【第18話】零の記憶
キラは絵に隠されていた聖の遺書を読み、聖の心の中の叫びを知る。一方零は肖像画の母を見てところどころ記憶が蘇ってくる。そして心理療養センターを訪ね、母の死の真相を知る。
キラは崇之から、零の実父「暁彦」のことを教えてもらう。暁彦はバイクのレースで亡くなっていたのだ。そして、零は崇之との約束どおり会社を継ぐべく猛勉強を始めるが・・・
キラは聖の遺書を見つけ思い切って読み始めます。そして、聖の死の理由が零の思っているようなことではないと知ります。
聖は自分の中の残酷さ、邪悪な面に気付き、自分が恐くなったんですね。そして、成長するにしたがってだんだんと自分から遠ざかる零とずっと一緒にいたいが為、零の心に確実な傷跡を残すような結果を選んだ。本当に怖い人です。
聖だからこそ、興奮もせず淡々とこんなことを考えたんですね。そう考えると、余計怖いです。零は聖の計略通りにずっと苦しんできた・・残酷すぎます。
一方、母の肖像を眺める零に、母の手が伸び零の首に迫っていきます。零の心の中には、母への怖い記憶があるようです。そして少しですが幼い頃の記憶が蘇ってきています。
零は母を担当していた医師がかつての自分の担当医だったことを思い出し、心理医療センターへ向かいます。
そこで、先生から当時の母の病状について、崇之の葛藤について聞くのです。母の子供に対する愛情は異常で、心配した崇之は零と聖を守るために母を入院させました。しかし、入院後は病気がますます悪化して・・
それでも崇之の苦悩を理解するにつれ落ち着きを取り戻し、病状も好転してきた矢先自殺をしてしまったのです。
零は話を聞き、結局母は崇之も零も聖も捨てて、死んでしまった男を選んだんだと考えます。崇之への誤解は解けていきそうです。
崇之は妻の死のショックが大きく、子供をアメリカへ送ることも先生が提案したとか。
崇之は妻、弟、そしてもちろん零と聖のこともとても愛しているんです。なのに、誰にもその思いは理解されず、何年も苦しんできました。本当に気の毒な人です。長い間辛い思いをしたのだから、これから幸せと感じる日々があっていいはずです。
その頃、キラは崇之とゆっくりと話しをする機会を持ちます。崇之は聖が絵が好きだったのは母親に似たからだと、母親は刺繍が好きだったと懐かしそうに話します。崇之の顔を見ると2人に対する愛情が分かります。
キラはつい「零は父親似ですか?」と聞いてしまいますね。他意がないことは崇之も分かります。崇之は零は父親似だと言い、実父の暁彦の思い出、そして自分の胸のうちを話し始めます。
正直にキラに話してます。暁彦が死んだ後、残された二人の子供を自分の子として育てられるか不安だったこと、暁彦を恨んだこともあると・・・。
暁彦はバイクレースで命を落としました。だから、今では唯一の肉親である零が同じようにバイクに夢中になることに恐怖感があるんですね。気持ち分かります。彼の周りではたくさんの愛する人が亡くなって、もうこれ以上は耐えられないでしょう。
それにしても、崇之にはキラが女神に見えると思います。 こんな風に心穏やかに話が出来る相手は家の中にはいなかったし、そして何より零を連れ戻してくれたのですから。
迎えに出たキラに零は先生と話して気持ちが落ち着いたと話します。ここで自然と手をつなぐのいいですね。
「ずっと手をつないで歩けたら幸せ」
キラは崇之の援助と計らいで大学へ戻ることになりました。一方の零は父との約束を果たすため、経営学の勉強を始めます。
崇之に対する気持ちも変わってきたようで、「オヤジの顔をつぶせない」なんて言ってます。スーツでバシッと決めて崇之のようなシブイ男になるつもりらしいです(笑)
しかし・・・知恵熱 (>_<)
頭を冷やしてくると出て行った零を探しに行くと、彼はバイクの練習を楽しそうに眺めているのです。
この場面は涙がでちゃいますね。キラでなくても零がとても愛おしくなります。自分の思い通りに生きられる人は少ないと思うけど、夢を取り上げられるのは悲しいです。 この場面の大S、上手に演技してますね。
*好きなシーン
スーツ姿に戸惑う零です。鏡に映る自分を見て、これが俺なのか?と違和感を思っているはずです。 こういうチョットした表情、上手いなぁ。