なんだかとても気になりくすぶっていたアガサ・クリスティの言葉。
他人があなたのためにできることは、決して自分でしないこと。
Never do anything yourself that others can do for you.
英語に堪能な友人に聞いてみたところ、調べてくれて「ヘラクレスの冒険(The Labours of Hercules)」の中にその言葉があるという事がわかりました。早川書房から翻訳の文庫が出ているので、読んでみることにしました。古本で探したので高橋豊さんの訳の物、旧版です。
「ヘラクレスの冒険」は12編の短編集でポワロが主人公です。
もちろん1話から読んでいったのですが、なかなかその言葉が出てこない。間違いだったのかしら?と思い始めた頃・・11話目の「へスぺリスたちのりんご」についに出てきました!
盗まれた美術品を取り戻してほしいという依頼を受けたポワロ。手がかりとなる盗賊たちは世界各国に散らばっていてこれでは調査のために世界中を回らなければならない・・考えた末、それぞれの国の探偵社に探ってもらおうとします。その時側仕えのジョージに言います。
不必要な行動のために精力が消耗するのは、無駄だ。人生にはこういう鉄則があるのだよ『他のもがやってくれることは、何もするな』という事だ
これなら意味は分かります。何の違和感もなし。
だたこれは名言か?という疑問はそのまま残りました。昔からある格言かなぁとも思いましたが、それならアガサ・クリスティの名言という事とは違うだろうし。結局すっかり納得しました、とはならず・・今は原書を取り寄せて読んでみるという友達の意見待ちです。