犯人が早い段階であっけなく死んでしまってこの先どうなるのだろうと思いましたが、さらに隠されていた真実が次々に明らかになる展開が緊迫感もあり面白かったです。

宗教が絡んでいる事件だったのでそこがポイントなのかと思っていましたがそうではなく、残酷な怪物を作ったのは結局は大人だったということ。

子供にとって心底信頼できる大人が傍にいることの大切さを感じました。自分を愛して大事にしてくれているという確信があって子供はまっすぐに育つのだと思いました。そして、それは血縁関係のある無しに関係ない。

ウノが最後に「ヨンジンと出会って不安が消えた。離れているときも」と言っていたのが心に残りました。

子供の全ての不安を取り除ける大人ばかりなら・・。

そういう点で、サスペンスではありますが人の繋がりを描いた作品とも言えます。親子の関係だけではなく、友達、上司や部下との関係など人と人との信頼性を問うドラマでした。

振り返れば振り返るほど奥の深い作品だと感じます。面白かったです。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。