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台湾ドラマ「幸せのエチュード」感想〜心に素直に

「幸せのエチュード」 原題:若是一個人I, Myself  2020年 公視台語台、華視主頻

★★★★★+

台湾ドラマならではの独特のゆったり感。台湾語のせいでしょうか、見ていてリラックス出来ます。

それほど長編ではないけれど、登場する人物がきちんと描かれていて、一人ひとりの人となりがよくわかり、共感できました。

出演している俳優さんたちも皆魅力的に感じました。京都の秋の景色もきれいで癒やされます。

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画像:adaymag.co

方佳瑩(ファン・ジアイン)=孫可芳(スン・クーファン)
丁志明(ディン・ジーミン)=宋柏緯(エディソン・ソン) 
楊大和(ヤン・ダーハー)=子閎(ツーホン)
柯博文(コー・ボーウェン)=林紹謙(リン・シャオチィァン、ジャクソン・リン?)

アラサーのジアインは同棲し結婚を考えていたダーハーと別れ、一人暮らしを余儀なくされた。すでに1年が経とうとしていたが、まだ元カレとの過去を引きずっている。

そんな彼女を見かねた同僚から農場で働くジーミンを紹介される。ジーミンは母に捨てられ叔父の家で育てられ、今は農場で一人暮らし。多少偏屈な性格。

取材のためジーミンの農場へ向かったジアインは、彼のライフスタイルや人生観に触れて興味を持つようになる。

そんな時、元カレのダーハーと再会し、彼の結婚式に出席することに。

幸せのエチュード F4TV

以下ネタバレあります。

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中華圏でも高評価のドラマです。出てくる人物それぞれに共感でき、楽しく見ました。

特に生きづらさを感じる同世代の方にとっては心に染みる、あるいはヒントを与えてくれるドラマではないでしょうか?ストーリーそのものが自然体です。

ダーハーの別れの理由は、自由が欲しいということでした。恋愛中はこの気持ち、けっこう湧き出るものなんではないでしょうか。これはジアインにとって痛いですね。

ダーハーもジアインを嫌いになったわけではないけれど、別れを選択しました。愛しすぎては駄目、自分を押し殺しても駄目ということでしょう。

ジーミンは人付き合いは苦手で、取っ付きにくい感じもありますが、冷たい人間ではありません。始めなければ、終わりもないということで、一人でいることが心地よいようです。これもよくわかります。特に恋愛って面倒な面もありますから。

でも寂しいという気持ちはあるようで、音を録音しそれを聞いている姿は少し痛々しい気もしました。自分で自分を追い込んでいるように見えました。

ジアインは一人暮らしになってから、おひとり様に挑戦し、一人の時間も大切だと気づきました。最後には自分の好きに暮せばいい、自然体でいることが一番大事と思うようになりました。そして、台湾を離れることに。

一方ジーミンは母との暮らしがあって、誰かと一緒にいるということも心地よいものだと思うようになりました。誰か気遣う人がいる、気遣ってくれる人がいる。母親が亡くなって泣いて恋しがる姿には、固かった殻が取れたんだなとほっとしました。

ジアインとジーミンだけでなく、その他の人物も自分の選択によって新たな一歩を踏み出すという物語になっています。できちゃった婚のジアインの従兄弟、告白したボーウェン、ケンジと婚約者、ダーハーも。

すごく盛りだくさんなのですが、うるさい感じはないです。

ジアインの事が心配で京都まで行ってしまうボーウェンには驚きましたが、やっぱりいい人で終わってしまいましたね。いますねぇ、こういう人。でも、この人には絶対に良い人が見つかるでしょう。私はボーウェン好きでした。

ケンジの件は更に衝撃的でしたが、台湾ではBLがブームなんでしょうか?

しかしなんといってもこのドラマの最後、ジーミンの言葉が忘れられない。ジーミンも長い冬の季節を抜けて春の温かさを感じようとしている。良いシーンです。

恋愛色は薄いドラマですが、ここで一気に・・。
この言葉を聞くためにもう一度見たいと思えるドラマです。
ジーミンがこんなふうに・・。胸キュンでした。

日本語訳がものすごく良い!訳してくださった方のセンスに感心します。流石です。

字幕翻訳は「喜納さやかさん」でした。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。

では、また。