「ボーンアゲイン~運命のトライアングル~」 原題:본 어게인 2020年 KBS
★★★☆☆
転生し再び巡り合う3人の愛を描くストーリーですが、サスペンスでもあります。アイデアは斬新で良いと思いますが、人物設定もストーリーも凝りすぎ、複雑過ぎで混乱しました。感情移入もしづらく物語に入り込めなかったです。物語を楽しむというよりただ俳優を見るドラマという感じになってしまい少し残念でした。それでも、チャン・ギヨンとイ・スヒョクのカッコよさはゆるぎません。
画像:KBS
コン・ジチョル、チョン・ジョンボム(チャン・ギヨン)
チョン・ハウン、チョン・サビン(チン・セヨン)
チャ・ヒョンビン、キム・スヒョク(イ・スヒョク)
ジチョルは継母からは虐待され続け、さらに自分の父親が連続殺人事件の犯人だと知る。生きる気力も失ったジチョルだったが、生まれて初めて自分の名前を呼んでくれたハウンに密かに恋心をいだくようになる。ハウンが重い心臓病で移植しなければ余命わずかと知ったジチョルは自分の心臓を捧げようと考える。しかしハウンの婚約者ヒョンビンは誤解して、そして悲劇が・・。
30年後、転生した3人は再び巡り合う。
BS-TBS|韓国ドラマ「ボーンアゲイン~運命のトライアングル~」
以下ネタバレあります。
チャン・ギヨンとイ・スヒョクの共演ということで期待して見ました。特にイ・スヒョクにとっては除隊後初のドラマです。
最後まで見ましたが、なんだかがっかりのドラマでした。
登場人物の人物設定は、例えばチョン・サビンのような「骨からその人の人生を探っていく骨考古学者」などよく考えられていると思いましたが、その設定が十分に生きているとも思えませんでした。
ジチョルの人生は悲惨で壮絶でしたし、転生後のジョンボムは遺伝子提供により生まれた子で親の愛情を感じたことのない孤独な青年。15歳で人を殺したと噂されているなどとにかく気の毒が盛りだくさんの人物設定。
人物設定だけでなくストーリーでも凝りすぎと感じるところがあり、そのせいで全体がぼやけた感じでした。小道具も多すぎ。黄色い傘に意味はあったのかしら?
それでも序盤はジチョルの暗く辛い人生に重苦しさを感じながらも、彼の思いは理解出来たし先が気になりました。転生後からグズグズになりましたね。
中盤はともかく終盤はストーリー展開を楽しむというより、もはや2人の男優で目の保養をするだけのドラマという感じでした。これでは2人の俳優がもったいない。他のベテラン俳優陣も。
「嵐が丘」が1つのモチーフになっているのだと思いますが、これも曖昧。「嵐が丘」である意味がなかったように感じました。妙に意味ありげに登場しますが、「嵐が丘」を知らなければ投影することもできないです。「嵐が丘」は愛憎劇です。
死んでもなお愛を貫き通すというところが1つのテーマなのかなと思いました。それほどジチョルはハウンの愛が欲しかった、強烈な愛ですね。多分生きていた中で初めて欲しいと思ったものだったんではないかしら。
ラブストーリーの面では転生後のサビンの曖昧さに私は腹がたったし、心の中がわからなかったです。結局最後はハッピーエンドっぽく終わりましたが、生きてたの?2人って感じで何でもあり的なドラマでした。でも、最後のジョンボムの笑顔にはほっとしました。
見終わってがっかりしたのは私がファンタジーが苦手なせいかしら?
想像力が足りない?
じゃぁ、良いところはないのか?
過去のハウンとヒョンビンは同じ場所に眠りようやく愛を完結し、ジチョルも居場所を得ました。30年後、サビンとジョンボムは愛を成就するようだし、前世からの思いが愛を貫いたと考えるとロマンチック。
でも、死んでもなお、その思いを抱えたまま転生するってちょっと怖い気もしました。
イ・スヒョクのスーツ姿がもう素敵すぎてさすがでした。立ち姿が美しい。
チャン・ギヨンのジチョル役も素晴らしかった。このドラマでは一番印象に残ったキャラクターでした。
良かったところをもっと見つけたいんですけど・・。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
では、また。