「ポロス〜古代インド英雄伝〜」 2017年〜
★★★★☆
私にとっては初めてのインドドラマです。シーズン1〜5まで全てを見ました。全部で299話ということですが、そんなに見たかしら?
紀元前350年が舞台のドラマです。
はじめのうちは人間ドラマのような面白さがあり、また歴史にも沿っているので夢中になって見ていましたが、最後は戦いのシーンが長くてそれが少しだるかった。でも役者さん達が皆魅力的でインドドラマをもっと見てみたいと思いました。
パウラヴァ国のバムニ王とアヌスヤ王妃の間に生まれた王子プルショータム。敵の企みにより生まれてまもなく滝底に投げ落とされてしまう。しかし、パウラヴァの総司令官で忠臣のリプダマンは王子を助け、家族とともにダスユ国へ逃げる。出自を知らずに盗賊の一員として育つプル(プルショータム)。
一方マケドニアには野心の塊のようなアレキサンドロスがいた。
数々の苦難と陰謀に立ち向かい、ついにはパウラヴァの王となり、インド統一という夢に向かって進むプルの波乱の歴史物語。
ポロス=プル(ラクシュ・ラールワーニー) パウラヴァ国のバムニ王とアヌスヤ王妃との間に生まれたプルショータム王子
バムニ(アディティヤ・レディジ) パウラヴァ国の王。敵国タクシラが兄を侮辱した見返りとしてアヌスヤを娶る。
アヌスヤ(ラティ・パーンデー) バムニ王の妻、パウラヴァの王妃。バムニ王を愛し、インド統一を願う気高く聡明な女性。
ラチ(スハーニー・ダーンキー) プルを愛し助けるダスユの勇敢な王女。
以下多少のネタバレ含みます。
見始めた時は役者さんたちの顔が皆濃くて胸焼けしそうでした(笑)。プル役ラクシュ・ラールワーニーさんが登場してようやく落ち着いた感じ。ただこの人は笑わないほうがいいなぁ・・。
「黄金の鳥」と言われていたインドだけあって、王族が身につけるものは豪華で美しいです。衣装やアクセサリーを見るのも楽しかったです。パウラヴァの象徴でしょうか?鮮やかなブルーも印象的でした。
前半はプルが出生の秘密を知る過程とペルシャとのせめぎ合い、後半は力と恐怖で他をねじ伏せるアレキサンドロスと民を慈しみ信頼と尊敬を得て力をつけるプル、対照的な二人の戦いが見どころ。終わりに近づくに連れ、戦闘シーンも多くなっていきます。最後プルは気高さを示し、アレキサンドロスの心を動かしました。感動的なシーンでした。
アレキサンドロスは大帝国を築きますが、結局マケドニアの地を再び踏むことなく亡くなってしまいます(33歳で)。「人は何も持たずに生まれ、何も持たずに死んでいく」という言葉が突き刺さりました。なんだか虚しい人生に映りましたが、自分の野望を果たし悔いなく逝ったのでしょうか?
さて、登場人物で一押しはプルの母、パウラヴァ国の王妃アヌスヤです。美しく聡明、かつ勇猛果敢な女性です。そして一途にバムニ王を愛する女性でもありました。彼女の息子だからプルも大丈夫と思わせてくれるような女性でした。妻として、母として、そして戦士としても素晴らしく、憧れの女性像です。
また、特に興味深く勉強にもなったのはドラマの中の名セリフ。その言葉にインドの大きさ(懐の深さ)や気高さを感じました。人間としてどうあるべきかということを考えさせられる感動的なドラマでした。
しかし、最後の最後なんでアンビ王子が!プルとラチの間には王子も生まれ幸せの中にいたのに、急に登場したアンビ。本当に悔しい。このアンビに私も何度も騙されましたが、しつこい悪党だったんですね。許せない!
プルとアレキサンドロスとの感動のシーンもあったのだからそのあたりで終わりにしても良かったんじゃないかなぁと思ってます。
プルとラチの息子は川に流されたけれど、今後どうなるんでしょう。続編とかあるのかしら?僧侶のチャーナキアがプルの意思を継ぐことを約束していたから、この物語の続きも期待してます。
おまけ:このドラマには悪役もたくさん出てきますが、特に印象に残っているのはこの人。シヴダット(アマン・ダリワル)、迫力ありすぎて怖かったです。
作品ごとに外見が変わることで有名な俳優さんだそうです。